猫なので、もう働きません。

具なっしー

文字の大きさ
2 / 11

1もう働きたくない!

しおりを挟む
300歳の私は、今日も朝7時に起きて、重い足を引きずりながらオフィスに向かった。
日本は医療の発展で不老不死になり、私はその恩恵を受けるどころか、延々と働き続ける運命にあった。
若者たちは時間が無限にあるのをいいことに、怠け放題。社会は回らず、残された私たち長生き組が、馬車馬のように働くしかないのだ。
「ああ、もうやだ……はやく死にたい……」
心の奥でつぶやく声は誰にも届かない。
医療が発展しすぎたこの世界では、死ぬことすら許されないのだ。
だから私は、今日も机に向かうーまだあと300年も働くことになるとは知らずに…


何度過労で倒れそうになったことか。
その度に恨めしいほど完成された医療技術で治された。恋愛も経験したし、家庭も持とうとしたこともあった。けれど、結局、もう懲り懲り。そう思っただけだった。
結婚する人も少なくなり、寿命が延びた分だけ人々はだらけ、社会はゆっくりと崩れていった。

そして600歳になった日。政府はついに「安楽死法」を施行した。
独身で500歳以上の者は、自ら望めば安楽死を受けられる。
私はためらわず手続きを選んだ。
「これで、やっと……終われる」

そう思ったが国中の人々が安楽死を希望した為、私の安楽死予約は1年後に入った。

600年も生きたんだ。1年待つことなんてどうってことない。私は1年間、また、社畜を再開した。
そしてついに安楽死の日がきた。

深呼吸を一つして、安楽死装置に横たわる。光が目を包み、意識が遠のく。
「あぁ、やっとだ、やっと解放される…」
そう思った瞬間全身に激しい痛みが生じた。
「ぎゃぁーーーーーーーー」
焼けるような痛みに声にならない悲鳴をあげる。抵抗したくても動かない体。

どれほど痛みに耐えただろうか。生きている間なら一瞬に感じられただろう時間が永遠のように長く感じた。
次第に、体が動くことに気づく、あれ?ここは天国かな?
恐る恐るまぶたをあけるとそこは
大きな森の中だった。朝だからか霧がかかっていてちょっと不気味だ。
へー、天国ってこんな森なのかぁおーい誰かいますかー?
「にゃああぉん」
ふぇ!?猫?どこかな?
「ふにゃっ!?にゃおん?にゃうーん?」
はい、これ完全に私の声ですね。
やけにでかい森だと思ったら猫になったってことですか。いやーびっくりですねぇ
ん?あんまり驚いていないように見えるって?
そうですねぇ、600年生きてたらもうこのくらいじゃ驚かないですよ。はぁ…また生きなくちゃいけないのかぁ、て気持ちのほうが強いです。

都合がいいことに少し離れたところの木の根元に水溜りができていることに気づく、覗き込むと、銀灰色の毛、エメラルドグリーンの瞳。わたしはロシアンブルーだった。やったー!おしゃれな猫だぁ!わーい!
そこで私は決意する。
せっかく猫になったんだし、社畜なんてやめて人の努力でだらだら過ごしてやる!
何もしない。を目標に定めた。
でもこれからどうしよう…しばらくうろうろしながら、見たことない植物をちょんちょんしたり、木に登って木の実をちょんちょんしたりして異世界に興味津々で楽しんでいた。そうしているうちに霧が晴れてきて視界が開けた。
わたしは木に登って確認する。うわぁ!素敵!!!
意外と近くに大きな街があったことに驚く。てか、どういう仕組みかわかんないけど、めちゃくちゃ目がいい。猫ってそんな目がよくなかったはずなのになぁ。
まぁ、チートってことで!千里眼みたいに遠くまで見通せた。
そこには手から火を吹く人、何かを浮かべて運んでいる人、髪の色を変えて楽しむ人…色々いた。
なんと!この世界は魔法が使えるのだ。それにしても…女の人がいないなぁ。
疑問に思いながら私は街を目指して進んだのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーー
15話くらいで完結を目指しています!
よろしくお願いします。
AIに仕事は変わって、社畜は生まれないんじゃないか…なんてツッコミは…考えないでください。なにか新たな職業がうまれたんです。





しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生先は男女比50:1の世界!?

4036(シクミロ)
恋愛
男女比50:1の世界に転生した少女。 「まさか、男女比がおかしな世界とは・・・」 デブで自己中心的な女性が多い世界で、ひとり異質な少女は・・ どうなる!?学園生活!!

氷のメイドが辞職を伝えたらご主人様が何度も一緒にお出かけするようになりました

まさかの
恋愛
「結婚しようかと思います」 あまり表情に出ない氷のメイドとして噂されるサラサの一言が家族団欒としていた空気をぶち壊した。 ただそれは田舎に戻って結婚相手を探すというだけのことだった。 それに安心した伯爵の奥様が伯爵家の一人息子のオックスが成人するまでの一年間は残ってほしいという頼みを受け、いつものようにオックスのお世話をするサラサ。 するとどうしてかオックスは真面目に勉強を始め、社会勉強と評してサラサと一緒に何度もお出かけをするようになった。 好みの宝石を聞かれたり、ドレスを着せられたり、さらには何度も自分の好きな料理を食べさせてもらったりしながらも、あくまでも社会勉強と言い続けるオックス。 二人の甘酸っぱい日々と夫婦になるまでの物語。

黒騎士団の娼婦

星森
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました

鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。 そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。 シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。 困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。 夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。 そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。 ※他投稿サイトにも掲載中

なんか、異世界行ったら愛重めの溺愛してくる奴らに囲われた

いに。
恋愛
"佐久良 麗" これが私の名前。 名前の"麗"(れい)は綺麗に真っ直ぐ育ちますようになんて思いでつけられた、、、らしい。 両親は他界 好きなものも特にない 将来の夢なんてない 好きな人なんてもっといない 本当になにも持っていない。 0(れい)な人間。 これを見越してつけたの?なんてそんなことは言わないがそれ程になにもない人生。 そんな人生だったはずだ。 「ここ、、どこ?」 瞬きをしただけ、ただそれだけで世界が変わってしまった。 _______________.... 「レイ、何をしている早くいくぞ」 「れーいちゃん!僕が抱っこしてあげよっか?」 「いや、れいちゃんは俺と手を繋ぐんだもんねー?」 「、、茶番か。あ、おいそこの段差気をつけろ」 えっと……? なんか気づいたら周り囲まれてるんですけどなにが起こったんだろう? ※ただ主人公が愛でられる物語です ※シリアスたまにあり ※周りめちゃ愛重い溺愛ルート確です ※ど素人作品です、温かい目で見てください どうぞよろしくお願いします。

二度目の人生は異世界で溺愛されています

ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。 ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。 加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。 おまけに女性が少ない世界のため 夫をたくさん持つことになりー…… 周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。

甘い匂いの人間は、極上獰猛な獣たちに奪われる 〜居場所を求めた少女の転移譚〜

具なっしー
恋愛
「誰かを、全力で愛してみたい」 居場所のない、17歳の少女・鳴宮 桃(なるみや もも)。 幼い頃に両親を亡くし、叔父の家で家政婦のような日々を送る彼女は、誰にも言えない孤独を抱えていた。そんな桃が、願いをかけた神社の光に包まれ目覚めたのは、獣人たちが支配する異世界。 そこは、男女比50:1という極端な世界。女性は複数の夫に囲われて贅沢を享受するのが常識だった。 しかし、桃は異世界の女性が持つ傲慢さとは無縁で、控えめなまま。 そして彼女の身体から放たれる**"甘いフェロモン"は、野生の獣人たちにとって極上の獲物**でしかない。 盗賊に囚われかけたところを、美形で無口なホワイトタイガー獣人・ベンに救われた桃。孤独だった少女は、その純粋さゆえに、強く、一途で、そして獰猛な獣人たちに囲われていく――。 ※表紙はAIです

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

処理中です...