冷淡彼氏に別れを告げたら溺愛モードに突入しました

ミヅハ

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ありがとう※

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「そのまま腰下ろせ⋯ゆっくりでいい」

 低い声に促されるままに動く僕の中に、ゆっくりと斗希くんが飲み込まれていく。
 あのあとキスをしながらズボンが脱がされ、ローションで濡れた斗希くんの指が窄まりへと入ってきて拡げるように抜き差しを始めた。1週間ぶりだから最初こそ苦しさもあったけど、指が増える頃には慣れて、斗希くんにしがみついたまま僕は身体を震わせてた。
 僕ので汚れた服を脱いだ斗希くんは今はズボンの前だけを寛げた姿でいて、斗希くんのお腹に手をついて腰を落とす僕を支えてくれてる。
 太い部分が少しずつ中を拡げながら入ってくるだけでも気持ち良くて、漏れる声を唇を噛んで堪えつつどうにか根元まで収めきるとホッと息を吐いた。

「はいっ⋯た⋯」
「ん」
「⋯動くの⋯ちょっと、待ってね⋯」
「ああ」

 斗希くんの大きな手に頭から頬が撫でられると気持ちが落ち着いていく。
 僕は数回息を吸って吐いてを繰り返したあと、足に力を入れて恐る恐る腰を浮かせてみた。腸壁を擦りながら太い部分が入り口まできて、腰を下ろすとまた奥まで戻っていく。
 いつもは斗希くんが動いてくれるから、自分のペースだとどこか物足りない。

「ん⋯ん⋯」
「⋯⋯」
「ひぁ⋯っ、ゃ、だめ⋯っ」

 それでも腰を上げ下げしてたら、いきなり斗希くんが胸の突起を摘んできた。
 ビクリと首を竦め、思わず動きを止めた僕を緩く突き上げ斗希くんはニヤリと笑う。

「ほら、動けよ」
「あ、ぁ⋯⋯ん、まっ、て⋯」

 そう言われても、斗希くんが揺らしてくるし胸も弄られるから動きたくても動けない。
 斗希くんのお腹についていた手を握り込み、俯いて力なく首を振ったら顎が掬われて上向かされ唇が塞がれた。
 角度を変えて啄まれる間にも下から突かれて、僕は斗希くんの手を両手で掴む。

「は、ぁ⋯僕、が⋯動くって⋯あぅ⋯っ」
「お前の動き方じゃ、いつまで経っても終わんねぇよ」
「やぁ、あ、だめ、奥⋯っ」
「好きだもんな、ここ」

 僕に手を握られたまま斗希くんは突き上げを激しくし、空いている手で首の後ろを押さえ再び口付けてきた。今度は舌が入ってきて、僕の舌を絡め取り強めに吸われる。
 奥も、口の中も、気持ち良すぎて頭が真っ白になり何も考えられない。

「んんっ、ふぁ⋯ん、ん⋯っ」
「⋯⋯は⋯キツ⋯」
「ゃ、ぁ⋯ん⋯ッ⋯だめ、も⋯イっちゃ⋯あ、あ、やぁ⋯っ」
「⋯っ⋯」

 されるがまま追い上げられ限界を迎えた僕は、大きく身体を震わせて達し力なく斗希くんへと寄りかかる。
 荒くなった息を整えるようにゆっくり呼吸してたら、斗希くんの手が頭に乗ってポンポンと軽く叩かれた。汗ばんだ額に唇が触れて僕が握ったままの手が握り返される。

「⋯⋯陽依」
「⋯うん⋯?」
「⋯⋯⋯」

 ぼんやりしてたら名前が呼ばれて返事をしたんだけど、僕と目が合うと斗希くんはどうしてか黙り込んでしまい、不思議に思いつつも待ってたら頭に置かれてた手に力が入って顔が肩に押し付けられる。

「斗希くん⋯?」
「⋯やっぱ何でもねぇ」
「?」

 名前を呼んで何でもないは凄く気になるけど、ダメな事があるなら言ってくれると思うからそれを受け入れ「そっか」と返す。
 しばらくまったりとした時間が流れうとうとし始めた頃、斗希くんが僕の頭に頬を寄せて息を吐きおもむろに身体を起こした。瞬間、中に収まったままの斗希くんの角度が変わり僕は息を飲む。

「あ、だ、だめ⋯っ⋯動かないで⋯!」
「体勢変えただけだろ」
「だって、大きくなってる⋯っ」
「そりゃまぁ⋯入ったまんまだし」
「んん⋯っ」

 とか言いながら僕の腰を押さえて前後に動かすのはわざととしか思えない。
 斗希くんの手を離し背中に回してコアラみたいにしがみついたら、そのまま押し倒されて見下ろされる体勢になった。

「どうする? やめるか、続けるか。お前が選びな」
「⋯⋯⋯」
はヤる気満々みてぇだけど」
「んっ」

 本心では続けて欲しい。でもここでやめておかないと絶対明日には響く。そう悩んでたら、反応して首をもたげた自身が人差し指でつつかれ僕は眉尻を下げた。
 1週間ぶりの斗希くんとの触れ合い⋯うん、やっぱりやめたくない。

「⋯⋯する」
「だよな」

 僕の答えが分かってたのか、斗希くんはそう言って目を細めて笑うと唇を重ねて腰を揺らしてきた。前から思ってたけど、斗希くんもキス好きだよね。
 背をしならせる僕の腰を掴み、容赦なく突いてくる斗希くんの手や腕に爪を立てながら僕はただ声を上げるしか出来なくて、3度目に果てた時には記憶がなかった。
 起きたら綺麗になってた上に着替えてたし、部屋も片付いてたから斗希くんがしてくれたんだろうな。
 そんな斗希くんの腕には僕がつけた引っ掻き傷があって、必死に謝ったら怖い顔されたけど、いくら頭が働いてなかったとはいえ斗希くんに傷をつけるなんて⋯。爪だけは常に短くしておかないと。

「陽依」
「?」
「いつもありがとな」
「え?」

 登校する斗希くんを見送るべく玄関までついて来たら、不意に斗希くんが振り向きそんな事を言う。
 目を瞬く僕の頭を少し強めに撫でてから扉の向こうへと消えていったけど⋯いきなりどうしてお礼なんて?

「⋯⋯あ、行ってらっしゃいって言えなかった」

 あまりにも唐突だったからつい放心してしまった。
 僕はしばらく扉を見つめたあと吐息混じりに笑みを零し、踵を返してリビングへと向かう。
 ありがとうなんて、こっちのセリフだよ。
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