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第九章 錬金術師とパラサイト
伝説の巨獣の頭の中
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ビーム○ーベルらしき物を装備した健太郎は視界に映ったベヒモスの3Dマップに従い、点滅する光点を目指し飛ぶ。
マップを見るに目的地はベヒモスの頭部、脳がある場所の様だ。
「このテレビに映ってる奴に従うなら、ベヒモスの頭に向かうみたいだねぇ」
「ピピッ」
そうみたいだ。多分、アウラは他の寄生生物と同じ様に脳を支配してベヒモスを操っているんだろう。
「でも頭に向かうにしても、生き物の体の中には都合よく道なんてないんじゃないかい?」
「ピピピッ……ピピッ」
そりゃそうだろうけど……大丈夫みたいだ。この体は道が分かっているみたい。
現在、健太郎はベヒモスの食道を通り抜け、鼻腔に入り込んでいた。
その鼻腔の壁にターゲット表示が現れる。
「ピピッ」
この先はサーベルで切り裂いて進めって事だろうな。
「切り裂いて……何だか夢見が悪くなりそうだねぇ」
「ピピピッ……」
俺もやりたか無いけど……すまんベヒモス。
レベッカの話に出て来たベヒモスと同じ個体であるかは分からないが、彼女の話ではベヒモスはトラス達の説得を聞き入れ歩く場所を変えたらしい。
そんな話の通じる相手なら何とか助けたいが、今はとにかくアウラを排除を第一目標にすべきだろう。
そう決め、健太郎は青白く輝くサーベルを壁に叩き付け道を切り開く。
幸いと言っていいのか分からないが、サーベルがレーザーメスの様に肉を焼いた事で出血はほぼ無く、骨の隙間を掻い潜る形でミラルダを乗せた健太郎は先に進む事が出来た。
「ピピピッ!」
よし、このままドンドン進もうッ!
「ふぅ、伝説の巨獣の頭の中ねぇ……そんなのきっと師匠だって見た事ない筈だよ」
「ピピピッ!!」
このまま、こいつを止められたら、ミラルダが二代目のベヒモス殺しになるかもなッ!!
「はぁ……そんな大仰な二つ名は要らないよぉ」
操縦席で肩をすくめため息を吐いたミラルダを見て健太郎は心の中で笑みを浮かべた。
■◇■◇■◇■
一方、ベヒモスを操り健太郎を飲み込んだアウラは、現在、原因不明の頭痛に苦しんでいた。
“何なのだこの痛みは……”
痛みの原因は勿論、ベヒモスの頭部をサーベルで切り開きながら進んでいる健太郎なのだが、飲み込んだ健太郎が食道を逆進してる事はアウラの想像の埒外だった。
“まさか、あのゴーレムを構成していた素材は有毒だったのか……クッ、飲み込んだの早計だったか”
そう考えたアウラはベヒモスの脳を介して指令を送り、胃を刺激、内容物を吐き出させた。
「グバァアアアア!!!!」
五十年眠っていた巨獣の胃は空っぽで、吐き出されたのは胃液のみだった。
そんなベヒモスを見上げたギャガンは負傷した兵士担ぎながらニヤッと笑みを浮かべる。
「へっ、あんなヤバい奴を食うからだ」
「ギャガン、ベヒモスが引き連れて来た者達にも雨が効いている様だッ! 殆どの者が倒れ動きを止めている!」
飛翔を使い、戦場を飛び回り負傷者を手当していたグリゼルダが上空で声を上げる。
「そうか、兵士達も寄生体が抜けて動ける奴も出て来たッ! そういう奴を優先的に治療してくれッ! 負傷者を運ばせるッ!」
「分かったッ!」
「ギャガン、後衛にいた兵隊さん達が状況を知りたがってるよッ!」
駆け寄ったパムが指差す先では、馬に乗った指揮官らしき兵士がこちらに視線を向けていた。
「チッ、状況なんざぁこっちが知りたいぜ……とにかく負傷者を後ろへ下げる様に言えッ」
「分かったよッ!!」
指揮官の下へ駆けていくパムから視線を上げて、ギャガンは再度ベヒモスを見上げた。
「後はそのデカ物だけだ。頼むぜミシマ……」
呟きは健太郎が生み出した降りしきる雨に音にかき消された。
■◇■◇■◇■
ベヒモスの頭蓋の中、肉を切り裂き進んだ健太郎はようやく目的のベヒモスの脳、そしてそれを覆う緑色の粘菌へと辿り着いた。
「ふぇええ、流石にあれだけ体が大きいと脳みそも大きいねぇ」
「ピピピッ」
とにかく脳からあの粘菌を引き剥がそう。
「だね……ミシマ、なんかまた光ってるボタンがあるんだけど?」
「ピピッ? ……ピピピッ」
また? ……じゃあ押してみてくれる。
「分かったよ」
ミラルダがコンソールに並んだボタンを押し込むと健太郎の左手が上腕部に収納され、代わりに銃の砲身の様な物が突き出した。
「ピピッ!? ピッ、ピピピッ!!」
これはッ!? サッ、サイ○ガンッ!!
「なんだい、サイ○ガンって?」
「ピピピピピピピピッ!!」
知らんのかミラルダ、サイ○ガンって奴は伝説の宇宙海賊コ○ラの左手に装備された超強力な武器だよッ! 精神の力で撃ち出された弾丸は隠れた敵にも確実に命中するんだッ!!
「へぇ……異界にはおっかない武器があるんだねぇ」
「ピピピッ」
ともかくボタンを押してこれが出たんだから、コイツでアウラを何とか出来るはずだ。
健太郎は左腕を粘菌に覆われたベヒモスの脳へと向けた。
視界に地下迷宮の時の様に複数照準が表示され、それに意識を向けターゲットをロックしていく。
全てのターゲットをロックし終えても粘菌がこちらに向かって何かする事は無かった。
それはそうかもしれない、脳と一体化したアウラはベヒモスの目を通して世界を見ている。
脳は目や耳、鼻等、感覚器官が受けた信号を処理し感じているだけで脳自体に周囲の出来事を感じ取る力はないのだから。
そんな訳で無抵抗のアウラに健太郎は左手を掲げ、ロックオンした照準にゴーサインを出した。
「ピピピッ!!」
ファイアーッ!!
左腕の銃身から放たれた光は分裂し、脳を覆ったアウラに襲い掛かった。
光は同時に着弾、その瞬間、緑の粘菌に葉脈の様に光が走り、次の瞬間にはベヒモスの脳を覆っていた緑のベールは脳を離れ、救いを求める様に頭蓋を破りベヒモスの眉間から高く天にその身を伸ばした。
マップを見るに目的地はベヒモスの頭部、脳がある場所の様だ。
「このテレビに映ってる奴に従うなら、ベヒモスの頭に向かうみたいだねぇ」
「ピピッ」
そうみたいだ。多分、アウラは他の寄生生物と同じ様に脳を支配してベヒモスを操っているんだろう。
「でも頭に向かうにしても、生き物の体の中には都合よく道なんてないんじゃないかい?」
「ピピピッ……ピピッ」
そりゃそうだろうけど……大丈夫みたいだ。この体は道が分かっているみたい。
現在、健太郎はベヒモスの食道を通り抜け、鼻腔に入り込んでいた。
その鼻腔の壁にターゲット表示が現れる。
「ピピッ」
この先はサーベルで切り裂いて進めって事だろうな。
「切り裂いて……何だか夢見が悪くなりそうだねぇ」
「ピピピッ……」
俺もやりたか無いけど……すまんベヒモス。
レベッカの話に出て来たベヒモスと同じ個体であるかは分からないが、彼女の話ではベヒモスはトラス達の説得を聞き入れ歩く場所を変えたらしい。
そんな話の通じる相手なら何とか助けたいが、今はとにかくアウラを排除を第一目標にすべきだろう。
そう決め、健太郎は青白く輝くサーベルを壁に叩き付け道を切り開く。
幸いと言っていいのか分からないが、サーベルがレーザーメスの様に肉を焼いた事で出血はほぼ無く、骨の隙間を掻い潜る形でミラルダを乗せた健太郎は先に進む事が出来た。
「ピピピッ!」
よし、このままドンドン進もうッ!
「ふぅ、伝説の巨獣の頭の中ねぇ……そんなのきっと師匠だって見た事ない筈だよ」
「ピピピッ!!」
このまま、こいつを止められたら、ミラルダが二代目のベヒモス殺しになるかもなッ!!
「はぁ……そんな大仰な二つ名は要らないよぉ」
操縦席で肩をすくめため息を吐いたミラルダを見て健太郎は心の中で笑みを浮かべた。
■◇■◇■◇■
一方、ベヒモスを操り健太郎を飲み込んだアウラは、現在、原因不明の頭痛に苦しんでいた。
“何なのだこの痛みは……”
痛みの原因は勿論、ベヒモスの頭部をサーベルで切り開きながら進んでいる健太郎なのだが、飲み込んだ健太郎が食道を逆進してる事はアウラの想像の埒外だった。
“まさか、あのゴーレムを構成していた素材は有毒だったのか……クッ、飲み込んだの早計だったか”
そう考えたアウラはベヒモスの脳を介して指令を送り、胃を刺激、内容物を吐き出させた。
「グバァアアアア!!!!」
五十年眠っていた巨獣の胃は空っぽで、吐き出されたのは胃液のみだった。
そんなベヒモスを見上げたギャガンは負傷した兵士担ぎながらニヤッと笑みを浮かべる。
「へっ、あんなヤバい奴を食うからだ」
「ギャガン、ベヒモスが引き連れて来た者達にも雨が効いている様だッ! 殆どの者が倒れ動きを止めている!」
飛翔を使い、戦場を飛び回り負傷者を手当していたグリゼルダが上空で声を上げる。
「そうか、兵士達も寄生体が抜けて動ける奴も出て来たッ! そういう奴を優先的に治療してくれッ! 負傷者を運ばせるッ!」
「分かったッ!」
「ギャガン、後衛にいた兵隊さん達が状況を知りたがってるよッ!」
駆け寄ったパムが指差す先では、馬に乗った指揮官らしき兵士がこちらに視線を向けていた。
「チッ、状況なんざぁこっちが知りたいぜ……とにかく負傷者を後ろへ下げる様に言えッ」
「分かったよッ!!」
指揮官の下へ駆けていくパムから視線を上げて、ギャガンは再度ベヒモスを見上げた。
「後はそのデカ物だけだ。頼むぜミシマ……」
呟きは健太郎が生み出した降りしきる雨に音にかき消された。
■◇■◇■◇■
ベヒモスの頭蓋の中、肉を切り裂き進んだ健太郎はようやく目的のベヒモスの脳、そしてそれを覆う緑色の粘菌へと辿り着いた。
「ふぇええ、流石にあれだけ体が大きいと脳みそも大きいねぇ」
「ピピピッ」
とにかく脳からあの粘菌を引き剥がそう。
「だね……ミシマ、なんかまた光ってるボタンがあるんだけど?」
「ピピッ? ……ピピピッ」
また? ……じゃあ押してみてくれる。
「分かったよ」
ミラルダがコンソールに並んだボタンを押し込むと健太郎の左手が上腕部に収納され、代わりに銃の砲身の様な物が突き出した。
「ピピッ!? ピッ、ピピピッ!!」
これはッ!? サッ、サイ○ガンッ!!
「なんだい、サイ○ガンって?」
「ピピピピピピピピッ!!」
知らんのかミラルダ、サイ○ガンって奴は伝説の宇宙海賊コ○ラの左手に装備された超強力な武器だよッ! 精神の力で撃ち出された弾丸は隠れた敵にも確実に命中するんだッ!!
「へぇ……異界にはおっかない武器があるんだねぇ」
「ピピピッ」
ともかくボタンを押してこれが出たんだから、コイツでアウラを何とか出来るはずだ。
健太郎は左腕を粘菌に覆われたベヒモスの脳へと向けた。
視界に地下迷宮の時の様に複数照準が表示され、それに意識を向けターゲットをロックしていく。
全てのターゲットをロックし終えても粘菌がこちらに向かって何かする事は無かった。
それはそうかもしれない、脳と一体化したアウラはベヒモスの目を通して世界を見ている。
脳は目や耳、鼻等、感覚器官が受けた信号を処理し感じているだけで脳自体に周囲の出来事を感じ取る力はないのだから。
そんな訳で無抵抗のアウラに健太郎は左手を掲げ、ロックオンした照準にゴーサインを出した。
「ピピピッ!!」
ファイアーッ!!
左腕の銃身から放たれた光は分裂し、脳を覆ったアウラに襲い掛かった。
光は同時に着弾、その瞬間、緑の粘菌に葉脈の様に光が走り、次の瞬間にはベヒモスの脳を覆っていた緑のベールは脳を離れ、救いを求める様に頭蓋を破りベヒモスの眉間から高く天にその身を伸ばした。
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