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10「クラス分け」
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おはよう、諸君!
この度めでたく(?)前世の記憶を思い出したは良いけれど、この世界がBLゲームの世界で、しかもそのゲームの主人公だと気が付いてしまった石留椿です。
今置かれている状況を簡単に説明しよう。
まあ、説明も何も、このままでは俺の第二の学園生活がBなL展開になってしまうという初っ端からハードモード全開な状況だという事以外言いようがない訳なのだが。
しかし!何か打開策はないかと考えに考えた末、俺は前世の姉が言っていた事を参考にある作戦を考え付いた。
題して『攻略対象同士をくっつけてしまおう作戦』である。
読んで字のごとくな作戦だが、我ながらナイスな事を思い付いたと思う。……思うのだが、問題がある。
それは、
「誰と誰をどのタイミングでくっつけるか、だよなぁ…」
思い付いたは良いが、如何せん俺には恋愛経験というものが全くない。勿論、前世を含めてもだ。
そんな俺が他人の恋のキューピッドなど出来るだろうか。いや、出来ない。
とは言え、出来なければBなL展開まっしぐらな訳で……
「……詰んだ」
「何がつんだんだ?」
「そりゃ俺の…」
…ん?
横からした声の方を見れば、隣の寮部屋から顔を出している友広と目が合った。
「おはよう。なに朝から辛気臭い顔してるんだ?」
「…何だ、友広か」
聞かれたのが友広だった事に安堵しながら寮部屋の扉の鍵を閉める。
「何だって何だよ」
「友広で良かったなと思って」
「? 何かよく分からんが、褒め言葉と受け取っておけば良いのか?」
「ああ」
何てったって友広はお助けキャラ兼友人だからな。
*****
友広と肩を並べて寮の目と鼻の先にある学校の校門をくぐり、大きな掲示板に張り出されていたクラス分けの一覧を確認すれば、俺はAクラスで、友広はBクラスだった。
何だ、友広とは同じクラスじゃないのか…
少しばかりその事を残念に思っていると、クラス分け表を見ていた友広が何かに気が付いて「あ」と声を上げた。
その声にどうかしたのかと思い、友広の方を見れば、憐れむような空色の眼差しと目が合った。
「頑張れよ、椿」
「? 何がだよ?」
慰めるように俺の両肩に手を置く友広の行動の意味が分からず、首を傾げる。
「だってお前、よりにもよってあの紫麻と同じクラスとか。強運っていうかもはや凶運だな」
「え」
『しま』って…
「まさか…不良っぽい格好してる、あの?」
「そうだよ、その紫麻だよ。ていうか、『ぽい』じゃなくてアイツは正真正銘の不良だからな?」
「へ、へぇ」
「へぇ、とか暢気なこと言ってる場合じゃないぞ、お前」
「え?」
「ちょっと耳貸せ」
言われて、身を屈めると、友広は周囲を警戒するようにひそひそと話し始めた。
「オレ、紫麻とは同じ中学なんだけどさ、アイツん家はその筋じゃ超有名なヤクザなんだよ」
「!」
そうだ、思い出した。ゲームにはヤクザの息子という肩書きを持つキャラクターがいたはず。そうか…紫麻くんの事だったのか。
「まあ、お前なら大丈夫だとは思うけど、目を付けられないように気を付けろよ?」
「あ、ああ。分かった」
忠告にこくこくと頷くと、友広は「じゃ、オレのクラスはこっちだから」と言って、去っていった。
「……まじか」
去っていく友広の背を見送りながら、思わずといったように零れ落ちる。
目を付けられないように気を付けろって言われたけど、それってもう完全にフラグじゃない? ていうか、俺歓迎パーティーの時に「覚えてろよ!」って言われたよな? これはもう既に目を付けられているという状況なのでは?
「あー…入りたくない…」
とか何とか色々悶々と考えている間にも、教室に到着してしまい、扉の前で二の足を踏んでしまう。
だが、いつまでもこうしている訳にもいかない。
「…よし、行くか」
深く深呼吸して覚悟を決めて、扉に手をかける。
いざ、出陣!
この度めでたく(?)前世の記憶を思い出したは良いけれど、この世界がBLゲームの世界で、しかもそのゲームの主人公だと気が付いてしまった石留椿です。
今置かれている状況を簡単に説明しよう。
まあ、説明も何も、このままでは俺の第二の学園生活がBなL展開になってしまうという初っ端からハードモード全開な状況だという事以外言いようがない訳なのだが。
しかし!何か打開策はないかと考えに考えた末、俺は前世の姉が言っていた事を参考にある作戦を考え付いた。
題して『攻略対象同士をくっつけてしまおう作戦』である。
読んで字のごとくな作戦だが、我ながらナイスな事を思い付いたと思う。……思うのだが、問題がある。
それは、
「誰と誰をどのタイミングでくっつけるか、だよなぁ…」
思い付いたは良いが、如何せん俺には恋愛経験というものが全くない。勿論、前世を含めてもだ。
そんな俺が他人の恋のキューピッドなど出来るだろうか。いや、出来ない。
とは言え、出来なければBなL展開まっしぐらな訳で……
「……詰んだ」
「何がつんだんだ?」
「そりゃ俺の…」
…ん?
横からした声の方を見れば、隣の寮部屋から顔を出している友広と目が合った。
「おはよう。なに朝から辛気臭い顔してるんだ?」
「…何だ、友広か」
聞かれたのが友広だった事に安堵しながら寮部屋の扉の鍵を閉める。
「何だって何だよ」
「友広で良かったなと思って」
「? 何かよく分からんが、褒め言葉と受け取っておけば良いのか?」
「ああ」
何てったって友広はお助けキャラ兼友人だからな。
*****
友広と肩を並べて寮の目と鼻の先にある学校の校門をくぐり、大きな掲示板に張り出されていたクラス分けの一覧を確認すれば、俺はAクラスで、友広はBクラスだった。
何だ、友広とは同じクラスじゃないのか…
少しばかりその事を残念に思っていると、クラス分け表を見ていた友広が何かに気が付いて「あ」と声を上げた。
その声にどうかしたのかと思い、友広の方を見れば、憐れむような空色の眼差しと目が合った。
「頑張れよ、椿」
「? 何がだよ?」
慰めるように俺の両肩に手を置く友広の行動の意味が分からず、首を傾げる。
「だってお前、よりにもよってあの紫麻と同じクラスとか。強運っていうかもはや凶運だな」
「え」
『しま』って…
「まさか…不良っぽい格好してる、あの?」
「そうだよ、その紫麻だよ。ていうか、『ぽい』じゃなくてアイツは正真正銘の不良だからな?」
「へ、へぇ」
「へぇ、とか暢気なこと言ってる場合じゃないぞ、お前」
「え?」
「ちょっと耳貸せ」
言われて、身を屈めると、友広は周囲を警戒するようにひそひそと話し始めた。
「オレ、紫麻とは同じ中学なんだけどさ、アイツん家はその筋じゃ超有名なヤクザなんだよ」
「!」
そうだ、思い出した。ゲームにはヤクザの息子という肩書きを持つキャラクターがいたはず。そうか…紫麻くんの事だったのか。
「まあ、お前なら大丈夫だとは思うけど、目を付けられないように気を付けろよ?」
「あ、ああ。分かった」
忠告にこくこくと頷くと、友広は「じゃ、オレのクラスはこっちだから」と言って、去っていった。
「……まじか」
去っていく友広の背を見送りながら、思わずといったように零れ落ちる。
目を付けられないように気を付けろって言われたけど、それってもう完全にフラグじゃない? ていうか、俺歓迎パーティーの時に「覚えてろよ!」って言われたよな? これはもう既に目を付けられているという状況なのでは?
「あー…入りたくない…」
とか何とか色々悶々と考えている間にも、教室に到着してしまい、扉の前で二の足を踏んでしまう。
だが、いつまでもこうしている訳にもいかない。
「…よし、行くか」
深く深呼吸して覚悟を決めて、扉に手をかける。
いざ、出陣!
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