【完結】陽キャのフリした陰キャ配信者がコラボきっかけで付き合う話

柴原狂

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第三章

第19話 究極の選択

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 どうしよう、どうしよう。

 俺はぐちゃぐちゃになった頭で、自分に迫られた選択を必死に考えていた。

 キルさんは俺の写真を持っている。これがネットに流されたら……俺のイメージどころか、配信者としての人生も終わる。

 まだまだやりたいゲームや企画がたくさんあった。もっとノーキと、コラボ配信もしたかった。視聴者さんと話したいことや言いたいことだって山ほどある。

 なのに……こんなところで終わっちゃうのか?

 もし、配信者オル=現実ではクソ陰キャ男、という事実も広がれば……多くの人から批判されてしまうかもしれない。

 それが巡り巡って──こんな奴と仲良くしていたのか、とノーキの印象まで下がるかもしれない。
 そんなのは嫌だ……絶対に嫌だ。

 俺はノーキに抱きしめられているのを良いことに、ぐっと彼の胸の中に顔を埋めた。強ばる身体を何とか抑え、思考を続ける。

 もし、俺が『キルさんの手を掴んだ』としたら……その時点で、俺とノーキの関係は全て断ち切られるだろう。
 そしてキルさんの恋人として周りから認知され、脅されたまま生きていかなければならない。
 だが、そんなの嫌だ……俺がそばに居たいのはノーキだけだ。

『ノーキを選んで配信人生を終える』か『キルさんを選んで脅されたまま配信人生を続ける』か。

 究極の二択に精神をすり減らす。
 しかしその時──俺の頭をゆっくり撫でる優しい手によって、強ばった身体を解された。

 顔を上げると、そこには。不安のあまり涙でぐちゃぐちゃになった俺を見つめる、ノーキの姿があったのだった。

「累。キルさんと何の話しをしたのかは分からないけど、オレは絶対、累を離さない。誰に何を言われたとしても、周りからどんな目で見られたとしても、全然気にならないよ。オレの隣に累がいるならそれでいい。
 言いたいことは沢山あるけど、とにかくそんな不安そうな顔しないで。オレが居るよ」

 そう言って光輝は、俺の涙を優しく拭い取ってくれた。

 ああそうか、と。
 爽やかな笑みを浮かべる光輝の姿を見て、俺はふと、肩の力が抜けていくのを感じた。



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