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第二章
第39話 浮かれるキル
しおりを挟むその日の夜。
イベントも無事終わり、ぐっすり寝ていた平塚は、突然の電話に起こされた。
こんな時間に一体誰だ、と眉間に皺を寄せてスマホ画面に目を向ける。
そして平塚は、大きなため息を吐いた。
「おいキル……いま何時だと思ってる。夜中だぞ! 何の用だ?!」
「平塚さん今いいですか」
「お前今日あんなに暴れ回ったってのに……なんでまだ寝てないんだ」
平塚のお説教を聞くことも無く、キルは心做しか嬉しそうに言った。
「オルと遊びに行くことになりました」
「……はっ?」
「どんな服着ていけばいいのか分からないので、明日一緒に出掛けてください」
「いやなんで俺なんだよ!? ナギとかに頼めばいいだろ。てか、なんで急にそんな……」
状況が呑み込めない平塚は、混乱した様子で疑問をぶつける。だが、キルは至って冷静に続けた。
「無理です、おれナギ嫌いなんで。こんなこと平塚さんにしか頼めないです」
「……はあ、もういい分かったよ。詳しい話は明日聞かせろ。眠いから寝させてくれ」
「ありがとうございます。ついでにデートコースも確認したいので着いてきてくださいね」
「お前……間違ってもオルさんの前でデートとか言うなよ。今日の様子で充分察したと思うが、オルさんはもうノーキさんと──」
「大丈夫です。おれはどんな手を使ってもオルを手に入れるので」
「……はあ?! おい待てキル!! お前、自分が何言ってんのか分かっt──」
「それじゃあまた明日、おやすみなさい」
キルは平塚の言葉を聞かないまま、強引に電話を切ってしまった。その声色からは、随分と浮かれているのが分かった。
「はあ……ったく、あのバカ」
平塚は大きなため息を零すと無造作に頭をかいた。
そして「もう何も考えたくない」と言わんばかりに、ベッドへ戻ることにしたのだった。
二章/完
明日から最終章です。ぜひ楽しみにしていてください┏○
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