男女比バグった世界で美女チート無双〜それでも私は冒険がしたい!〜

具なっしー

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第1章はじめての異世界

ユノの日常

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お父さんと兄様と暮らしてから1週間ほどが経った。2人はとても過保護で必ずどちらかが家に残って一緒に庭で遊んだり、街へ探検に行ったり、勉強したり、本を読んでもらったりしてすごしている。そう、私チートなのに、この世界の字が読めないのだ。冒険に出るのに、字が読めないのはかなりまずい!と言うことでお父さんに教えてもらっている。兄様はあんまり人に教えるのが得意じゃないんだって。
そんなふうにのんびりすごしていたけど、やっぱり心は社畜日本人。なにか私も役に立ちたい!と言うことで、スキル女子力を使って朝食を作ることにした。本当は和食にしたかったんだけど、醤油や米がないのでいつもある材料でパンケーキを作った。
冒険に出たらまず探すのは和食の材料!!と心に決めたユノであった。


ーーーー昨日からユノに「私が呼びにいくまで部屋から出てこないでね!準備して待ってて!」と言われていたガロとバルドはおとなしく部屋で待っていた。
コンコンコンと可愛らしいノックの音がなり、ガロ、バルドは合流した。
なんだかスキップでもし出しそうなくらい軽やかなユノの様子に背中から汗が流れる。
ー大丈夫だろうか…この子…
そうなのだ。ユノは普通にすごしていたと思っているが、1週間、一緒にいた2人は
この子を調子に乗らせるとまずいことになる…と身に染みていたのだ。脳筋のガロでもそう感じたのだから…相当やばいのだ。
まず、学習スピードが半端ない。元々の学力も高いのはわかっていたが、最初ユノはこの世界の歴史や魔法学、文字の知識はゼロだった。それが数時間席を外したうちに、なんと学者レベルまで学習が進んでいたのだ。本当にわかっているのかと思い、問題を出すと、なんと全問正解。
次は、庭で遊んでいた時のことだ。ユノの周りになにやら光る物体が集まってきていて…多分妖精や精霊だ。あやうくうちの庭が聖域になりかけたのであわてて家の中に押し込んだのだ…そのあと外を見にいくと謎の生物がたくさん生えていた。
そしてまた次は今度は街に行った時だ。本人は初めて見る街に目を輝かせていて、気づいていなかったのだが、羽を隠していても可愛すぎて、人が寄ってたかって大変だった。まぁ、これに関してはユノは…うむ、可愛すぎるからしょうがない。あと、ユノが気に入って買った店には行列ができていて、天使が絶賛した味!だとか天使着用!とか勝手にポップを貼られまくっていた。
その他にも規格外な事件がたくさんあり2人は内心ドキドキバクバク、そして少しの好奇心も抱きながらユノの後を追った。


朝の光が差し込むダイニングは、いつもより甘い香りに包まれていた。
 焼きたてのパンケーキの香り、それに混じるのは果実酒に似た芳醇な匂い。だがこれは酒ではない。ユノが森で偶然見つけたという「陽光蜜」と呼ばれる伝説級の蜂蜜だった。王侯貴族でも滅多に口にできない代物を、平然と惜しげも無く小瓶からとろりと垂らすユノ。
黄金色のパンケーキの山と、ぐつぐつと音を立てる野菜スープ。使っている具材もまたおかしい。これもまた、ユノが魔の森でとってきた代物であった、その薬草は冒険者ギルドで高額取引される【聖息草】や【霊命根】。本来なら調合師が涙目で扱うような品ばかりだ。

「父さん、バルド兄様、できましたよ!」
ありえない光景にツッコミを入れようとしたバルドもユノのふりふりエプロンと満面の笑みで思考が吹っ飛ぶ。
ーまぁ、ユノだしな。
1週間もあると、バルドも父親譲りの適応能力でしっかり順応していた。

「……!!うまっ!」
一口食べた瞬間、ガロの表情が花開き、目からだばーっと涙が流れた。厚い胸板を叩きながら、豪快に笑う。
「さすがユノだ!こんな美味しいパンケーキ食べたことがない!ふわふわして、甘くて、体の中から力が湧いてくるぞ!」

「!!!うっま!……いやいやいや」
対照的に、バルドは眉間を押さえた。彼の舌もまた正直だ。とんでもなく美味しい。だが舌が告げるのは、それだけではない。
「これ、市場に出したら……、国が動くレベルだろ……」
頭を抱え込むバルドに、ガロは能天気に肩を叩いた。
「細けぇことはいいんだよ! ユノ!美味しい朝食ありがとうな、でも、毎日これだと俺らぶくぶく太っちまうから、たまーに!たまに!またお願いな!」
「ユノ、ありがとよ。美味しかったぜ!でもこれは俺たち以外に食べさせちゃダメだからな!」

「…?はい!」
そう言って返事をしたユノは頬を赤らめ、パンケーキをもぐもぐと頬張った。甘いクリームを口の端に付けながら笑う姿は、まさに天使そのものだった。

ー絶対わかってねぇ!
と思う2人だったが、すぐにユノの姿を見てだらしない顔になった。



食後、私は「運動がてら、お庭をちょっといじってきますね」と軽やかに庭に出ていった。
 まだ朝露が残る芝を踏みしめ、森で拾った小さな花苗を植える。鑑定もして、名もなき白い花、危険はない、食料になる、見た人が幸せになる。と書いていたので、植えてみよう!と思ったのだった。

 ──だが、ユノが植え終えた瞬間。

ふわり、と大地が揺らめいた。
花の根元から光が走り、ゴゴゴゴゴと、みるみるうちに大樹が伸びていく。幹は白銀に輝き、葉は翠緑に透け、樹冠からは光の粒子が雨のように降り注いだ。庭の隅に突如として現れたのは、古の伝承にしか出てこない「聖樹」だった。

「……あれ?花…?じゃなくて木!!!?どうしよう、やりすぎちゃった。」

「なにごとだーーーーー!!!」
「ユノぶじかーーーー!!」

パンケーキに夢中になっていたのでユノが庭に出たことは把握していたが、たった5分でここまでやらかすとは思っていなかった2人は庭に生えた「聖樹」を見て呆然とした。

「あの、父さん、バルド兄様…私花を植えようとしただけなんです…なのに、こんな、大きな木を…ごめんなさい!私が責任持ってすぐに切ります!」
そう言って剣を構え出したユノを慌てて止めた。
「ちょ、ちょっとまてー!だめだ、切るのはだめだ。呪われるぞ!これは聖樹だ…」
ーセイジュって私本で見ましたでもあれって…
と口に出そうとした

次の瞬間、空から鳥が群れをなして舞い降りてきた。森からは小動物たちが駆け寄り、聖樹の周りに輪を作る。鹿、リス、狐、見たこともない白い兎まで、皆ユノの足元にすり寄っていく。

その光景を見て呆然としていたバルドは頭を抱え、発狂した。
「ユノーー!うちの庭いじりすぎだろぉ!ーーーーーーーーーーーーーー」
突っ込まずにはいられない。

その叫びは動物たちに埋もれていたユノには届かなかった。
「わぁ、かわいいですね!」
ユノは目を輝かせ、リスにアイテムボックスから木の実取り出してを差し出した。動物たちは争うことなく、まるで仲間同士のようにそれを分け合う。
するとなんだか動物たちまで輝き出して…
「お、おい…ユノ!今あげた木の実ってまさか!」
「はい!兄様!これは私が魔の森で拾ったマグルスピアです!」
「ユノーーーーーーー!俺が拾ってくるから、マグルスピアあげるのやめてくれーーーーーーーーー!」
「あ!普通のもあるので、兄様が拾わなくても大丈夫ですよ!」
「最初っからそっちをあげてくれーーー」


「すげぇ……まるで楽園だな」
ガロは可愛いもふもふ動物と戯れる天使のような(庭なので羽は隠している)娘を見て能天気な感嘆の声を漏らす。その目はどこか誇らしげで、「さすが俺の娘だ」と言わんばかりだ。
そんな父親の姿にバルドはため息を吐いた。これから、どうすればいいんだ…大変なことになるぞ…
能天気な父娘を見つめながら涙目になる苦労性のおかん、バルドであった。









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