【完結】陽キャのフリした陰キャ配信者がコラボきっかけで付き合う話

柴原狂

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第二章

第19話 接触

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 コツコツ、と俺たちの足音が廊下内に響く。先程の控え室に戻るべく、俺とノーキは歩みを進めていた。

 まさかのインタビューを任されることになるとは。プロの選手の人達にちゃんと話しかけられるだろうか──そんな心配が頭を過ぎる。

 早くもマイナス思考になり始め、あからさまに不安そうな表情を浮かべる俺を見て、ノーキは優しく声をかけてきた。

「オル、大丈夫? MVPのインタビュー、不安だったらオレがするよ」

 なんてイケメンで頼れる男なのだろう。そう言って心配そうに俺を見つめるノーキの優しさに、思わず依存しそうになる。

「ありがとうノーキ……でも大丈夫だ! 正直めっっちゃ緊張するけど、せっかくノーキと二人で仕事が貰えたんだ。頑張らないとな!」

「そっか、でも何かあったら頼ってね。オレはずっとオルの傍に居るから」

 やっぱりノーキが居てくれると思うと、とても安心してしまう。
 俺は再び彼の存在に感謝しながら、控え室に辿り着くべく、曲がり角をまがった。
 その時だった。

 うぷっ、と誰かの身体に顔面を強打する。
 どうやら、ぶつかってしまったらしい。ヤバいヤバい。まじか! やらかした! どうしよう……怖くて顔が見れない。

「オル! 大丈夫!?」

 ぶつかった反動でよろけてしまった俺の身体を、ノーキが支えてくれる。

 俺はいま起きた状況に混乱しながらも、「とにかく謝らないと!!」と思い、急いで口を開くのだった。

「あ、あの……すみませんでした!!」

「……」

 そう言って九十度のお辞儀をした俺は──相手からの返事がないことに不信感を抱く。

 え、うそ。もしかしてめっちゃ怒ってる? てかなんかタバコの匂いする……絶対年上だ! やばい! 怖い!

 恐怖のあまり身体が震えて、俺は顔を上げることなく目前の人物を想像していた。
 きっと大きくて怖いサングラスをかけたおじさんが立っているに違いない……

 ちょって待て。そうだ。もしかしたら、ちゃんと目を見て謝罪しないから怒ってるのかもしれない──ふと、そう思った俺は震える身体をなんとか抑えて、ゆっくり顔を上げた。

 よし、最悪の場合は土下座しよう。

 そんなことを考えながら、再度謝罪を述べようとする俺に向かって……意外にも、目前の人物はゆっくり口を開いたのだ。


「……オル?」




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