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第三章
第29話 新しい一歩
しおりを挟む「じゃあ来週からノーキも練習に参加してくれ。あ、オルさんもいつでも遊びに来てください。なんなら一緒にプロ選手になりませんか? 技術と戦略を兼ね備えたオルさんならいつでも歓迎ですよ!」
平塚さんは、ニッと笑顔を浮かべながら俺とノーキを交互に見つめる。
「いやいやいや!俺全然ゲーム上手くないので! 皆さんのこと応援してます。今度、差し入れ持ってきますね!」
俺はそう言って笑みを浮かべると、平塚さんや周りの人たちに手を振った。こうしてみると……俺が陰キャだったという事実が信じられなくなるくらい、今は自然と話せている。
そして今更だが、改めて見てみると平塚さんの表情はいつも優しい。キルさんが懐くのも頷けるな、なんて思ってしまう。
このチームが最強と言われているのは、平塚さん自身の活躍も、大きく影響しているのだろう。
「ありがとうございます。来週から頑張ります」
平塚さんの言葉に反応したノーキはそう言ってペコりとお辞儀をしていた。
「……」
目の前でどんどん成長していくノーキが、カッコよくて羨ましい。そんなことを思う度、俺も頑張ろうと背筋を伸ばす。
周りの人に挨拶をし終えたノーキは、真っ直ぐ俺の元までやってくると、優しく手を握る。
「帰ろう、オル」
その視線や言葉遣い、表情や仕草も、全部が愛おしい。
「そうだな。皆さん、お邪魔しました!」
俺はこの暖かい手を、一生話すことは出来ないだろう──そんなことを思いながら、俺はノーキと歩みを進めた。
* * *
それから俺は、満面の笑みを浮かべたてノーキの家へやって来た。
色んな人と話せて、遊べて、今日はとても楽しかった。こんなこと──以前の自分なら想像もできなかっただろう。
俺は自分の成長をしみじみ感じながらノーキの部屋をどんどん進む。
そして今日──
俺たちは新しい一歩を踏み出す。
* * *
『……は? え、は?』
『嘘だろ……?』
『え?????』
『やばいだろこれは』
『何これ……え、嘘やろ』
『は? 嘘? どういうこと?何?』
『は? は? は? は?』
『夢……? 夢かこれ』
『え?どういうこと?』
『……何? え、何これ!?!』
多くの人々が──とあるお知らせに混乱の様子を見せる。それもそのはず。この企画が実行されるなんて、俺たちですら予想していなかったのだから。
互いが大学生になった現在。
プロ入りすることが決まったノーキは、これから嫌でも顔出しをする必要が出てくる。
彼と一緒に進むと決めた以上、俺も心のどこかでは──こんな日が来るかもと思っていたのかもしれない。
という事で、始まります。
次回最終話。ノーオル、顔出し配信。
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