沢田くんはおしゃべり

ゆづ

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第4章 沢田くんと夢の遊園地

沢田くんと最強の敵

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 その後もゾンビが次々現れては私たちに襲いかかってきたけど、中の人の心の声が聞こえてしまう私と、ゾンビより手つなぎ、手汗に集中していた沢田くんの前では障壁にもならない存在だった。

 気がついたら、私たちは手をつないだまま、あっという間に天国から追放されていた。


【ええっ、もう終わり?(・Д・) 佐藤さんとの手つなぎタイム終了早すぎ。゚(゚´ω`゚)゚。】

 出口に差し込んだ明るい陽の光がこんなに悲しいなんて。
 名残惜しんでいると、後ろから来たカップルが半泣きで飛び出してきた。

「何このお化け屋敷、めっちゃ怖!」
「ゾンビが本気で追いかけてきたんだけど! なんか俺たちに恨みでもあんのか?」
 
 ごめんなさい、ゾンビさんたちが苛立っていたのは、多分あんまり驚かなかった私たちのせい。鬱憤うっぷん溜まっちゃったんだろうな。


「ああ楽しかったー」
 残念な気持ちを隠して笑みを浮かべると、沢田くんが不思議そうに私の顔を見た。
【そういえば佐藤さん、怖くなかったのかな?】
「あっ、ええと、沢田くんが手をつないでくれていたおかげで、全然怖くなかったよ! ありがとう!」
「あ……うん。【あ、うんじゃないよバカ! お礼を言え! 俺の方こそ佐藤さんと手をつながせていただいて感謝感激です!!。゚(゚´ω`゚)゚。だろーーーっ!!】俺も……ありがとう【よし、グッジョブ俺!(๑• ̀д•́ )✧】」

 照れてうつむく沢田くん。
 まだ指がくっついたままだ。


 どうしよう、離れたくないなあ……と思ったその時。
【離れたくない】


 私の気持ちと被るように、沢田くんがつぶやいた。


【このままずっとこうしていたい】



 きゃ……。
 ぎゃああああああ~~!!! キュン爆、きたああああ!!!
 体温が一気に上昇し、手汗が滝のように溢れてくる。

 
「ご、ごめんね沢田くんっ! 手をつないでもらったままだったね! 忘れてた! も、もう怖くないから大丈夫!」

 私はあわてて沢田くんから強引に手を放してしまった。
 すると沢田くんは。


【あああああああ~~。゚(゚´Д`゚)゚。オワタ……! ヤダヤダー(੭ु ›ω‹ )੭ु⁾⁾もう少しだけ延長お願いできませんか佐藤さんっ! ワンモアプリーズ佐藤さんっ! でもそんなこと絶対に言えないしなあ! 佐藤さんには嫌われたくない。゚(゚´ω`゚)゚。】

 と、心の中で号泣。

 本当にごめんね、沢田くん。
 勇気のない私を許して。
 しっとりと汗の浮き出た手のひらを、気づかれないようにこっそりと拭く。

 やっぱ一番恐ろしい敵は手汗だな! ゾンビの比じゃない。
 沢田くんが正しかったわ。


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