【完結】陽キャのフリした陰キャ配信者がコラボきっかけで付き合う話

柴原狂

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第三章

第20話 ひとりじゃない

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 ああ……俺は今まで、なんて馬鹿なことを考えていたんだろう。

 こんなに真っ直ぐ俺を見つめてくれる人も、優しい言葉をかけてくれる人も、今までひとりも居なかった。 

 料理ができないくせに、嘘ついてまで俺の好物を作ってくれる人なんていなかった。
 陰キャのくせに、配信内では必死に陽キャを演じる俺を見ても、ノーキは馬鹿にしたりしなかった。


 俺が不安になる度に、傍で支え、応援してくれたのは、いつだってノーキだった。

 
配信や現状は勿論大切だ。でも、俺にはそれ以上に失いたくないものがある。
 俺は震えが止まった身体で、ぎゅっと拳に力を込めた。
 そして目に涙を溜めたまま、感情のコントロールができないまま、言葉を発する。

「俺、やっぱり光輝と離れたくない。ずっと一緒がいい。でも……俺のせいで光輝までが嫌な思いをするかもしれない」

 そう、こんなクソ陰キャな俺の写真が出回ってしまえば、配信者ノーキの印象も、下がり兼ねないのだ。そんな形で彼の足を引っ張ることは、絶対にしたくない。

 だが、そんな言葉に一切動揺することなく、ノーキは俺の頬を優しく撫でた。

「いいよ。累がそばに居てくれるなら、それでいい。どんなに辛いことがあっても、オレたちなら乗り越えられるでしょ。だって、ひとりじゃないんだから」

「……!!」

 涙で視界がぼやけているはずなのに──目の前で照れくさそうな笑みを浮かべ、俺の不安を全て取り除いてくれる……彼の優しい瞳だけは、鮮明に俺の視界に飛び込んできた。

 俺は手で涙を拭うと、いつもの笑顔をノーキに見せる。そして、決心したように彼の手を握った。

もう迷わない。俺はひとりじゃないから。



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