【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう

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番外編:結婚式の夜(*大人向けです)

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 ついに幸せの瞬間が訪れようとしている。部屋は溢れるばかりの喜びと愛に包まれ、美しいバラの花束がベッドを彩っていた。

 オレンジ色のろうそくが穏やかな光を放ち、幻想的な雰囲気が広がる。

真っ白なローブに身を包んだマティアの心臓は、どくんどくんと響きわたる。感動のあまり、目から大粒の涙がこぼれ落ちた。この瞬間が本当に訪れるなんて、夢のようであった。

「マティア」

 とポールが温かな声でマティアの名前を呼ぶ。その声が、幸福であふれている。もちろん、マティアもそうだ。だけど、どうしても緊張してしまう。

(どうしたらいい?えっと…どうしたらいい?!)

 ポールがマティアの白いローブに手を掛ける。

(そうよね、だって夫婦だもの。えっと、そのええっと!!)

 マティアの頭はパニックである。


「愛してるよ、マティア。」

 ポールの手が、マティアに触れた。どこかが、うずく。それはマティアが知らない世界。

 マティアは、目を白黒させてポールを見上げる。ポールは優しく微笑みながら、マティアを抱き上げた。


「ぽ、ぽーる!そのっ、えっと!」

 だめだ。もっと勉強してくるべきだったのだろうか。こういうときどうしたらいいか、マティアにはまるで分らない。ポールのことが大好きなはずなのに、怖くて仕方ない。いや、大好きだからこそ怖いのだろうか。


「だいじょうぶだから。」

 そう言って、ポールはマティアの頬を撫でる。

「全部、僕のもの。」
 
 ポールの瞳に目を奪われて、動けなくなる。まるで金縛りみたいだ。

「大好きだよ。マティア。一生、君を離さないから。」
 
 重なった唇。今までとは違う口づけ。

 長い夜が更けていく。


*あとがき*

 ここまで作品を読んでくださった皆様。本当にありがとうございます。

 誤字脱字・ぶっとび展開だらけのこの作品を最後まで読んでくださった貴方は本当にすごいです。本当に心の底から作品を読んでくださる方がいることが嬉しいです。

 今年の夏はとっても暑かったですが、少しずつ秋が近づいてきましたね。夏は暑くて大変だけれど、私は晴れの日が好きなので、日が短くなるのを少し寂しく感じる今日この頃です。
 
 いろいろ自分に自信を失ったり、不安になったりすることもあるのですが、小説を書いている時はそんなことをすっかり忘れます。夢中になって小説を書いて、主人公たちを幸せに向かう方法を見つけたときにとても大きな幸せを感じます。

 それもこれも、作品を読んでくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。
 

 次の作品は『王子は聖女の出産後すぐ離縁するつもりです~貴方が欲しいのは私の魔力を受け継ぐ世継ぎだけですよね?~』という作品で9月20日に公開予定です。もしよろしければそちらものぞいてみてくださいね。

 皆様に心からの感謝を込めてあとがきを終えたいと思います。皆さまの時間が少しでも楽しいものにできていれば幸いです。




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