4 / 9
手紙
しおりを挟む「アイナ様に言われて、
レン様のお仕事の
お手伝いに参りました!」
ナミは
レンの仕事部屋に入ってくると
そう言ってにっこりと笑った。
俺、レンは必死で作り笑いをした。
アイナのやつ、
ふざけやがって!
「アイナが、
なんて言ったって?」
「レン様のお仕事が
大変なようだから、
手伝って上げてほしいと。」
「それだけ?」
なんとか平静を保て。
ナミの前なんだから。
「お手伝いを頼まれたのに、
承諾できなくて申し訳ないと、
言われていました。」
ナミは寂しそうに
俺を見た。
「アイナ様に、
お手伝いを頼まれたのですか?」
あの女!!
拳を握りしめて、
必死で怒りを逃がす。
「いや、
あいつが嘘ついてるだけだ。」
くそっ。
年末、
いつも以上に、
仕事が残っていた。
これまでなら、
忙しくなると
アイナが手伝ってくれていたが、
そのフォローがなくなったからだ。
それでも、
なんとか必死で
仕事を片付けていた。
だが、
どうしても、
これまで
アイナに任せきりだった仕事が、
うまくできなかった。
「やっぱりそうですよね!」
ナミがうんうんとうなずく。
「でもでも、
お手伝いは
頑張ります!」
「いや、
ナミちゃんは
側にいてくれるだけで
良いんだよ。」
「いいえ!
昔、
アイナ様は
お手伝いしていたんですよね?
それなら、
私もやります!」
数時間後。
アイナによって、
めちゃくちゃになった書類が
あちこちに広がっていた。
仕事は減るばかりか、
倍に増えていた。
「今日は、
ここまでにしよっか、
ナミちゃん。」
「はいっ!」
俺は頭を抱えた。
これでは、
年末の仕事が終わらない。
433
あなたにおすすめの小説
勘違いも凄いと思ってしまったが、王女の婚約を破棄させておいて、やり直せると暗躍するのにも驚かされてしまいました
珠宮さくら
恋愛
プルメリアは、何かと張り合おうとして来る令嬢に謝罪されたのだが、謝られる理由がプルメリアには思い当たらなかったのだが、一緒にいた王女には心当たりがあったようで……。
※全3話。
姉の歪んだ愛情に縛らていた妹は生傷絶えない日々を送っていましたが、それを断ち切ってくれる人に巡り会えて見える景色が様変わりしました
珠宮さくら
恋愛
シータ・ヴァルマは、ドジな令嬢として有名だった。そして、そんな妹を心配しているかのようにずっと傍らに寄り添う姉がいた。
でも、それが見た目通りではないことを知っているのといないとでは、見方がだいぶ変わってしまう光景だったことを知る者が、あまりにも少なかった。
あなたに愛されたいと願う私は愚か者だそうです、婚約者には既に心に決めた人が居ました。
coco
恋愛
「俺に愛されたい?お前は愚かな女だな。」
私の愛の言葉は、そう一蹴された。
何故なら、彼には既に心に決めた人が居たのだから─。
とある令嬢の勘違いに巻き込まれて、想いを寄せていた子息と婚約を解消することになったのですが、そこにも勘違いが潜んでいたようです
珠宮さくら
恋愛
ジュリア・レオミュールは、想いを寄せている子息と婚約したことを両親に聞いたはずが、その子息と婚約したと触れ回っている令嬢がいて混乱することになった。
令嬢の勘違いだと誰もが思っていたが、その勘違いの始まりが最近ではなかったことに気づいたのは、ジュリアだけだった。
可愛い妹を母は溺愛して、私のことを嫌っていたはずなのに王太子と婚約が決まった途端、その溺愛が私に向くとは思いませんでした
珠宮さくら
恋愛
ステファニア・サンマルティーニは、伯爵家に生まれたが、実母が妹の方だけをひたすら可愛いと溺愛していた。
それが当たり前となった伯爵家で、ステファニアは必死になって妹と遊ぼうとしたが、母はそのたび、おかしなことを言うばかりだった。
そんなことがいつまで続くのかと思っていたのだが、王太子と婚約した途端、一変するとは思いもしなかった。
義妹のせいで、婚約した相手に会う前にすっかり嫌われて婚約が白紙になったのになぜか私のことを探し回っていたようです
珠宮さくら
恋愛
サヴァスティンカ・メテリアは、ルーニア国の伯爵家に生まれた。母を亡くし、父は何を思ったのか再婚した。その再婚相手の連れ子は、義母と一緒で酷かった。いや、義母よりうんと酷かったかも知れない。
そんな義母と義妹によって、せっかく伯爵家に婿入りしてくれることになった子息に会う前にサヴァスティンカは嫌われることになり、婚約も白紙になってしまうのだが、義妹はその子息の兄と婚約することになったようで、義母と一緒になって大喜びしていた
。
私から婚約者を奪うことに成功した姉が、婚約を解消されたと思っていたことに驚かされましたが、厄介なのは姉だけではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
ジャクリーン・オールストンは、婚約していた子息がジャクリーンの姉に一目惚れしたからという理由で婚約を解消することになったのだが、そうなった原因の贈られて来たドレスを姉が欲しかったからだと思っていたが、勘違いと誤解とすれ違いがあったからのようです。
でも、それを全く認めない姉の口癖にもうんざりしていたが、それ以上にうんざりしている人がジャクリーンにはいた。
婚約者の私には何も買ってはくれないのに妹に好きな物を買い与えるのは酷すぎます。婚約破棄になって清々しているので付き纏わないで
珠宮さくら
恋愛
ゼフィリーヌは、婚約者とその妹に辟易していた。どこに出掛けるにも妹が着いて来ては兄に物を強請るのだ。なのにわがままを言って、婚約者に好きな物を買わせていると思われてしまっていて……。
※全5話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる