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第1章 沢田くんと恋の予感
沢田くんと黒王子2
しおりを挟む「でも、景子ちゃんは黒王子派なんでしょ?」
「へっ⁉︎」
私は口に入れたサラダ豆を鼻から出しそうになった。
景子ちゃんって誰⁉︎
あ、私か。
名前が普通すぎて自分でも忘れてたよ。
「二時間目の後、沢田くんから何かもらってたよね? めっちゃ喜んでたの、後ろから見てたよ~?」
麻由香ちゃんがいやらしい目で私を見る。
「何もらったの? 黒王子とどうやって仲良くなったの? 【モブなのに】」
「あれは、ただ……消しゴムを貸したら返されただけだよ」
もらったの、デュー◯東郷だし。
「なーんだ。【そんなことだろうと思ったけど】」
みんなは一斉に納得する。何だかめっちゃ悔しいな。
「何の話?」
突然割り込んできた男の子の声に、私はドキッとしてサラダ豆を箸から落とした。
【俺の話かな?】
この自信満々な感じはあの人だろうと思って顔を見れば、案の定、森島くんだった。キャア、と麻由香ちゃんが急に女子になる。
「どうしたの? 森島くん【カッコイイ♡】」
「俺、今日弁当忘れちゃってさー。みんなからおかずを一つずつもらって回ってんだよね【っていう口実で女子と自然に会話しちゃう俺、天才】」
「えー可哀想。私ので良かったら好きなの食べて!【手抜きでごめんっ】」
「ありがとう、助かるよ【さーてどの弁当が一番うまそうかチェックx2♫】」
照れた笑顔を浮かべる森島くんだけど、心の中は真っ黒だ。
【麻由香の弁当、手抜き。冷凍食品ばっか。杏里ちゃん……購買のパンか。残念。安藤さんは、肉多すぎ。バランス悪。栗田さんは……まあ、この中ではマシか】
うーん、やっぱりこの人好きになれない。
【佐藤さんは】
私は森島くんの視線が届く前にお弁当に蓋をした。
「あれ? どうしたの、景子ちゃん」
「えっと、そういえば私、先生に呼ばれてたんだった。行かなくちゃ」
慌てて立ち上がり、お弁当箱を胸に抱えて退散した。そんな私の背後から、森島くんの声が飛んでくる。
【なんか変なもん入ってたのかな?(笑)】
失礼な。絶対この人の方が黒王子だよ!!
プンスカ怒りながら、私は教室を出た。
そういえば……沢田くんはどこに行ったんだろう。教室にはいなかったみたいだけど。
きっとどこかで一人寂しく食べてるんだろうなあ……。
気になる。ちょっと、探してみようか……。
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