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北城高校 入学編!
第14走 同部屋
しおりを挟む4月22日(日)
夢駆荘では、1部屋に2~3人が同居している。
だが2人部屋は主に3年生の特権になっているので、結城は必然的に3人部屋に入ることになった。
もちろん同居人は、同じ学年の部員同士である。
そんな中、人生で初めての”入寮”という経験に、結城は少し緊張気味だった。
だが到着した自分の部屋の前で立ち続ける訳にもいかず、これから自分の部屋になる”105号室”のトビラを、とうとう開けるのだった。
【ガチャ……】
結城はゆっくりとドアノブを下げ、1歩を踏み出す。
だがその瞬間だった。
結城は一瞬で”めのまえが まっくらになった”のだ。
手持ちのモンスターが全滅した訳では無い。
何かが顔に向かって飛んできた結果、完全に視界が塞がれてしまったのだ。
そして結城の顔から剥がれるように、何かが地面にボトッ……と落ちる。
(これは……枕か!?)
だがそれに気付いた時には、既に2発目の枕が結城に飛んできていた。
しかし結城は持ち前の反射神経でサッと枕をかわす!
「おぉ!?ゴーの球よけやがった!反射神経パネェ!!」
結城に対してそう言い放ったのは、既に部屋の中に居た1人の男だった。
先日の練習にもいた、紛れもない1年生の陸上部員である。
そして同時に、枕を投げた張本人も口を開く。
「ごめん、長野君に命令されて枕投げちゃった。本当にごめんね早馬君」
どうやら既に部屋には2人いたようだ。
ちなみに枕を投げた方の男は、高校生とは思えない巨体をベッドに横たわらせている。
それにしても結城がパッと見渡した部屋は中々に広く、おおむね10畳といった所か。
部屋に入った両端と窓脇にベッドが並んでおり、その間には勉強机も並んでいる。
まさに学生寮のイメージそのままの光景が、結城の視界に広がっていたのだ。
「おいしょっと……」
とりあえず結城は枕に警戒しながらも、持っていた荷物をキレイな机の上に置いた。
他の机にはドッサリと教科書が積まれていたので、どう考えてもコレが結城の机であるのは明白だった。
するとこのタイもイングで"巨大じゃない方”の男が、2人に向かって"ある提案”をした。
「まあ練習で顔は知ってると思うけど、改めて自己紹介しようぜ!」
するとこれを聞いた巨大な男の方は”のっそり”とベッドから降り始めた。
足を下ろされた床も、ギィ……と苦しそうな音を上げている。
だがそんな事など気にせずに、明るい男の方は早速自己紹介を始めるのだった。
「俺は#長野康太__ながのこうた__#!早馬と同じ短距離!勉強は基本出来ないから、テストの時とかは指導よろしくな!あと高校で絶対彼女作るから、お前らも協力してくれると助かる!男の友情のために、ぜひ協力してくれ。以上!じゃあ次ゴーな!」
すると”ゴー”と呼ばれた大男も、少し恥ずかしそうに自己紹介を始める。
「僕は竹原豪気。ゴーって呼ばれることが多いです。砲丸とか円盤とか、どっちもやってる。えっと……よろしく」
「いや短くね!?自己紹介短くね!?ま、それもゴーらしいけどさ。早馬、こいつ人見知りな所あるけどメッチャ良い奴だからすぐ仲良くなれるぜ」
「そう……なのか?」
「おう!ちなみにゴーは体重100kgオーバーで、食べ物あげたら機嫌よくなるから。逆に食べ物奪ったら殺そうとしてくるから気を付けろよ!」
「あ、勝手に体重言わないでよ!じゃあ僕からも1つ……。長野くんは同じ1年の木本さんが気になってらしいよ」
「ちょ……!はぁ!?黙れゴー!それだけは2人の秘密だって言ったろ!!?」
康太は顔を真っ赤にしながらも、何故か嬉しそうに爆笑している。
これを見ただけでも、この2人が”良い奴”というのは痛いほどに結城に伝わっていた。
部屋に入るまで緊張していた結城も、気付けばリラックスしていたのだ。
「えっと、俺は早馬結城。短距離です。寮生活は初めてだから緊張してたんだけど、何かお前らが同部屋でよかったわ。よろしくな。あと木本って、確か全国出てた子だったっけ?」
「はぁ!?何でシッカリ覚えてんだよ!?まさかお前も木本さん狙ってんのか!?絶対渡さないからなぁ!?
ていうかさ、俺らの事も下の名前で呼べよ、なんか堅苦しいし」
「いや別に狙ってないからな!?中学の時に早かったから知ってただけだよ!まぁいいや、じゃあ康太とゴー、よろしく!!」
「「おう!」」
こうして結城の新たな寮生活がスタートしたのだった。
————————
結城が荷物をまとめ終わると、それを見計らったタイミングで康太が結城に問いかける。
「寮の説明って、もうしてもらったの?」
「あぁ、佐々木キャプテンにロビーだけ案内してもらったかな」
「そっか、じゃあ食堂は一緒に行こうぜ。歓迎会もあるし」
「あぁ、んん?歓迎会あんの?」
「聞いてなかったか?今日は先輩達が1年の歓迎会開いてくれるんだってさ!」
「へぇー、なんか楽しそうだな」
「いや、何言ってんだ結城……?言っとくけど1年男子全員1発芸らしいぞ?」
結城は絶句していた。
————————
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