13 / 54
昨日までとは違う※
しおりを挟む
斗希くんが動くたび、初めての感覚に身体が震える。
繋がったところが熱くて、斗希くんが触れる場所は電流が走ったみたいにピリッとして、僕の頭の中はもういっぱいいっぱいだった。
「あ、ぁ⋯ときく⋯っ、そこや⋯」
「の割には気持ち良さそうだけど?」
「だ、め⋯っ⋯あ、やぁ⋯も、イく⋯っ」
「イけよ、何回でも」
「あ、や、ん、ん⋯ッ⋯――⋯!」
最初こそ抑えられてた声はもうどうにも出来なくて、斗希くんが見つけてくれた〝イイところ〟ばかりを刺激され僕は何度目かの絶頂を迎えた。
連続でイかされて指1本動かすのも億劫なくらい疲労してるけど、斗希くんは僕が一息ついたあとまた動き始めるから休む暇もない。
ほんの少しでもいいから休憩したくて、僕の腰を掴んでる手を力なく握ったら逆にしっかりと握り返されてしまった。
「⋯っ、斗希、くん⋯⋯も、ちょっと⋯だけ⋯待って⋯」
「無理」
「んん⋯っ」
お願いはすげなく却下され、再び律動が始まる。
敏感な腸壁を太くて硬いもので擦られる感覚はもう気持ち良さしかなくて、鼻にかかったような甘えた声が突かれるたびに部屋に響いた。
角部屋じゃなければ、今頃壁ドンされてたかもしれない。
「ときく⋯⋯斗希くん⋯」
「陽依⋯」
「⋯っあ⋯! やぁ、あ、だめ、それだめ⋯っ」
一応達したばかりだから気を遣ってくれてたのか最初は緩めだったのに、唐突に腰が浮かされ動きが激しくなった。
ベッドが軋んで、繋がった場所から聞こえる粘着質な音がより卑猥なものになる。
もう何が何だか分からない。
目の奥がチカチカと明滅して、ぐっと足先に力が入る。
「ああ、あ、やだ、ぁ、すぐイっちゃ⋯ゃ⋯斗希く⋯っ」
「ん⋯俺も⋯」
「あ、あ、だめ、だめ⋯っ⋯やぁ、あ⋯⋯ッ!」
「⋯っ⋯」
奥を勢い良く何度も突かれて限界を迎えた僕は背をしならせて果てる。そのすぐあとに斗希くんも息を詰めて身体を震わせると、少ししてから僕の中から出て行った。
もう1ミリだって動けない。
「陽依、大丈夫か」
「⋯ん⋯なんとか⋯」
「ちょっと待ってろ」
疲労困憊な僕の頭を撫でてベッドから降りた斗希くんは、下だけを身に着けるとキッチンの方へと歩いていった。
冷蔵庫を開けて飲み物を取って戻ってきたけど、何とも言えない顔をしてて僕は首を傾げる。
「どうかした⋯?」
「いや⋯⋯お前、自炊してんの?」
脈絡のない質問に目を瞬くも、すぐに意味を理解した僕はこくりと頷く。
たぶん、冷蔵庫に作り置きのタッパーがいくつかあるから、それを見て気になったんだろうな。
ペットボトルの蓋を開けつつベッドの端に腰を下ろした斗希くんは「へぇ」と零して水を仰り、そのまま僕へと口付けてきた。冷たい水が流れ込んできたから喉を鳴らして飲むと、斗希くんはもう一度立ち上がり今度は洗面所へと消えて行く。
しばらく棚を開ける音と水の音がして、戻ってきた斗希くんの手には濡れタオルがあり、ほんのり湯気が立ってた。
「風呂は動けるようになってから入るか」
「う、うん⋯⋯え、一緒に?」
「洗ってやるよ」
外は明るいとはいえカーテンは閉じたままだから部屋は薄暗い。でもお風呂は何をどうしても明るくて、こういう関係になったからこそ裸を見られる恥ずかしさから一緒には遠慮したかったんだけど⋯斗希くんは聞いてくれなさそう。
こんな貧相な身体、煌々と照らすライトの下で見られたくないよ。
時計の針の音が妙に響いた気がして不意に目が覚めた。
カーテンの隙間からは夕日が射してて、壁にかかった時計を見たら16時を過ぎたところでいつもなら夕飯の準備に取り掛かってるくらいだ。
お腹は空いてないけど、作れるなら作った方がいいかな。
そう思いながら時計から視線を外し、隣へと移した僕はふっと表情を緩める。
まさか斗希くんの寝顔を見られる日が来るなんて思わなかった。いつもはキリッとしてる眉が下がってて、あどけなくなってて可愛い。
腰に乗った斗希くんの腕をそっと下ろし、ゆっくりと起き上がった僕は床に足をついて確かめつつ立ち上がる。軽くよろけたけど、どうにか動けるって分かったから窓に近付きカーテンと窓を開け、洗面所に行き顔を洗ってからお風呂の準備をして次はキッチンへと向かった。
冷蔵庫を覗いて作れる物を確認する。
「肉と野菜と魚⋯うーん⋯斗希くん、何が好きかな」
肉と魚だったら肉の方が好きそうだから⋯⋯うん、トンカツにしよう。
基本多めに作って置いておくようにしてるから、材料も2人分は余裕であるしたぶん満足して貰える量は作れるはず。
足りなかったらまた作ればいいし、作り置きもあるしね。
副菜を考えつつ、鼻歌混じりに調理を進めていると給湯器がお風呂が沸いた事を知らせてくれる。それと同時に人の気配がして後ろからお腹のところに腕が回ってきた。
ビクッとしたら、寝起きの掠れた声に名前を呼ばれる。
「何してんの」
「あ、お、おはよう。夜ご飯作ってる⋯食べるかなって」
「ん。食う」
「ちょうどお風呂も沸いたから、先に入ってもいいよ?」
「一緒に入んねぇの?」
斗希くんが今入ってくれれば裸を見られないで済むと思ったのに、斗希くんは片眉を跳ね上げるとそう聞いてきた。
もしかして、僕の考え見透かされた?
「えっと⋯僕はご飯作ってるから⋯」
「じゃあ俺もあとでいい」
「そ、そっか⋯」
まさかの後回し。どうやら一緒に入る事は確定らしく、僕は内心で息を吐いた。
もう抵抗するのは諦める事にして、油を温めようとコンロの火を点けたんだけど斗希くんはくっついたまま離れようとしない。
「火、危ないよ?」
「んー」
「油使うから、飛んじゃうかも」
「そん時はそん時」
火傷するような飛び方はしないと思うけど、 何を言っても離れなさそうだから慎重に揚げないと。
⋯それにしても、我慢をやめた斗希くんは今までと違い過ぎてなかなか慣れそうにない。
繋がったところが熱くて、斗希くんが触れる場所は電流が走ったみたいにピリッとして、僕の頭の中はもういっぱいいっぱいだった。
「あ、ぁ⋯ときく⋯っ、そこや⋯」
「の割には気持ち良さそうだけど?」
「だ、め⋯っ⋯あ、やぁ⋯も、イく⋯っ」
「イけよ、何回でも」
「あ、や、ん、ん⋯ッ⋯――⋯!」
最初こそ抑えられてた声はもうどうにも出来なくて、斗希くんが見つけてくれた〝イイところ〟ばかりを刺激され僕は何度目かの絶頂を迎えた。
連続でイかされて指1本動かすのも億劫なくらい疲労してるけど、斗希くんは僕が一息ついたあとまた動き始めるから休む暇もない。
ほんの少しでもいいから休憩したくて、僕の腰を掴んでる手を力なく握ったら逆にしっかりと握り返されてしまった。
「⋯っ、斗希、くん⋯⋯も、ちょっと⋯だけ⋯待って⋯」
「無理」
「んん⋯っ」
お願いはすげなく却下され、再び律動が始まる。
敏感な腸壁を太くて硬いもので擦られる感覚はもう気持ち良さしかなくて、鼻にかかったような甘えた声が突かれるたびに部屋に響いた。
角部屋じゃなければ、今頃壁ドンされてたかもしれない。
「ときく⋯⋯斗希くん⋯」
「陽依⋯」
「⋯っあ⋯! やぁ、あ、だめ、それだめ⋯っ」
一応達したばかりだから気を遣ってくれてたのか最初は緩めだったのに、唐突に腰が浮かされ動きが激しくなった。
ベッドが軋んで、繋がった場所から聞こえる粘着質な音がより卑猥なものになる。
もう何が何だか分からない。
目の奥がチカチカと明滅して、ぐっと足先に力が入る。
「ああ、あ、やだ、ぁ、すぐイっちゃ⋯ゃ⋯斗希く⋯っ」
「ん⋯俺も⋯」
「あ、あ、だめ、だめ⋯っ⋯やぁ、あ⋯⋯ッ!」
「⋯っ⋯」
奥を勢い良く何度も突かれて限界を迎えた僕は背をしならせて果てる。そのすぐあとに斗希くんも息を詰めて身体を震わせると、少ししてから僕の中から出て行った。
もう1ミリだって動けない。
「陽依、大丈夫か」
「⋯ん⋯なんとか⋯」
「ちょっと待ってろ」
疲労困憊な僕の頭を撫でてベッドから降りた斗希くんは、下だけを身に着けるとキッチンの方へと歩いていった。
冷蔵庫を開けて飲み物を取って戻ってきたけど、何とも言えない顔をしてて僕は首を傾げる。
「どうかした⋯?」
「いや⋯⋯お前、自炊してんの?」
脈絡のない質問に目を瞬くも、すぐに意味を理解した僕はこくりと頷く。
たぶん、冷蔵庫に作り置きのタッパーがいくつかあるから、それを見て気になったんだろうな。
ペットボトルの蓋を開けつつベッドの端に腰を下ろした斗希くんは「へぇ」と零して水を仰り、そのまま僕へと口付けてきた。冷たい水が流れ込んできたから喉を鳴らして飲むと、斗希くんはもう一度立ち上がり今度は洗面所へと消えて行く。
しばらく棚を開ける音と水の音がして、戻ってきた斗希くんの手には濡れタオルがあり、ほんのり湯気が立ってた。
「風呂は動けるようになってから入るか」
「う、うん⋯⋯え、一緒に?」
「洗ってやるよ」
外は明るいとはいえカーテンは閉じたままだから部屋は薄暗い。でもお風呂は何をどうしても明るくて、こういう関係になったからこそ裸を見られる恥ずかしさから一緒には遠慮したかったんだけど⋯斗希くんは聞いてくれなさそう。
こんな貧相な身体、煌々と照らすライトの下で見られたくないよ。
時計の針の音が妙に響いた気がして不意に目が覚めた。
カーテンの隙間からは夕日が射してて、壁にかかった時計を見たら16時を過ぎたところでいつもなら夕飯の準備に取り掛かってるくらいだ。
お腹は空いてないけど、作れるなら作った方がいいかな。
そう思いながら時計から視線を外し、隣へと移した僕はふっと表情を緩める。
まさか斗希くんの寝顔を見られる日が来るなんて思わなかった。いつもはキリッとしてる眉が下がってて、あどけなくなってて可愛い。
腰に乗った斗希くんの腕をそっと下ろし、ゆっくりと起き上がった僕は床に足をついて確かめつつ立ち上がる。軽くよろけたけど、どうにか動けるって分かったから窓に近付きカーテンと窓を開け、洗面所に行き顔を洗ってからお風呂の準備をして次はキッチンへと向かった。
冷蔵庫を覗いて作れる物を確認する。
「肉と野菜と魚⋯うーん⋯斗希くん、何が好きかな」
肉と魚だったら肉の方が好きそうだから⋯⋯うん、トンカツにしよう。
基本多めに作って置いておくようにしてるから、材料も2人分は余裕であるしたぶん満足して貰える量は作れるはず。
足りなかったらまた作ればいいし、作り置きもあるしね。
副菜を考えつつ、鼻歌混じりに調理を進めていると給湯器がお風呂が沸いた事を知らせてくれる。それと同時に人の気配がして後ろからお腹のところに腕が回ってきた。
ビクッとしたら、寝起きの掠れた声に名前を呼ばれる。
「何してんの」
「あ、お、おはよう。夜ご飯作ってる⋯食べるかなって」
「ん。食う」
「ちょうどお風呂も沸いたから、先に入ってもいいよ?」
「一緒に入んねぇの?」
斗希くんが今入ってくれれば裸を見られないで済むと思ったのに、斗希くんは片眉を跳ね上げるとそう聞いてきた。
もしかして、僕の考え見透かされた?
「えっと⋯僕はご飯作ってるから⋯」
「じゃあ俺もあとでいい」
「そ、そっか⋯」
まさかの後回し。どうやら一緒に入る事は確定らしく、僕は内心で息を吐いた。
もう抵抗するのは諦める事にして、油を温めようとコンロの火を点けたんだけど斗希くんはくっついたまま離れようとしない。
「火、危ないよ?」
「んー」
「油使うから、飛んじゃうかも」
「そん時はそん時」
火傷するような飛び方はしないと思うけど、 何を言っても離れなさそうだから慎重に揚げないと。
⋯それにしても、我慢をやめた斗希くんは今までと違い過ぎてなかなか慣れそうにない。
1,891
あなたにおすすめの小説
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
彼氏の優先順位[本編完結]
セイ
BL
一目惚れした彼に告白されて晴れて恋人になったというのに彼と彼の幼馴染との距離が気になりすぎる!恋人の僕より一緒にいるんじゃない?は…!!もしかして恋人になったのは夢だった?と悩みまくる受けのお話。
メインの青衣×青空の話、幼馴染の茜の話、友人倉橋の数話ずつの短編構成です。それぞれの恋愛をお楽しみください。
アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました
あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」
穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン
攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?
攻め:深海霧矢
受け:清水奏
前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。
ハピエンです。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
自己判断で消しますので、悪しからず。
美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした
亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。
カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。
(悪役モブ♀が出てきます)
(他サイトに2021年〜掲載済)
幼馴染は俺がくっついてるから誰とも付き合えないらしい
中屋沙鳥
BL
井之原朱鷺は幼馴染の北村航平のことを好きだという伊東汐里から「いつも井之原がくっついてたら北村だって誰とも付き合えないじゃん。親友なら考えてあげなよ」と言われて考え込んでしまう。俺は航平の邪魔をしているのか?実は片思いをしているけど航平のためを考えた方が良いのかもしれない。それをきっかけに2人の関係が変化していく…/高校生が順調(?)に愛を深めます
イケメン後輩のスマホを拾ったらロック画が俺でした
天埜鳩愛
BL
☆本編番外編 完結済✨ 感想嬉しいです!
元バスケ部の俺が拾ったスマホのロック画は、ユニフォーム姿の“俺”。
持ち主は、顔面国宝の一年生。
なんで俺の写真? なんでロック画?
問い詰める間もなく「この人が最優先なんで」って宣言されて、女子の悲鳴の中、肩を掴まれて連行された。……俺、ただスマホ届けに来ただけなんだけど。
頼られたら嫌とは言えない南澤燈真は高校二年生。クールなイケメン後輩、北門唯が置き忘れたスマホを手に取ってみると、ロック画が何故か中学時代の燈真だった! 北門はモテ男ゆえに女子からしつこくされ、燈真が助けることに。その日から学年を越え急激に仲良くなる二人。燈真は誰にも言えなかった悩みを北門にだけ打ち明けて……。一途なメロ後輩 × 絆され男前先輩の、救いすくわれ・持ちつ持たれつラブ!
☆ノベマ!の青春BLコンテスト最終選考作品に加筆&新エピソードを加えたアルファポリス版です。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
冷遇された公爵子息に代わって自由に生きる
セイ
BL
良くは思い出せないけれど死んでしまった俺は真っ白な部屋で可愛らしい男の子と出会う。神様の計らいで生まれ変わる俺は同じ様に死んだその男の子の身体へと生まれ変わることになった。しかし、その男の子は家族に冷遇されていた公爵家の息子だったようだ。そんな家族と親しくなれないと思った俺は家を出て自由に生きる決意をする。運命の番と出会い、幸せに生きる男の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる