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第一章
第12話 初対面
しおりを挟むついに約束の日曜日がやってきた。
休日だからだろうか。カフェの前は多くの人で溢れかえっており、そこからノーキを見つけ出すのは至難の業のように思えた。
俺はこの日のために買った「オルっぽい服」を身にまとい、ドキドキしながらその場に佇む。
すると、集合時間になった頃合いを見て。ノーキが俺にメッセージを送ってきた。
『オル、もうついた?』
ああやばい、いよいよ会うのかと思うと緊張してしまう……。
俺はスマホで、何度も自分の顔や髪型を確認し、何度も何度も深呼吸をして、そしてようやく返信をする。
『もう店の前まで来てるぞ!ちなみに黒い服着てる!!』
『俺も店の前に居るよ。白い服着てる』
マジか、もうノーキも居るのか。
俺はキョロキョロと辺りに目を向け、白い服を着た人物を探す。しかし──
『ノーキどこだ?? 白い服の人も黒い服の人も結構いるから分からねえな……』
『じゃあ、一緒に右手上げてみる?』
『おっ!それいいな!』
ノーキにそう言われ、俺は静かに右手をあげてみる。そして再び、首を振り回しながら辺りに目を向けた。が、右手を上げてる人なんて誰もいないような……
「……オル?」
真横から声がして視線を向ける。背が低いせいで気付かなかったが──俺より背が高いその人物は、なんと右手を上げていたのだ。
互いの目が合う。人気配信者ノーキとオルは、今日、いよいよ初対面を迎えた。
この人がノーキか! って……あれ。
目が合って早数秒。俺はふと、あることに気がついた。
ん? まてまてまてまて……
コイツこの前ぶつかった茶髪高身長イケメンじゃね……?! うちの高校の!
ノーキだと主張する男に明らかに見覚えがあり、俺は目を瞬かせる。これはつまり、俺が陰キャだってこともバレてるんじゃ……いやまだバレたと決まった訳じゃない。
「……わ、わぁー! 初めまして」
俺は青ざめながら言った。頼む、俺が尾崎累だと言うことは、知らないでいてくれ!
そんな俺の願いが通じたのか。
目前の男は俺の挨拶を耳にするや否──以前ぶつかった時の淡々とした様子とは打って変わって、まるで花が咲いたような明るい表情で言ったのだった。
「オル、初めまして。ノーキです、今日は会えてすごく嬉しい」
「お……俺も、俺も嬉しい。よろしくな! ノーキ」
果たして俺は今、オルを上手く演じていれてるのだろうか。心臓が飛び抜けてしまいそうなほど、うるさく鳴り響いている。
こんなこと……一体誰が予想出来たっていうんだ。
そう。ネットで俺に並んで活躍しているノーキという人物は、なんと──
同じ学校の人物だったのだ。
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