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第一章
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しおりを挟む勇者様がハーレムメンバーをわざわざ探しに旅するのは時間の無駄じゃないかと気付いた誰かが、過去から統計を取り、『きっと合うだろう』と思われる人間を勇者様が召喚された直後に召集できるようシステムを作ったのだ。
勇者様からしてもアリガタ迷惑なんじゃないかと思うんだけど、僕にとっても迷惑極まりないこと甚だしいシステムだ。
そのシステムに則って、国民たちの能力値は国に保管され、その情報の中から勇者様の魔力の質に合った者が選ばれる。
皆、それはそれは優秀で、最近は魔王が生まれてから討伐されるまで一年もかからないくらいに短期化されているのは、このシステムをつくった人たちの努力の賜物なのである。
魔王が若干不憫に感じてしまうけれど、これって反逆罪になるのだろうか…。
そんな優秀な人たちが選ばれるはずだったハーレムの中に、僕が入ってしまった。
僕は十人いるなら十二人が「落ちこぼれ」だとハッキリ宣言するのが目に見えるくらい、能力値が低いのである。勇者様が自力でハーレムを作ろうとすれば、世界人口の∞乗%の確率でスルーされる存在だ。
それなのに選ばれてしまった僕は招待された勇者様披露会で、自分の場違いさに心の中で号泣した。
自分はちっぽけな存在で、他の人と比較しちゃダメだからと自分に言い聞かせていたのに、ショックは思った以上に大きかった。
帝国の第一王女、エルフの国の女騎士、獣人の国の猫耳娘、魔術の国の聖女。
神官が持っているメモを覗き見ると彼女らの属性を歴代勇者様語録から引用してきたと思われる言葉で表していた。
そして、最後にたった一人男の僕。召喚した国から選ばれたのが僕って、あまりにも酷い。とんでもなく空気読めない奴みたいだよ。
属性は…怖いから見ないでおこう…。
勇者様の世界は同性愛の概念があったり、異性愛しか受け付けないとか言う人もいるけれど、この世界にはそういった垣根はない。
だから男の僕がハーレムにいるんだけど、この顔ぶれを見ると異性愛者なんじゃないかな…勇者様。
一列に部屋に入って行く。勇者様はソファーに深く座って、足を組んでいた。僕たちが入ると勇者様は横に立つ神官様に促されて立ち上がった。
一言で言って、勇者様はカッコよかった。
この世界にはない顔立ちで、さらっとした黒髪と切れ長の目から覗く黒い瞳は精悍さを感じさせる。もとの世界でも鍛えていたのか、程よく筋肉が付き引き締まった長身が…何とも羨ましい。
異世界人は比較的軟な人が多いと聞いて、もしかしたら、僕より貧相かもって期待してたけれど、全然だった。勇者史どうなってるんだよ、全く。
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