59 / 85
番外編
彼女がそうして眠る理由 2
しおりを挟むガチャン、パリンッ……。
ガラスの割れる音でヘザーは目を覚ました。
部屋の中は暗い。が、目を凝らせばカーテンの隙間からはうっすらとうっすらと朝日が射し込んでいるのが分かる。朝と呼ぶには早いが、真夜中ではない、そんな時間だ。
ヘザーはこの時間が嫌いだった。
腰まで捲れていた毛布を引っ張り上げて手繰り寄せ、身体をひっくり返して丸くなる。
ドンドンドン。
蹲って毛布で防御していたヘザーだが、それでも家の扉を叩く音が聞こえた。
『ちょっとお、ヴァルデス! 寝てんの? 開けてよお』
呂律の回らない母親の声に続いて、父のヴァルデスの足音と鍵を開ける音、それから諭すような声が聞こえた。
『おいおいマグダリーナ……。ヘザーが起きちまうだろ。もうちょっと静かにだなあ……』
『いいからさあ、水ちょうだい、水! 早く!』
『お前……飲み過ぎだぞ……。いいか、お前も母親なんだから……』
『もう、うるさいなあ。いいから水ゥ!!』
この時のヘザーはまだ四、五歳であったが、それでも悟ってしまう。
母親のマグダリーナは、娘のヘザーよりも、夜に出歩いてお酒を飲む方が大事なのだと。
両親の言い合いを聞いているのが嫌で、ヘザーは毛布に包まり蹲ったまま両の耳を塞いだ。
『とうさん』
『おうヘザー。起きたか』
朝になってベッドから出たヘザーは、父親の元へ向かった。
ヴァルデスはポーチを箒で掃いている。
ヘザーの母親は夜に出かけ、朝方になって酒をラッパ飲みしながら帰って来るのが常だった。そして帰宅と同時に空になった酒瓶を、なぜか玄関ポーチに大きな音を立てて叩きつけるのだ。
ヴァルデスは妻の介抱をし、明るくなってからこうして彼女が散らかしたものを片づけている。
『朝飯は、テーブルの上にあるからな』
『うん』
父は仕事帰りにその日の夕食と、翌朝食べる物を買ってきてくれる。だが。
『母さんも、昼には起きてくるだろ。昼飯は母さんと食べな』
『……うん』
『じゃ、俺は仕事に行ってくるからよ。いい子にして待ってろよ!』
夜遊びの過ぎるマグダリーナではあるが、それでも昼には起きて娘に食事を用意してやるはずだ。そう疑わないヴァルデスはヘザーの頭をわしわしと撫でた。
『ただいま』
『おかえりなさい、あなた』
『いやあ、今日はとてもつかれたよ』
『そう思って、ごはんをごうかにしたのよ』
『おお。これはおいしそうだ』
『そうでしょう? たくさん食べてね』
ヘザーは友達のする「おままごと」を部外者として見つめていた。
ヘザーの両親はこんなやり取りをしないから、ヘザーには「おままごと」というものが良く分からない。
最初に「おままごと」で遊んだとき、ヘザーは誰の役割も上手くできなくて、とうとう「ヘザーちゃんはうちで飼っている犬のペロの役ね!」などと言われてしまった。
他の友達が喋っている時に自分は「ワン」としか言えず、つまらなくなったので「おままごと」が始まると、ヘザーはこうやって傍から見ていることにしたのだ。
『やっぱり、うちのごはんがいちばんだな』
葉っぱの上に乗せた泥団子を、お父さん役の友達が食べるふりをしている。
『うふふ、うでによりをかけたのよ』
お母さん役の友達が言った。「うでによりを……」の意味は良く分からないが、たぶん、頑張ったとかそういう意味なのだろう。旦那さんのために。
ヘザーの母親はそんなことはしない。
うちは何か、「ふつう」と違うのではないだろうか。でも、何がどう違うのだろう。子供ながらにヘザーがそう思っていると、
『もうすぐお昼よ! 戻っていらっしゃい!』
友達の母親が呼びに来た。
『はあい』
『じゃ、明日もあそぼうね!』
皆、母親の元へ、或いは自分の家へと帰っていく。ヘザーもまた、とぼとぼと帰路についた。
『かあさん』
家に帰っても、リビングに母親の姿はない。そこでヘザーは寝室の扉をあける。
マグダリーナは微かないびきをかきながら眠っていた。部屋にアルコールの匂いが充満している。
『かあさん。おなかすいた』
『ん、んんー……』
声をかけても母親が起き出す気配はなかったので、ヘザーは寝台の縁から垂れている彼女の腕を掴んで揺すった。
『かあさん。おひるごはん』
『ん……うるさいなあ。キッチンに、何かあるでしょ。それ食べな』
『……。』
ヘザーはキッチンへ向かった。キッチンの上に何かの包みが乗っているのが見えた。この頃から同じ年齢の子に比べて背は高かったが、それは奥の方に置かれていたので、つま先立ちしても手はキッチンの包みには届かなかった。
椅子を引っ張ってきて、その上によじ登る。そこで朝食べたものの残り──惣菜を挟んだパンだ。父はたぶん、マグダリーナのブランチとして取ってあったのだろうけれど──を手に取り、もそもそと一人で食べた。
年月が経過し、ヘザーは十七歳になっていた。
闘技場で剣士として働いていたが、試合をたくさんこなした日などは疲れて、翌日起きるのに苦労する。
そんな時は父親が起こしに来るのが常だった。
『おおい! ヘザー! 遅刻するぞう!』
『……ハッ!』
激しいノックの後に寝室の扉が開く。
ヘザーは慌てて起き上がり、殆ど同時に足の自由が利かないことに気付いた。
勢いよく起き上がったのに下半身が動かず、ヘザーは寝台から落ちてしまう。
『ぎゃあっ』
『おいおい。大丈夫か』
落下した途端、足の無感覚が「びりびり」に変わり、ヘザーは上半身だけでのたうち回った。
『う、うわあぁああ……』
『お前、また丸くなって寝てたのか』
『う、うん、そうみたい……』
起床と同時に足が痺れるのは初めてのことではない。また、土下座するように丸くなって眠っていたらしい。
なぜそんな眠り方をしてしまうのか、不思議で仕方がなかった。
父親はのたうち回るヘザーを複雑な表情で見下ろしている。身悶えしつつも、父はどうしてそんなに悲しい顔で自分を見ているのだろうと考えた。
しかし、理由を尋ねる間もなくヴァルデスは屈み込み、痺れまくっているヘザーの足を指で突こうとした。
『ぎゃあっ。やめてやめて!』
不自由な身体でなんとか刺激から逃れようとする。
『うるせえっ。部屋が汚ねえ奴は、こうしてやるっ』
『あははは、やめてやめて! 片づけるから!』
二人で笑いながら暴れまわり、苦しくなるほど笑った後は、足の痺れも収まり、目はすっかり冴えているのだった。
*
ヘザーが丸くなって眠る原因を知ったヒューイは思った。
それは、ヴァルデスのせいではなく、母親のマグダリーナのせいではないか、と。
しかしヴァルデスは首を振る。
「俺がもっとしっかりしてりゃあ良かったんだ」
ヴァルデスは十五で闘技場の剣士となり、自活するようになった。十六の時に二つ年下のマグダリーナと出会い、身寄りのなかった彼女はヴァルデスの家に転がり込んできた。
ヴァルデスの親兄弟や友人たちは皆反対した。あの女だけはやめておけ、と。
「若かった、ってのもあるだろうが、俺は、意地になっちまったんだよなあ……」
ヴァルデスはふうっとため息を吐き、肩を落とした。
やがてヘザーが生まれたが、周囲の目は冷たかったように思える。子供が子供を作ってどうするんだと言われたこともあった。
ヴァルデスはそんな風に言う人たちを黙らせたくて、仕事に励んだ。
しかしマグダリーナは夜遊びを始めた。彼女は深夜にふらりと出かけ、朝方に帰ってくるようになった。
周りの人たちに「それ見たことか」と言われたくなかったし、自分の選んだ女が、自分の選択が間違っていたと、認めたくなかった。ヴァルデスはマグダリーナと縁を切ることが出来なかったのだ。
マグダリーナが他の男と遊んでいるのも気づいてはいたが、他の男をこの家に連れ込み、その間ヘザーを外に出していると知り、ようやくヴァルデスは決心した。
マグダリーナが出ていくと、もちろんヘザーと一緒に過ごす時間が増える。幼いヘザーを仕事場まで連れて行き、夜も一緒に眠った。そこで、ヘザーが自分を守るように丸くなって眠ることに気付き、ヴァルデスは後悔した。
「自分の意地なんかよりも、ヘザーを気にかけてやるべきだったんだよ」
ヘザーが帰省した折に起こしに行くと、やはり彼女は丸くなって眠っていることが多いのだとヴァルデスは言った。
「あいつ、毛布を全部自分のものにして岩みてえに丸くなるから、隣で寝るのが嫌になっちまうかもしれねえぞ……あっ、それとも、あんたみてえな家だと夫婦は別々の部屋で寝るのか」
「それは……」
大抵の家は夫婦別々に寝室がある。夫婦の営みを終えたら夜のうちに自分の部屋に戻る夫もいるし、朝まで共に眠る夫婦もいるらしい。人、いや、夫婦それぞれだ。
「僕たちは同じ部屋で休むでしょう。彼女の眠り方は心得ておきます」
ヘザーがバークレイ家にやってきたら、もちろんヘザー個人の空間を与えるつもりではいる。だが、眠る時は一緒の部屋がいい。
それに……と、ヒューイは考えた。
ヘザーの妙な寝相は何度か目にしていたが、ヴァルデスの話から理由を知り、納得した。しかし、彼女自身はどうして自分がそんな風に眠るのか、全く分かっていないようだ。
最悪な母親がいたというのに、普段のヘザーからはその欠片も窺えない。それは、ヴァルデスの愛情と努力があったからなのだろう。
父親に大切にしてもらったから、今のヘザーがある。
自分も……大切にしなくては。
「そうだ。ヘザーの使ってた部屋、見るか?」
ヴァルデスが親指でクイっと後ろの扉を示した。
ヘザーの部屋にはベッドと小さなテーブル、椅子が一つ、それから衣装箱が置かれていた。
彼女が騎士となって王都に出てからも、帰省の際はこの部屋を使っていたという。
「大した荷物も持って来てねえのに、あいつ、すぐ散らかすんだ」
ヴァルデスも若い頃は掃除や整頓に無頓着だったが、妻や娘のおかげで、今はすっかり綺麗好きになったらしい。
ヘザーが王都に戻った後は散らかったこの部屋を掃除し、彼女の次の帰省に備えて綺麗にしておくのだと言う。
「まあ……今後はそういう機会もないんだろうけどよ」
「ヴァルデス殿。僕は彼女の帰省を制限するつもりは……」
「あ、いやいや。いいんだ。夫婦は一緒にいたほうがいい。俺も、嫁にやった娘がしょっちゅう帰って来たんじゃ、逆に心配でしょうがねえからな」
ヴァルデスは腕を組み、ぴしりと整えられた空っぽのベッドを眺める。
当たり前だがベッドには誰もいない。
しかし、彼の目には毛布と一緒に丸くなって眠るヘザーが映っているに違いなかった。
ヒューイもまた、ベッドを見つめた。
丸く盛り上がった毛布から、オレンジ色の髪の毛がはみ出している。そんな光景がそこにあるような気がした。
*
仕事でゴダールの街へ行っていたヒューイのお土産は、繊細なレースだった。手持ちの衣装にアクセントとして縫い付けてもいいし、またはリボンに縫い付けてさらにゴージャスなものにしてもいい。
「わあ、可愛い。これ、私に?」
「ああ。カナルヴィルに住む貴族のご婦人がデザインしたものらしい。一点ものだと聞いた」
ヒューイはそこを重要視したらしい。一点ものならば他の女性と被ることがないだろうからと。
彼は「女性の衣装や小物はよくわからん」と言っておきながらも、無難な白と、ヘザーの髪の毛を落ち着いた色に見せてくれる茶色を選んで買ってきてくれていた。
それから、王都に一番近いマドルカスの街では焼き菓子を購入したようだ。
「わあ、美味しそう! アイリーン。お茶の準備してもらってもいい?」
「はい」
「貴方も食べていくよね? あ、もしかして、あんまり時間ない?」
アイリーンがキッチンに下がった後でその事に思い当たり、ヒューイを振り返る。
すると、ヒューイはじっとこちらを見つめていた。目が合っても彼はまだヘザーを見つめたままなので、ちょっと仰け反ってしまう。
「え。な、なに……? どうかした?」
ヒューイの手が、ぬっと自分の方へ伸びてきた。一瞬、抱き寄せてキスでもしてくれるのかと期待してしまったが、隣の部屋にはウィルクス夫人がいるし、アイリーンだってすぐに戻ってくるのだからそんなはずは……と考えていると、彼の手はヘザーの頭の上にぽんと乗った。
「……!?」
ヒューイの手が静かに動いている。ヘザーの髪を乱さぬように、ゆっくりと。
これは、ひょっとして、頭を撫でられているのだろうか……。
ヘザーは頭を撫でてもらうような年齢ではないし、今は二人とも立ち上がっている。ヒューイとは身長差がそれほどないから、傍から見たらきっとおかしなことになっている気がする。
「え? な、なに!? ほんとにどうしたの!?」
そう訊ねるも、ヒューイは真顔でヘザーの頭を撫で続けている。
「……。」
「……。」
撫で方は優しいがヒューイは真顔なので、ちょっと対応に困っていると、
「カナルヴィルでは、ヴァルデス殿にも会ってきた」
「あっ! ひょっとして……父さんに何か言われたの?」
時間の都合がついたら会ってくるという話であった。結婚の許可は貰っているが、ヒューイはどうしても会って直接挨拶をしたかったらしい。
父は結婚に賛成していたはずだが……もしかしたら、ヒューイと二人きりになったのを、ヘザーの目がないのをいいことに、彼の胸ぐらをつかんで「娘を泣かせたらただじゃおかない」とか言って脅したのではないか。それでヒューイがナーバス──これをナーバスというのはちょっと違う気もするが──になっているのではないか。
「『キャシディ家の惨劇』の話ならば聞いたが」
「……え? あっ……」
あの出来事を聞いてしまったというのか。
父にあんなに叱られたのは初めてだった気がする。さすがにヘザーも反省し、あれ以来自室に食べ物を持ち込むことはやめた。
「や、やだー! 父さんってば、そんなこと貴方に話したの!」
「あとは、夫婦仲良くしろと……ヴァルデス殿はそのようなことを言っていた」
「ふ、ふうん?」
では、ヒューイが自分を撫でているのは、仲良くしろと言われたからなのだろうか。
「そういう訳ではないが」
確かに。これは仲良くするというより、可愛がったり慰めたりしたい時にやる行為だ。本当に何なのだろう。ヒューイの帰りを待っていたご褒美とか……?
「お茶が入りました。今、ウィルクス夫人も呼んできます」
首を傾げていると、お茶の用意が出来たとアイリーンが言った。
ヘザーたちもテーブルに向かおうとした時、ふいにヒューイが呟く。
「もし……昔の君がここにいたら、してやりたいと思うことをやっただけだ」
「えっ? なにそれ! ますます意味わかんないんだけど!」
「ヘザーお嬢様! 大きな声で騒ぐのは、お行儀が悪いですよ!」
「あっ、はい。ごめんなさあい」
ヒューイに詳しく聞こうとしたが、やってきたウィルクス夫人に声が大きいと怒られてしまった。もっとも夫人の怒鳴り声も結構なものだったが。
それにしても。
ヒューイは現実的な男である。とにかくヘザーの知っているヒューイは「もし昔のヘザーがここにいたら」なんて、非現実的なことを考える人ではない。
それに「昔のヘザー」とは、いったいどれくらい昔なのだろうか。頭を撫でるくらいだから、きっと、働きに出るよりも幼い頃だろう。
その頃のヘザーは……父親の仕事場に一緒に連れて行ってもらい、闘技場の剣士たちに遊んでもらっていた。食堂や売店で働いている女性たちもヘザーのことを可愛がってくれて、毎日とても楽しかったことを覚えている。
それから……と、そこでヒューイをちらりと見た。
テーブルに着こうとしていたヒューイであったが、まずはヘザーのために椅子を引いてくれた。
それから、今も、毎日幸せで楽しい。
ヒューイの買ってきてくれたお菓子を食べるために、ヘザーもまた席に着いたのだった。
(番外編:彼女がそうして眠る理由 了)
0
あなたにおすすめの小説
勘違い妻は騎士隊長に愛される。
更紗
恋愛
政略結婚後、退屈な毎日を送っていたレオノーラの前に現れた、旦那様の元カノ。
ああ なるほど、身分違いの恋で引き裂かれたから別れてくれと。よっしゃそんなら離婚して人生軌道修正いたしましょう!とばかりに勢い込んで旦那様に離縁を勧めてみたところ――
あれ?何か怒ってる?
私が一体何をした…っ!?なお話。
有り難い事に書籍化の運びとなりました。これもひとえに読んで下さった方々のお蔭です。本当に有難うございます。
※本編完結後、脇役キャラの外伝を連載しています。本編自体は終わっているので、その都度完結表示になっております。ご了承下さい。
責任を取らなくていいので溺愛しないでください
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
漆黒騎士団の女騎士であるシャンテルは任務の途中で一人の男にまんまと美味しくいただかれてしまった。どうやらその男は以前から彼女を狙っていたらしい。
だが任務のため、そんなことにはお構いなしのシャンテル。むしろ邪魔。その男から逃げながら任務をこなす日々。だが、その男の正体に気づいたとき――。
※2023.6.14:アルファポリスノーチェブックスより書籍化されました。
※ノーチェ作品の何かをレンタルしますと特別番外編(鍵付き)がお読みいただけます。
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
だったら私が貰います! 婚約破棄からはじまる溺愛婚(希望)
春瀬湖子
恋愛
【2025.2.13書籍刊行になりました!ありがとうございます】
「婚約破棄の宣言がされるのなんて待ってられないわ!」
シエラ・ビスターは第一王子であり王太子であるアレクシス・ルーカンの婚約者候補筆頭なのだが、アレクシス殿下は男爵令嬢にコロッと落とされているようでエスコートすらされない日々。
しかもその男爵令嬢にも婚約者がいて⋯
我慢の限界だったシエラは父である公爵の許可が出たのをキッカケに、夜会で高らかに宣言した。
「婚約破棄してください!!」
いらないのなら私が貰うわ、と勢いのまま男爵令嬢の婚約者だったバルフにプロポーズしたシエラと、訳がわからないまま拐われるように結婚したバルフは⋯?
婚約破棄されたばかりの子爵令息×欲しいものは手に入れるタイプの公爵令嬢のラブコメです。
《2022.9.6追記》
二人の初夜の後を番外編として更新致しました!
念願の初夜を迎えた二人はー⋯?
《2022.9.24追記》
バルフ視点を更新しました!
前半でその時バルフは何を考えて⋯?のお話を。
また、後半は続編のその後のお話を更新しております。
《2023.1.1》
2人のその後の連載を始めるべくキャラ紹介を追加しました(キャサリン主人公のスピンオフが別タイトルである為)
こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました
春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。
名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。
誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。
ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、
あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。
「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」
「……もう限界だ」
私は知らなかった。
宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて――
ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。
男嫌いな王女と、帰ってきた筆頭魔術師様の『執着的指導』 ~魔道具は大人の玩具じゃありません~
花虎
恋愛
魔術大国カリューノスの現国王の末っ子である第一王女エレノアは、その見た目から妖精姫と呼ばれ、可愛がられていた。
だが、10歳の頃男の家庭教師に誘拐されかけたことをきっかけに大人の男嫌いとなってしまう。そんなエレノアの遊び相手として送り込まれた美少女がいた。……けれどその正体は、兄王子の親友だった。
エレノアは彼を気に入り、嫌がるのもかまわずいたずらまがいにちょっかいをかけていた。けれど、いつの間にか彼はエレノアの前から去り、エレノアも誘拐の恐ろしい記憶を封印すると共に少年を忘れていく。
そんなエレノアの前に、可愛がっていた男の子が八年越しに大人になって再び現れた。
「やっと、あなたに復讐できる」
歪んだ復讐心と執着で魔道具を使ってエレノアに快楽責めを仕掛けてくる美形の宮廷魔術師リアン。
彼の真意は一体どこにあるのか……わからないままエレノアは彼に惹かれていく。
過去の出来事で男嫌いとなり引きこもりになってしまった王女(18)×王女に執着するヤンデレ天才宮廷魔術師(21)のラブコメです。
※ムーンライトノベルにも掲載しております。
初恋をこじらせた騎士軍師は、愛妻を偏愛する ~有能な頭脳が愛妻には働きません!~
如月あこ
恋愛
宮廷使用人のメリアは男好きのする体型のせいで、日頃から貴族男性に絡まれることが多く、自分の身体を嫌っていた。
ある夜、悪辣で有名な貴族の男に王城の庭園へ追い込まれて、絶体絶命のピンチに陥る。
懸命に守ってきた純潔がついに散らされてしまう! と、恐怖に駆られるメリアを助けたのは『騎士軍師』という特別な階級を与えられている、策士として有名な男ゲオルグだった。
メリアはゲオルグの提案で、大切な人たちを守るために、彼と契約結婚をすることになるが――。
騎士軍師(40歳)×宮廷使用人(22歳)
ひたすら不器用で素直な二人の、両片想いむずむずストーリー。
※ヒロインは、むちっとした体型(太っているわけではないが、本人は太っていると思い込んでいる)
抱かれたい騎士No.1と抱かれたく無い騎士No.1に溺愛されてます。どうすればいいでしょうか!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ヴァンクリーフ騎士団には見目麗しい抱かれたい男No.1と、絶対零度の鋭い視線を持つ抱かれたく無い男No.1いる。
そんな騎士団の寮の厨房で働くジュリアは何故かその2人のお世話係に任命されてしまう。どうして!?
貧乏男爵令嬢ですが、家の借金返済の為に、頑張って働きますっ!
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。