沢田くんはおしゃべり

ゆづ

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第1章 沢田くんと恋の予感

沢田くんとファミレス

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 何だか、信じられない状況だ。
 沢田くんとファミレスに来てしまった。カツ丼を食べたがっていた彼の心を読んでしまった私も悪いけど、誘ったらホイホイやってきた沢田くんも悪いと思う。

 ダメだよ、沢田くん、チョロすぎ!
 これってデート! 分かってる⁉︎
 沢田くんは真面目な顔でメニューを眺めて、こんなことを考えている。

【母ちゃんが怖いからサイズはミニにしておこう……!】

 やっぱカツ丼のことかーー!! そんなに好きか!!
 私ももうあんまり意識しないようにしようかな。肩肘張るの、疲れるし。

「沢田くん、何頼むか決めた?」
 気を取り直して私が声をかけると、沢田くんはめっちゃキラキラした目でうなずいた。
 ああ、学校ではあんまり見たことがないくらいいい顔だな!

 私はといえば、いちごフェアをやっているスイーツのページでパフェにしようかパンケーキにしようか悩んでいた。
 本当はパンケーキが食べたいけど、3段重ねはちょっと重たいかなあ。でも、パフェはパンケーキよりちょっとお高い。やっぱりとちおとめっていうブランドいちごを使っているからかなあ。

 沢田くんに聞いてみようかな。
 沢田くんが甘いもの好きなのかどうか、気になるし。
 私はチラッと沢田くんの顔を見る。

「ねえ、沢田くん。どっちのデザートがいいと思う? ちょっと分けてあげるから一緒に考えて」

 メニューを見せると、沢田くんはびっくりしたようにそれを覗き込んだ。

「えっ……【パンケーキとパフェかあ……。佐藤さん、可愛いもの食べるんだな。お腹すいたって言ってたから、俺はてっきりビーフ100%ハンバーグと大海老フライのミックスグリルでも頼むのかと思ってたよ】」
 
 そんなもん、ガチでお腹すいた時でも頼んだことないわ。

【わーパンケーキ、美味しそう。キャラメルかかっててバニラアイスもついてるー! あ、でもパフェにもいちごアイスがふたっつも乗ってる~~! どうしよ、どっちも美味しそうなんだけど! っていうか俺が食べたいよ! どうしよ、どうしよ! 俺も頼もうかな⁉︎ あ、でもさすがにこんなに食べたら母ちゃんに怒られる……!】

 どうでもいいけど、沢田くんよっぽどお母さんが怖いんだな。

【うーん、悩みどころだけどここはパフェで! やっぱり期間限定の文字には弱い! スマホゲームでも時間がない時にうっかり無限アイテム発動させちゃったら今だけだしな~とか思いつつ1時間以上やっちゃうもんな? そんで結局母ちゃんに怒られて、スマホ取り上げられてもうかれこれ一週間……あれ? 返してもらってないよね俺。母ちゃんも返すの忘れてるよね。でも母ちゃんにゲームやりたいからスマホ返してなんて言ったら殺される……! どうしたらいいの、俺⁉︎】


 どうやら沢田くんの悩みの方向性が変わってしまったようです。 




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