能天気な私は今日も愛される

具なっしー

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2章ポピーはじめました。

僕の妹(ラミュエル視点)

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「父様、あいつはどう処理するんですか?」

「悔しいが、この国の法律的に女性に罰を与えられないんだ。しかも今回は身内だ、誘拐だって証明できない可能性がある。証拠もあのてらてら陰険ジジイが隠蔽してやがる。」

「そうですか…」

「だが、個人的には罰を与えるつもりだ。しばらくは動けないだろう」

「どんな?」

「ずっと前から証拠は掴んでいたんだ。アイツが商会の金を横領していることを発表する。」

「おお!さすがセラ父様!」

「しかし、メアリーはなぁ、あの子には何もできないな。」

「ど、どうしてですか?父様!!」

「あの子はね、可哀想な子なんだ。小さい頃はね、大人しくて繊細な雰囲気の子だったんだ。でも、学園に入ってからかな、何があったのかはわからないけど、だんだんあのてらてら陰険ジジイに洗脳されていったんだ。その時の僕達は、小さくてね、何もできなかったんだ。僕らは小さい頃からメアリーと婚約していたからね、他にいい女性もいなかったから、そのまま結婚したんだよ。」


「そうだったんですね…母様にそんなことが…」

「だからね、あのてらてらが何を企んでいるのかは知らないけど、絶対にポピーを守らなくてはいけないんだ」

「はい。そうですね。僕の命に変えてでも絶対に守り抜きます。」

「うんうん。偉いね。でもね、ラミュ、君が死んだりしたらポピーは悲しむよ。影の報告ではポピーは誘拐されてからみいにって呼んでたんだって、ポピーにとって君はもう大切な存在なんだよ。それにまだ6歳なんだから周りに甘えてもいいんだよ。」

「そう…ですね、僕はポピーと一緒に幸せになります!ポピーを守りたいから勉強頑張ります!」

「うんうん!その心意気だよ!」

「じゃあ僕、ポピーに会いにいってきますね!」

「いってらっしゃい…あの子も大人になったなぁ。はぁ…仕事するか。」



僕が3歳だった頃かな
「かあたま、これ僕が作ったブローチです!おたんじょうびおめでとおござーます!」
僕は絵本で見た、家族の姿に憧れて、その時どうしてもお母様にかまって欲しくて仲良くなりたくて、お庭でお花を摘んでブローチを作ったんだ。

「こんなごみ、いらないわよ!じゃま!それより!カイリス!今年はブラックダイヤモンドのぉ、ネックレスが欲しいって言ったわよね、どこ!はやくちょうだい!」

「………」

「もぉっ!カイリスったら相変わらず無口なんだから!!ラミナード!!はやく持ってきて!私それ貰ったら帰るから!お父様が待ってるの」

「はいはいメアリー、お誕生日おめでとう」

「まぁ!素敵だわぁ、ラミナード!あなたのことなら私の誕生日会に招待してあげてもよくってよ」

「ははは、ありがたいね、でも遠慮させてもらうよ。僕は可愛い息子と遊ぶのに忙しいからね」

「んまぁ!私よりそんな奴の方が大事だって言うの!?ふんっ!帰る!あんた達なんてお父様の足元にも及ばないんだからぁ!」

「メアリー!家まで送るよ」

そうしてセラ父様が母の機嫌を収めたんだ。その時はまだポピーが生まれていなかったからね、セラ父様は母様を媚を売るしかなかったみたい。
猫撫で声と、ヒステリックの母様を見たその日から僕の気持ちはなんだか真っ黒になったんだ。何をするにもやる気が持てなくて、ただただ、目の前の勉強をこなしていた。勉強ばっかりしていたので、5歳になる頃には高等部の勉強まで終えてしまっていた。

ポピーが生まれるって聞いた時も、アイツの子供か、ってそんなに期待してなかったんだ。でもセラ父様があまりにも天使だ!聖書に追加しようとか騒いでいるから、興味が湧いて、内心馬鹿にする気持ちでポピーを見に行ったんだ。

そう、その日から僕の人生は変わったんだ。ポピーを一目見た瞬間、あぁ、天使は存在したんだって思った。あんな奴にはちっとも似ていなくて、穢れを知らないなんて尊い子なんだろう、僕が一生守るんだって誓ったんだ。
それから毎日5回くらいはポピーに会いにいった。僕の表情が明るくなっていくのが父様も兄様も嬉しいらしくて、勉強を放り出していても見てみぬふりをしてくれていた。

ポピーは成長が早いと思う。
僕も神童だ!天才だ!とか言われてきたけど、ポピーは僕なんか比べものにならないほど天才だと思う。
だって1ヶ月たったあたりでまだ歯が生えていないから喋れてないけどこっちの言うことはほとんど理解しているみたいなんだ。
はぁ、キュルキュルのアイスブルーの瞳と食べちゃいたいくらいふわふわもちもちのほっぺに、まだちくちくするくらいしか生えてないけどサラサラキラキラの桜色が薄くかかった白銀の髪、真っ白でぷくぷくの手足!それにそれになんと言っても!
気持ちを表してるのかピルピル動くうさみみ!
ほんっとかわいい!
セラフィア様!うちの妹はあなたの御使なんですか?僕と同じヒトなの?
与えすぎじゃない?はぁ、なんでこんなに可愛いんだろう、ポピーの笑顔は僕が守るんだ!!

僕もね実は狐獣人なんだ!だから変身が得意なの。いつも耳は隠しているんだ~!でもでも、あの耳が生えたおっさんの耳をポピーが喜んで触ってたって父様から聞いたんだ!僕も今度見せてみようかな!


よし!じゃあ今日も妹の元へ行くか!

どたどたどたどたバタバタバターーんジュッカチカチカチカチボーーーーン!パチパチパチきゃーーーーーぎゃーーどかーんガシャーンどたどたどたどた

ちなみにこの音はね、ポピーに出会ってから使えるようになった僕のユニーク魔法のせいなんだ。ポピーの部屋の扉へ繋がる違う次元の道を通れるみたい!でも僕の意思で制御できなくていつ出てくるかわかんないんだ。これを制御できたら今回みたいな誘拐があっても助けに行けるのに…

「ぽーーーーぴーーーーーーーーーー」

はぁ、今日も僕の妹は可愛いです!
僕の天使!僕の希望!光!愛してるよポピー、結婚しようね



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちなみにこの世界では魔力の質によって全てが決まるので、兄弟で結婚とかは普通なんです。
それに女性は貴重なので小さいうちから兄弟と婚約して守ってもらわないと危険です。

ラミュの音の秘密が明らかになりましたね!ではまた!会いましょう!

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