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30 結婚してください
しおりを挟む3日後のミラント城医療室。
気を失ったココだったが、体に異常はなく、少し休んですっかり元気になっていた。
「ココ。」
優しい笑顔を浮かべてステフが病室に入ってくる。
”最愛の人”
ステフの言葉が、いまだに頭から離れない。
―――好きだって伝えなきゃ
ココはまっすぐに、ステフを見つめる。ルカに殺されかけたときに、ココはひどく後悔したのだ。なぜ、ステフに素直な気持ちを伝えておかなかったのか、と。
だがいざ告白するとなると、言葉がでなくて…あれから三日が経っていた。
「痛みはないか?」
ステフがココの顔を覗き込む。その横顔に心臓がどくんとはねた。
「ええ。大丈夫。」
「よかった…。本当に怖かったんだ…。君が…僕の本当の気持ちを伝える前にいなくなってしまうんじゃないかってて。」
ステフから、目が離せない。頭が、回らない。
「本当の…気持ち?」
ステフはゆっくりと右手を上げ、ココの頬にふれた。その手は小刻みに震えている。
ステフは大きく息を吸って、まっすぐにココに伝えた。
「ココ…僕はずっと‥‥君のことだけを愛していたよ。」
ステフの言葉に、ココの目から涙が零れ落ちる。
ーーー待って‥‥いたわ。
「ステフ‥‥。」
「10年前、あんな約束をしてしまったせいで…君をしばりつけているんじゃないか…そう思うと、怖くてずっと君に伝えられなかった。」
「‥‥‥。」
「ココを自由にしてあげたくて、”別に好きな人ができた”だなんてくだらない嘘をついた。でも…ココを失ってしまう‥‥そう思ったら、伝えないなんてできない。」
ステフは胸元から、小さな箱を取り出してゆっくりと開けた。
「僕はずっと、君が好きだ。これから先もココと生きていきたい。」
キラキラと光るダイアモンド。
―――これは夢かしら?
信じられなくて、ココはステフの手に触れた。
―――あったかいわ。夢じゃない。
ココは満面の笑みを浮かべる。
「私も…ずっとステフが大好きだったわ。貴方とずっと一緒にいたいの。」
窓から太陽の光が差し込む。ステフの目元が日光に照らされて、きらりと光った。
―――ねえ、こんな幸せな事ってあるのかしら。
「僕と結婚してくれませんか?」
「はい。」
10年間、ココはこの時を待っていた。
銀色の指輪がココの薬指にはめられる。
「大好きだよ。ココ。」
「大好き。」
二人の唇が、ゆっくりと重なった。
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