妹の仇 兄の復讐

MisakiNonagase

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第四章 崩壊と静寂

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翌日から、彼のスマホを通じて、彼のパニックを目の当たりにすることになった。
朝、目覚めた彼は、友人たちからの問い合わせのLINEや電話の洪水に気づく。
『お前、昨日ライブしてた?』
『マジであれお前? やべえじゃん』
『学校中に広まってるぞ、どうするつもりだ?』

彼は最初、ジョークだと思い、ふざけた返事をしていた。しかし、問い合わせが増え、中には教師らしき人物からのメッセージも見えるようになると、彼の態度が変わった。動揺し、否定し、しかし送られてくるスクリーンショットやアーカイブサイトのリンクを前に、言葉を失っていく。

彼は必死に弁明のメッセージを友人グループに流すが、既に信用は失われていた。返ってくるのは冷たい反応か、無視ばかり。彼の「格好いい先輩」というイメージは、一夜にして粉々に崩れ去った。

学校側の動きも早かった。三日後には、彼は教師から呼び出され、事情聴取を受けたらしい。ライブ配信の記録と、アーカイブに残された彼自身のLINEの記録は、否定のしようのない証拠だった。スポーツ推薦による大学進学は、品行面が重視される。このスキャンダルは、推薦取り消しに直結する可能性が高い。

彼のスマホからは、絶望と怒りのメッセージが、親やらしい相手に送信されるのが見えた。
『誰かに仕組まれたんだ! 俺は悪くない!』
しかし、スマホを持ち込んで入浴し、自らを配信するような状況を作り出したこと、そして何より、彼自身が書き残した卑劣な会話の数々は、どんな弁明も無力にした。

一週間後、佑香が連絡してきた。
「瀬戸伸也、自主退学したみたい。大学の推薦も、もちろん白紙になったって噂よ」

僕はパソコンの前で、静かに目を閉じた。
達成感はなかった。ただ、重かった石が一つ、胸から降りたような、虚脱感に近い安堵があった。

「…茜ちゃんには、絶対にこのことは話さないでね」と佑香が言った。「彼女が、あなたの関与を疑うかもしれない。それに…彼女は、あの人のこと、もうどうでもよくなってほしいんだから」

「ああ。彼女には、僕は何も知らない。ただの兄貴だ」
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