冷淡彼氏に別れを告げたら溺愛モードに突入しました

ミヅハ

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何でも許せる存在(斗希視点)※

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「あぁ、あ、や、またイっ⋯⋯!」

 俺の指を締め付けながら、陽依が4度目の限界を迎えた。
 胸元が激しく上下し、さっきまでシワが寄るくらい強く掴んでいた枕の端を今は緩く握っていて、涙で濡れた閉じないようにか瞬きを繰り返してる。
 その表情にも声にもずっと煽られてるけど、今回は陽依だけを気持ち良くさせてやろうと自分の欲は我慢して、手や口で奉仕してた。
 それもこれも、デートの約束をしてたのに寝坊したから。
 最近は卒業間近でバタついてる陽依に加え、俺も体調を崩して休んでる奴の代わりにシフト入ったりしてるからちょっと忙しかったんだよな。だから次の休みには陽依の行きてぇとこ連れてってやろうと思って、映画観に行く予定立ててたのに。
 しかも陽依もよく寝てたからって起こさねぇし。
 今からでも午後のは見れるだろって準備しようとしたらあんな事言いやがるから、それならってこうしてグズグズにしてんだけど⋯たまんねぇな。
 薄い腹に散った精液を指で軽く広げ、ドロドロになった自身をまた咥えようとしたら弱々しい声で「やだ」って言われた。

「何が」
「⋯も⋯⋯指も⋯口も⋯や⋯っあぁ⋯!」
「何で」

 言葉の途中でわざと前立腺を強めに押すと、陽依は高い声を上げゆるゆると首を振ってもう一度、さっきよりははっきり「やだ」と口にした。

「も⋯お願⋯⋯」
「だから何で」
「⋯い、じわる⋯っ⋯」
「どこが」

 気持ち良くしてるだけなのに何が気に食わねぇのか。
 空いている手で頭を撫でてやると、陽依は手を伸ばして俺の腕に触れ掠れた声でねだってきた。

「⋯⋯斗希くんの⋯欲しい⋯」
「⋯っ⋯」
「⋯お腹の中⋯斗希くんでいっぱいにして⋯」
「お前⋯」

 普段の陽依なら絶対こんな事は言わない。
 もう思考なんて働いてなくて、ただ欲望のままして欲しい事を口にしてんだろうな。だとしたら、応えてやるのが彼氏ってもんだろ。
 息を吐いて指を抜いた俺は、痛いくらいに反り立った自身にゴムを着けヒクつく窄まりへと宛てがった。先を軽く入れただけで誘い込むように収縮し、俺が動かなくてもどんどん飲み込まれていく。

「ん、んん⋯っ」

 散々中を弄り回したおかげでいつもほどのキツさはなく、難なく奥まで届いて軽く揺するとギュッと締まった。
 何回もイってるから相当敏感になってるな。
 様子も見ながらゆっくりと腰を引き、同じくゆっくりと戻す。それを数回繰り返したら陽依が泣きながら首を振ってきた。

「それ、だめ⋯ンッ、ゃ⋯あ、あ⋯」
「さっきから〝やだ〟だの〝駄目〟だの、我儘だな」
「あ、ん、ん⋯っ」
「どうして欲しいんだよ」
「ぁ、あ⋯っ、斗、希く⋯⋯斗希くん⋯っ」

 陽依の顔の横に片手をつき、足を抱えて少し乱暴に突けば声に甘さが増す。
 俺の名前を呼びながら腕を伸ばす姿にどうしようもない愛しさを覚え、身を寄せると縋るように首へと回してきた。
 汗で湿った肌が密着しお互いの熱が上がっていく。
 そういえば、陽依はも好きだったなと思い出し、手を滑らせて乳首を摘めば細い肩がビクリと跳ねた。

「ンッ、あ、ぅ⋯そこ⋯っ」
「好きだろ?」

 陽依は気持ちいいとすぐに後ろが締まるから分かりやすい。
 抽挿を繰り返しながら親指で転がしつつ聞けば、陽依はこくこくと頷いて俺の首筋へと頬を擦り寄せてきた。

「⋯っ、ん⋯す、き⋯⋯気持ちい⋯っ」
「⋯⋯」
「斗希く⋯⋯は⋯?」
「ん?」
「斗希くん、は⋯⋯気持ち、いい⋯?」

 口にはしねぇけど、この世で唯一、俺に可愛いと思わせるのは陽依だけだ。
 そんな陽依からの素直な言葉に顔が険しくなるのを感じつつ、思うがままに動きたいのを堪えてたらトドメのようにそう聞かれてプチンと何かが切れた。
 両手で抱き締め、激しく叩きつけるように腰を振る。

「ひぁ、あ、だめ、や、あ⋯っ」
「当たり前だろ」
「あぁ、あ、だめ、だめ、イく⋯ッ⋯またイっちゃ⋯っ」
「すげぇ気持ちいい」
「やぁ、あ、あ、斗希く⋯っ⋯ぁ、ん、んん⋯――ッ⋯!」
「⋯っ⋯」

 ベッドが壊れんじゃねぇかってくらい軋んで、奥ばっか突き上げ続けたら陽依が俺の背中に爪を立て大きく身体を震わせた。
 その痛みと強い締め付けに俺もゴム中に吐き出し、息を整えてから腕を緩めると陽依は目を閉じていてぐったりとベッドへと沈んみ込んだ。
 しばらくそれを眺めたあと、汗で張り付いた前髪を撫でて避け、額に軽く口付けてから身体を起こした俺はゴムを外して口を括りゴミ箱へと放った。
 濡れた前髪を掻き上げ、下だけ身に着けて洗面所に向かいタオルを湯で濡らす。
 大体終わったあと陽依は動けなくなるし、こういう世話にも慣れたもんだな。

「っつか、がっつき過ぎな、俺」

 前戯が長かったとはいえ気を失わせるとか、どれだけ飢えてんだって話。
 陽依の汗やら出したもんやらを拭いてる間にもムラついたけとどうにか耐え、もろもろを整えて一息ついた俺は軽く食ってから陽依の隣に寝転んだ。
 気遣い魔の陽依は起こさねぇって分かったから、次からは目覚ましかけるか。

「⋯お前なら、何されたって許せんのにな」

 眠い中起こされようが、我儘言おうが、鬱陶しいくらいベタベタしてこようが、他の奴がしようもんなら切れる事も陽依がすんなら笑って受け入れられる。
 そんだけ惚れ込んでるんだが、陽依はまだ分かってねぇんだろうな。
 まぁそれは俺のせいではあるし、そこもおいおいか。

「⋯⋯寝よ」

 時間的にはこれから晩飯に当たるけど、さすがにちょい疲れた。
 最悪夜中に目が覚めたら⋯⋯その時はその時に考えりゃいいだろ。
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