猫なので、もう働きません。

具なっしー

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2猫、ピンチ

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森を抜けると関所の前は朝から人でごった返していた。荷車の列、馬の嘶き、兵士の怒号。
私はこっそり荷馬車へ忍び込んだ。
そして荷物の絨毯があったのでそこに隠れることにした。がたがたと揺れて馬車が進んでいく。体感30分くらいかな?まだ来なくて私は飽きてしまった。くわーっとあくびをして、いつのまにか眠ってしまっていた。
「次!」
「ホニャララ王国からきました。」
「荷物を確認する!」
「はい、お願いします。」
そう、わたしはこの時爆睡してしまっていたのだった。

「む?これはなんだ?」
兵士の手が伸びてきた。首根っこを掴まれ、宙に持ち上げられる

「にゃっ、にゃあぁっ!?」
私はびっくりして飛び起きた。
「うわっ、これ生きてんじゃねぇか。魔物か?」
首根っこ掴まれるとほんとに抵抗できないんだなぁ、ゆーらゆーら
「おいっ!お前!これはなんだ!申請されていないぞ!」
「え?えっと…こんなの知りません。私は持ち込んでません。どこから入り込んだんだ!この汚らわしい獣め!皮を剥いで絨毯にしてやろうか!?」
ひぃいぃいいいっこっっわ!!
いーやそれにしてもしくったなぁ、私としたことが知らない土地で眠りこけるなんて。うむうむ、なんて図太いんだろう!

「変な毛並みだ、外の森から来たのか?疫病持ちかもしれん」
「にゃああ!にゃあ!」

必死に暴れてみるけど、所詮は猫の体。爪を立てても分厚い手袋に弾かれる。
背筋がぞっとした。――また働かされるよりはマシだが、こんなところで処分なんてごめんだ。

その時だった。
「何をしている」
低い声が割って入った。
振り返った兵士が、瞬時に背筋を正す。
「し、失礼しました、旦那様!」

ゆっくりと歩み出たのは、上等な外套に身を包んだ中年の男。藍色の髪、深い深海のような瞳。その人は私を見上げ――いや、見下ろし、ふっと口元を緩めた。
うーん、めちゃくちゃダンディーでかっこいいイケおじだわぁ~。600年生きてきて容姿なんてどうでもいいと思ってたけど、これは…なかなか強烈だわ。

「その子は私が預かろう。手を離せ」

兵士が慌てて手を放す。私は重力に負けて落ちそうになったところを、すっとその男の腕に受け止められた。
温かい。柔らかな外套の感触に包まれ、胸の奥がじんわりと溶けていく。

「怖かったな。大丈夫だ」
その囁きは、何百年ぶりに誰かに優しくされて、猫なのに涙が出そうになった。
「にゃあん」
「くっっっっ…かわっっっ…」
なぜかイケオジは顔を腕で隠しプルプル悶えていた。落ち着いたのか、私の頭をなでなでする。
さっきたくさん寝たはずなのに…なんならそれで大変なことになったのに、心地よい温もりでわたしはまた眠りに落ちた。
猫の頭に引っ張られているのかな。異世界に来たのに危機感ゼロだねぇ。

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