8 / 19
召喚
僕の奥さんはふしぎちゃん(アルト視点)
しおりを挟む
僕は平民として辺境にある小さな獣人の村に生まれた。
ここアルカナ王国では色んな種族が住んでいるが、特に人間がでかい顔をしている。
昔々、白猫族の聖女様を巡って戦争が起こって、それを嘆いた聖女様は突如消えてしまったらしい。
また、それに怒った神様が女の子を生まれにくくした。20:1、それらの出来事は僕達の生き方を大きく変えたのだ。
まず、女の子はとっても、宝物のように、大切にすること。
女の子の言うことは絶対だし、逆らってはいけない。そうして快適に過ごしてもらうことで国に残って欲しいという思いだった。
ふたつめは一妻多夫制になったこと。
みっつめは種族で女の子を独り占めしないことだ。
こんなかんじで、女の子を大事にしていったことで、神様は僕らに50年おきに30人の聖女様を異世界から召喚できる権利をくれた。
それでもやっぱり生涯女の人と結婚できない人の方が多い。
それに、これらが決められたのは100年前の話。この生活が当たり前になった僕達はどんどん自信をなくしていくし、甘やかされて育った女の子達はそれはそれは……うん。
だから僕は結婚に憧れなんてなかったし、女の人もどうでも良かった。だから一生無縁の生活だと思っていたんだ。
僕は獣人の村で父と祖父と暮らしていた。
母は狼族の王族らしいけど会ったことないからわからない。
僕を産んで父とはすぐに離婚したらしい。
祖父は50年前の聖女召喚で夫になったけど、順位が低くてあまり関わらせてもらえなかったんだって、
そんなだけど、僕はとても幸せだった。
だけどそんな日々は長くは続かなかった。
「魔物がでたぞー逃げろ!」
村の人達の悲鳴がそこら中で聞こえた。
僕が5歳の頃、村はある日突然スタンピードに襲われた。僕は怖くてただ家のクローゼットに隠れていた。
獣人の村だったから戦える人はいた。
それでも厳しい状況だった。
そんな時、ある変わった冒険者が空から1人で魔物を倒していった。
これを讃えて冒険者は昇級したらしい。
それからと言うもの、僕はその時何もできなかった自分が悔しくて仕方がなかった。
もしあの時、冒険者が来てくれなかったら…村の人達は…そう思ったら怖くてたまらなかった。
「父さん、僕に剣を教えてください。大切な人を守る為に。もう絶対後悔しない為に。」
「うん、いいよ。アルトは偉いね」
父は優しいが、訓練はとても厳しかった。
5歳…だったのに。うん、今でも思い出したくないです。
僕は剣の練習に励みなんとなく、誰かを、父や祖父を守りたくて騎士になった。
入団から3年で、僕はとうとう騎士団で優秀な者が集められる、王宮の騎士団に配属された。背は他より低くて童顔なため初見だと舐められるのだが、その体格差を利用して素早く攻撃できることを評価された。
獣人だし、平民だから馬鹿にされることもあったけど、あまり気にせずなんとなく騎士を続けた。
夏の終わりに近い頃。50年に1度の異世界から30人の聖女様が召喚されたらしい。
僕は騎士団なのでほぼ強制的にアピール会に参加させられた…
聖女様達はみんな見た目は良いが本質はこの国の女の子達とあまり変わらなかった。
セバスチャン様の説明を受け、ほとんどの聖女様が目の色を変え僕らを値踏みしはじめた。
僕は自分で言うのもなんだが、可愛らしい容姿をしていると思う。
だからそれなりに女性は寄ってきた。
だけど僕はあまり好きになれなかった。
反応の悪い僕に飽きたのか聖女様達がいなくなったところで会場を観察した。
ふと、地べたに座り込んで悲しそうな、でも好奇心旺盛な顔をしている聖女様を見つける。
僕はその容姿に思わず息を呑んだ。
歴代の聖女様の姿絵はこの国の男は絶対に見る。
今僕が見ている聖女様はきっと、歴代の聖女様の中で1番美しくて、可愛いんじゃないだろうか。
庇護欲をそそり、大切にしたいのに、ちょっと虐めたくもなる。
僕の胸が高鳴った。期待してもきずつくだけだと言い聞かせても、止められない。
それが空への第一印象だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
後編へ続きます。
ちょっと寝ぼけてるので誤字とかあるかもです。
ここアルカナ王国では色んな種族が住んでいるが、特に人間がでかい顔をしている。
昔々、白猫族の聖女様を巡って戦争が起こって、それを嘆いた聖女様は突如消えてしまったらしい。
また、それに怒った神様が女の子を生まれにくくした。20:1、それらの出来事は僕達の生き方を大きく変えたのだ。
まず、女の子はとっても、宝物のように、大切にすること。
女の子の言うことは絶対だし、逆らってはいけない。そうして快適に過ごしてもらうことで国に残って欲しいという思いだった。
ふたつめは一妻多夫制になったこと。
みっつめは種族で女の子を独り占めしないことだ。
こんなかんじで、女の子を大事にしていったことで、神様は僕らに50年おきに30人の聖女様を異世界から召喚できる権利をくれた。
それでもやっぱり生涯女の人と結婚できない人の方が多い。
それに、これらが決められたのは100年前の話。この生活が当たり前になった僕達はどんどん自信をなくしていくし、甘やかされて育った女の子達はそれはそれは……うん。
だから僕は結婚に憧れなんてなかったし、女の人もどうでも良かった。だから一生無縁の生活だと思っていたんだ。
僕は獣人の村で父と祖父と暮らしていた。
母は狼族の王族らしいけど会ったことないからわからない。
僕を産んで父とはすぐに離婚したらしい。
祖父は50年前の聖女召喚で夫になったけど、順位が低くてあまり関わらせてもらえなかったんだって、
そんなだけど、僕はとても幸せだった。
だけどそんな日々は長くは続かなかった。
「魔物がでたぞー逃げろ!」
村の人達の悲鳴がそこら中で聞こえた。
僕が5歳の頃、村はある日突然スタンピードに襲われた。僕は怖くてただ家のクローゼットに隠れていた。
獣人の村だったから戦える人はいた。
それでも厳しい状況だった。
そんな時、ある変わった冒険者が空から1人で魔物を倒していった。
これを讃えて冒険者は昇級したらしい。
それからと言うもの、僕はその時何もできなかった自分が悔しくて仕方がなかった。
もしあの時、冒険者が来てくれなかったら…村の人達は…そう思ったら怖くてたまらなかった。
「父さん、僕に剣を教えてください。大切な人を守る為に。もう絶対後悔しない為に。」
「うん、いいよ。アルトは偉いね」
父は優しいが、訓練はとても厳しかった。
5歳…だったのに。うん、今でも思い出したくないです。
僕は剣の練習に励みなんとなく、誰かを、父や祖父を守りたくて騎士になった。
入団から3年で、僕はとうとう騎士団で優秀な者が集められる、王宮の騎士団に配属された。背は他より低くて童顔なため初見だと舐められるのだが、その体格差を利用して素早く攻撃できることを評価された。
獣人だし、平民だから馬鹿にされることもあったけど、あまり気にせずなんとなく騎士を続けた。
夏の終わりに近い頃。50年に1度の異世界から30人の聖女様が召喚されたらしい。
僕は騎士団なのでほぼ強制的にアピール会に参加させられた…
聖女様達はみんな見た目は良いが本質はこの国の女の子達とあまり変わらなかった。
セバスチャン様の説明を受け、ほとんどの聖女様が目の色を変え僕らを値踏みしはじめた。
僕は自分で言うのもなんだが、可愛らしい容姿をしていると思う。
だからそれなりに女性は寄ってきた。
だけど僕はあまり好きになれなかった。
反応の悪い僕に飽きたのか聖女様達がいなくなったところで会場を観察した。
ふと、地べたに座り込んで悲しそうな、でも好奇心旺盛な顔をしている聖女様を見つける。
僕はその容姿に思わず息を呑んだ。
歴代の聖女様の姿絵はこの国の男は絶対に見る。
今僕が見ている聖女様はきっと、歴代の聖女様の中で1番美しくて、可愛いんじゃないだろうか。
庇護欲をそそり、大切にしたいのに、ちょっと虐めたくもなる。
僕の胸が高鳴った。期待してもきずつくだけだと言い聞かせても、止められない。
それが空への第一印象だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
後編へ続きます。
ちょっと寝ぼけてるので誤字とかあるかもです。
34
あなたにおすすめの小説
甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜
具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」
居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。
幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。
そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。
しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。
そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。
盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。
※表紙はAIです
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
能天気な私は今日も愛される
具なっしー
恋愛
日本でJKライフを謳歌していた凪紗は遅刻しそうになって全力疾走してたらトラックとバコーン衝突して死んじゃったー。そんで、神様とお話しして、目が覚めたら男女比50:1の世界に転生してたー!この世界では女性は宝物のように扱われ猿のようにやりたい放題の女性ばっかり!?そんな中、凪紗ことポピーは日本の常識があるから、天使だ!天使だ!と溺愛されている。この世界と日本のギャップに苦しみながらも、楽観的で能天気な性格で周りに心配される女の子のおはなし。
はじめて小説を書くので誤字とか色々拙いところが多いと思いますが優しく見てくれたら嬉しいです。自分で読みたいのをかいてみます。残酷な描写とかシリアスが苦手なのでかかないです。定番な展開が続きます。飽き性なので褒めてくれたら続くと思いますよろしくお願いします。
※表紙はAI画像です
転生先は男女比50:1の世界!?
4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。
「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」
デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・
どうなる!?学園生活!!
なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた
いに。
恋愛
"佐久良 麗"
これが私の名前。
名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。
両親は他界
好きなものも特にない
将来の夢なんてない
好きな人なんてもっといない
本当になにも持っていない。
0(れい)な人間。
これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。
そんな人生だったはずだ。
「ここ、、どこ?」
瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。
_______________....
「レイ、何をしている早くいくぞ」
「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」
「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」
「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」
えっと……?
なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう?
※ただ主人公が愛でられる物語です
※シリアスたまにあり
※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です
※ど素人作品です、温かい目で見てください
どうぞよろしくお願いします。
異世界に転生したら溺愛されてるけど、私が私を好きでいるために努力はやめません!
具なっしー
恋愛
異世界に転生したら、まさかの超貴重種レッサーパンダ獣人の女の子「リア」になっていた元日本の女子高生・星野陽菜(ほしの ひな)。
女性の数が男性の1/50という極端な男女比のため、この世界では女性は「わがままで横暴、太っている」のが当然とされ、一妻多夫制が敷かれています。しかし、日本の常識を持つリアは「このままじゃダメになる!」と危機感を抱き、溺愛されても流されず、努力することを誓います。
容姿端麗なリアは、転生前の知識を活かし、持ち前の努力家精神でマナー、美術、音楽、座学、裁縫といったあらゆるスキルを磨き上げます。唯一どうにもならないのは、運動神経!!
家族にも、そしてイケメン夫候補たちにも、そのひたむきな努力家な面に心惹かれ、超絶溺愛されるリア。
しかし、彼女の夢は、この魔法と様々な種族が存在する世界で冒険すること!
溺愛と束縛から逃れ、自分の力で夢を叶えたいリアと、彼女を溺愛し、どこまでも守ろうとする最強のイケメン夫候補たちとの、甘くも波乱に満ちた異世界溺愛ファンタジー、開幕!
※画像はAIです
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
花嫁召喚 〜異世界で始まる一妻多夫の婚活記〜
文月・F・アキオ
恋愛
婚活に行き詰まっていた桜井美琴(23)は、ある日突然異世界へ召喚される。そこは女性が複数の夫を迎える“一妻多夫制”の国。
花嫁として召喚された美琴は、生きるために結婚しなければならなかった。
堅実な兵士、まとめ上手な書記官、温和な医師、おしゃべりな商人、寡黙な狩人、心優しい吟遊詩人、几帳面な官僚――多彩な男性たちとの出会いが、美琴の未来を大きく動かしていく。
帰れない現実と新たな絆の狭間で、彼女が選ぶ道とは?
異世界婚活ファンタジー、開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる