冷淡彼氏に別れを告げたら溺愛モードに突入しました

ミヅハ

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ご奉仕※

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 あの日以来、人手が足りなくて少し忙しくなりそうだって斗希くんの言葉の通り、ここ数日斗希くんは連日バイトに行ってた。高校生だからそこまで無茶な働かされ方はしないだろうけど、次の日学校なのに寝るのが遅くなるのは心配してる。
 夕飯とか、食べながらウトウトしてる事もあるし。
 ようやく取れた休日である今も気持ちよさそうに寝てて、本当は映画を観に行く約束をしてるもののとてもじゃないけど声をかけられそうにない。
 疲れだって溜まってるだろうし、休んで欲しいからデートはまた今度でもいいかな。
 映画館で観れなくたって、サブスクがあればこの部屋で2人で観られるしね。


 それから家の事をしたり本を読んだりテレビを見たりしながら過ごし、斗希くんが目を覚ましたのは昼もとうに過ぎた頃だった。
 寝惚けてるのか、身体を起こしてもしばらくはぼんやりしてて僕が見てる事にも気付かない。
 二度寝するかもって思ってあえて声をかけずにいたんだけど、首の後ろを掻きながらスマホを見た斗希くんは時間に気付いたのか数秒固まり、低い声で「は?」と零した。
 ちなみに映画は午前最後の部を予約してたから、この時間だととっくに始まってて間に合わない事は確定してる。

「陽依」
「おはよう、斗希くん」
「はよ⋯じゃなくて、何で起こさねぇんだよ」
「ぐっすりだったから忍びなくて」
「映画始まってんじゃねぇか」

 眉を顰めながらベッドから降り、洗面所へと向かう斗希くんを追いかけた僕は顔を洗い始めたその背中に抱き着いた。
 始まってるって分かってるけど、それでも支度しようとしてくれる優しさが嬉しい。

「斗希くん、今日はおうちデートにしよ」
「映画、観たかったんじゃねぇの?」
「斗希くんと行きたかっただけだから、一緒にいられるならどこでもいい」

 近所の公園でも、ただコンビニに行くだけでも、斗希くんが隣にいてくれるならそれだけでデートだって言える。
 そう言って笑うと、斗希くんは思いっきり顔を顰めたあと黙って歯を磨き始めた。
 ここまで深い皺はなかなか見られない。
 その様子をじっと見つつ待ってたら、口を濯いだ斗希くんが抱き着く僕の腕を緩めて反転し、さっきとは打って変わってニヤリと口端を上げて頬を撫でてきた。

「なら、お詫びとして俺が楽しませてやるよ」
「ほんと?」
「ああ」
「やった。あ、でもお腹空いてるよね。先にご飯用意するね」
「ん」

 おうちデートでどんな風に楽しませてくれるのかは分からないけど、もうお昼も過ぎてるしまずは腹拵えだよね。
 僕はパッと手を離すとキッチンへ向かい、斗希くんの昼食を用意し始めた。
 妙に楽しそうな斗希くんには気付けないまま。



「あ、あの⋯斗希くん⋯?」
「んー?」
「なんで服⋯」

 昼食後、片付けを済ませた僕は斗希くんに呼ばれてベッドに上がったんだけど、何故か押し倒されて手際良く下着ごとズボンを脱がされ困惑してた。
 しかも慌ててシャツを引っ張って隠したらそれまで剥かれ、僕は今、ベッドの上で1人裸になってる。
 斗希くんはゴムとローションを脇に置くと、せめてと立てた膝に手を乗せてきた。

「楽しませるっつったろ?」
「た、楽しませるってこういう事⋯?」
な。お前は何も考えなくていい」
「⋯ぁ⋯」

 膝が割り開かれ、半分反応している自身が晒され僕は顔を逸らす。
 何度も身体を重ねてるし、お風呂でだって見られてるけど、こんな改めた状態では殊更に恥ずかしい。

「何だ、ちょっと勃ってんじゃねぇか」
「⋯っ⋯」
「前から思ってたけど、お前薄毛だよな」
「そ、そうかな⋯」
「そうだろ。ここらへんとか、ほとんど生えてねぇし」
「ん⋯っ」

 誰かと比べた事なんてないから分からないけど、確かに斗希くんとは違うかもしれない。
 太ももを手の平で撫で上げられゾクリと震える。

「⋯敏感だな」
「斗希くん⋯」

 敏感じゃなくて斗希くんが触るからなんだけど、それを言う前に斗希くんがふと頭を下げ、あろう事か僕の中心を咥えた。しかも、躊躇いもなく。
 ぎょっとした僕は慌てて斗希くんの頭を押し返そうとする。

「と、斗希く⋯っ、何して⋯!」
「⋯⋯」
「や、ダメって⋯ンッ⋯き、汚い⋯から⋯っ」

 でも肉厚な舌がねっとりと絡みつき、絶妙な力加減で刺激されると力が入らなくて、このままだと斗希くんの髪を掴んでしまいそうだから離したら片方の手が掴まれた。
 指で手首や手の甲を擽られ、それからぎゅっと握られる。

「ん、ん⋯っ」

 空いている手で口元を押さえてると、ぬるりとした感覚が奥の窄まりに触れぐっと中へ入ってきた。
 斗希くんの指って太くて、解れてない時は1本だけでも圧迫感がある。
 わざとらしいくらいゆっくりと中を擦っていた指が、不意に前立腺を押してきて腰が跳ねた。

「ゃ、あ、あ⋯っ」

 前立腺を擦られながら吸われると頭の中が真っ白になる。
 お腹の奥に気持ちいいのが集まって、このままじゃマズイと思った僕は慌てて起き上がり震える手で斗希くんの肩を押した。

「だ、め⋯っ⋯だめ、も、出ちゃう、から⋯離して⋯っ」

 離してくれないと斗希くんの口の中に出してしまう。
 それだけは避けたいのに、斗希くんは離すどころか更に深く咥え込み、指を増やして素早く抜き差しし始めた。
 そんな事されたら抗えるはずもなく、僕はシーツに爪を立てて果てる。
 痙攣が治まった頃にようやく口は離れたけど、指は入ったままで斗希くんが僕の顔を覗き込んできた。

「いい顔」
「斗希、く⋯⋯」
「せっかくだし、して欲しい事あんなら言いな」

 して欲しい事。そう言われて、僕は斗希くんの唇へと視線を向けた。
 さっきまで僕のを咥えてたあの唇。
 手を伸ばし、斗希くんの口元に指を触れさせると、斗希くんは片眉を跳ね上げて頬へと口付けてきた。
 でも、して欲しいのはそこじゃない。

「やだ⋯口がいい」
「なら濯いでくっから待ってろ」
「ううん、いい⋯そのまま⋯」

 腕を斗希くんの腕に回して引き寄せ自分から口付ける。斗希くんはちょっと躊躇いつつも、僕が唇を舐めたら舌を出して触れ合わせてくれた。
 少しだけ苦かったけど、そんなの気にならないくらい斗希くんとのキスは気持ちいい。
 再びゆっくりと動き始めた指に身体を震わせながらも、僕は夢中になって斗希くんの唇を貪ってた。
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