好きなだけじゃどうにもならないこともある。(譲れないのだからどうにかする)

かんだ

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10.復習

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 魔石に式を組み込めば魔力を持たない人でも魔法を行使出来る上、他国では採掘されないためこの国にとっては魔石採掘は何よりも重要な案件になる。故に、魔石採掘に当たる人材は、その身元や思考、宗教、家族構成など多岐に渡り調べ上げ、最終的に国が直接採用しているくらいだった。
「魔石採掘に当たる人材は国が直接採用していることもあって、周りからは一目置かれるんだって。でも、同じ鉱夫でも宝石やその他の採掘は下に見られる。所有者が安い賃金で使役していることが多いし。もちろん国有山の鉱夫は適正賃金を払っているけどね」
「そうなんだ」
「だからなんだって話だけどね。ミラには関係ないし。とりあえず様子見て来てよ」
 何か含まれているような気がするが、今教えてくれないならきっと頼んでも教えてくれないだろう。ミラヴェルは言葉の裏側や策を講じることは苦手だ。裏側があると分かっても、それを詮索したり思考を巡らせたりは出来ない。自分は自分でしかないためどんなに考えて探っても正解に辿り着くことは難しい。だから、何事も額面通りに受け取って、壁に直面した時に考えようと決めている。その方が精神的にも楽だから。正直メリルが素直に働くことを許した時点で確実に裏があると察したが、自他共に認める『稀代の天才』であるメリルの思考に追い付くことは出来ない。
 なので、ミラヴェルは今回も「分かった」と答えるだけだった。
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