召喚者は一家を支える。

RayRim

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第2部

番外編 〈漆黒風塵〉は支店の表を掃除する

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〈漆黒風塵カトリーナ〉

 今日は朝から営業部総出で死闘が続いている。
 支店の入口周辺は既にロードヒーティングが敷設されており、雪や凍結の心配はない。
 問題は支店の外である。
 郊外にある為、放っておくと支店だけ隔離されて帰宅できなくなる恐れがあった。
 実際、同僚でまだ出勤できていない者もいる。性格的にサボっているわけではないと思いたい。

「ルエーリヴの雪も凄かったですけど、ここはもっと凄いですね…」

 スコップに体を預けてメイプルがぼやく。

「そうですね。北部も雪深いというのは聞いていますが、ここまで酷くはないでしょう。」
「除雪車がないのが致命的ですよねー」
「じょせつしゃ?」
「あー、雪を退かす為の牽引車を想像してください。道路の横に押しやったり、大型なので重量で押し潰したり、まとめて運んだりするんですよ。」
「なるほど?」

 牽引車が浮いてしまっているので上手く想像できないが、浮かずに進むそういうものが召喚者の皆様の世界にはあるのだろう。

「でも、それだと雪も残るので解決しないのでは?」
「そうですねー。なので、どんどん雪を圧縮していくのですよ。暖かくなるか、雪が降らなくなるまで待つんです。
 まあ、本当に酷いところは融雪溝とか、水を流し続ける消雪パイプとかあるのですが…」
「皆様が住んでいたところは本当に整備されていたのですね…」

 全く想像が付かない。
 いや、アクアに町並みを描いてもらった事はあるのだが、とてもそんな仕組みがあるようには思えなかったからだ。
 地域によって違ったりするのだろうか?

「まあ、無い物ねだりしても仕方ありませんよね。体力のある私たちが、いつまでも手を止めていられませんよー」

 そう言うと、再び積もった雪を四角く切って運び始めた。
 魔法はダメだと上司から厳命されているが、肉体労働の方が得意な私には苦ではない。
 ただ、もう少し効率良く出来ないと、無駄な仕事にしか思えないが…

「営業部の皆、朗報だ。生産開発部がロードヒーティングと融雪溝の準備をしている。こちらに優先して回すので、指定した場所を先に綺麗にしてくれ。
 それと、メイプルはいるか?」
「はい、ここに居ります。」

 支店長に名指しされると、指導した通りに名乗り出て一礼する。スコップは横に突き立ててあった。

「英雄殿からのオーダーだ。元気になれる歌を頼む、と。」
「よろしいのですか?」
「ああ、こちらもいっぱいいっぱいだ。何にでもすがれるならすがるさ。」

 苦々しい顔の支店長。ここまでの雪は流石に想定していなかったようである。
 初年度というのは、きっとこういう失敗が付き物なのかもしれない。

「かしこまりました。では、退かした雪でステージを作りたいのですがよろしいのですか?」
「搬入出口からの経路、融雪溝を塞がなければ好きにして良いぞ。」
「ありがとうございます。では、そこをステージにします。広さは…」

 こうして、メイプルの雪上ライブステージと融雪溝を準備する作業が始まった。
 隙在らば歌う機会を用意するのは、メイプルを思ってなのか、旦那様の趣味なのか、後で聞いてみることにしよう。




 メイプルの雪上ライブ、敷地内の湖に繋がる融雪溝のおかげで作業がとてもしやすくなった。
 融雪溝内にも水が流れており、そのままでは湖が溢れるということで、排水路まで整備したそうだ。
 やはり、一人では魔法の力には敵いそうにない。

「カトリーナ、休んで良いぞ。ずっと働き続けてじゃないか。」

 そう言われ、朝から休んでいなかった事を思い出す。

「申し訳ございません。他の方々ほど活躍できていないと思ったらつい…」
「バカを言うな。支店前の道路の雪を、お前一人でほぼ運びきったじゃないか。雪も治まったし、おかげで商品や素材の移動が予定より多く出来る。助かったよ。」
「ありがとうございます。」

 元々、私とメイプルしか道路で作業をしていなかったのだ。邪魔な雪が片付いていくのが気持ち良く、つい夢中になっていたらしい。

「役所に相談して、ロードヒーティングを道路にも敷設しないといかんな…
 流石にここからは生産元との相談になるが…」

 勝手に作って勝手に敷設とはいかないようだ。
 ルエーリヴのロードヒーティングも、一家としては関わっていないという話を聞いた覚えがある。家の方はバニラ様とアズサ様によるものだが…

「なんにせよ助かった。後は他の者に任せたから今日はもう終わりで良いぞ。給金もいつもと同じにするからな。」

 遅れて同僚たちが現れ、驚きの表情を浮かべていた。
 どうやらここで今日の仕事は終わりのようだ。
 持っていたスコップを踏み固めた雪の上に突き刺し、一礼する。

「お気遣い、ありがとうございます。
 それとは別な話になるのですが…」
「最近、うろちょろしている者がいる事だろう?」
「はい。臭いや足跡を消さずに動いておりますので、追跡は容易かと。それに、一家の方でも調査しておりますので。」
「…そうか。終業後にヒガン殿と話し合う事にしよう。
 出店を快く思わない人物が多かったそうだからな。だからこそ、私が支店長に抜擢された。
 荒事が起きる前提の人事は、商人としてどうかと思うがな。」
「いえ、十分に考えられた人事だと思いますよ。支店長は決断も早いし、判断に間違いもありません。そんな上司に仕える事は、メイドとして光栄でございます。」

 一礼すると、豪快に笑う支店長。

「私もこんなメイドらしからぬメイドに誉められて光栄だよ。英雄殿には悪いがな。」
「私の誉れは旦那様の誉れ、旦那様の誉れは私にとっても誉れですので。」
「はあ。羨ましいよ。私にもそんな右腕が欲しい。
 …ぼやくのはここまでにしよう。今日は助かった。メイプルにも伝えてくれ。歌は好みじゃないが、元気付けられたとな。」
「はい。伝えておきます。」

 去り際に一礼すると、私より早くスコップを持って同僚たちに加わり檄を飛ばす。
 あの方は本当にボス気質なのだなと強く思うのだった。

「メイプル、お疲れ様。」
「カトリーナさんもお疲れ様です。
 北の果て程じゃないですが、やはり寒いと楽器が上手く動きませんね…」

 いつも通りにしか聞こえなかったので、そう言われてもとても困る…

「支店長が元気付けられたと言ってましたよ。好みの歌じゃないそうですが。」
「あー、ボスには似合いませんよね。若い女性職員には好評でしたが。」

 それは暗に私と支店長が若くないと言っているように聞こえるが、深くは聞かないでおこう。
 このメイドには、そういう所があるのはよく知っている…

「そうですか。」
「あ、いえ、親分がという話で…」
「そういうことにしておきます。
  旦那様達の所を覗いてみましょうか。」
「…はい。」

 やってしまった、という表情のメイプルを連れて、生産開発部の方へ行こうとすると、表通りの空気がささくれ立つのを感じる。

「どうしました?」
「旦那様に連絡を。賊です。」
「分かりました。」

 一足先に表へ飛び出ると、矢の洗礼を受ける。
 だが、威力も精度もジュリアの物に遠く及ばない。手刀で対処し、足は止めない。

「支店長。」
「済まない。巻き込んだな。」
「旦那様も覚悟の上です。相手は?」
「ここの商人の雇われだろう。人種はバラバラだ。」

 流れ者か。
 私たち一家と、エディアーナ商会が中心に起こした変革の波が、各地に脱落者を生んでいるのは知っている。そして、その者たちの多くが、変革を拒んだ者だという事も。

「ユキ。」
「首謀者の尻尾は掴んでおりやす。暴れちまって構いませんぜ。」
「よろしい。」

 亜空間収納から得物を取り出し構える。
 支店長も両方の腰の剣を抜いて構える。
 私と違い、ちゃんとした片手剣の二刀流のようだ。

【インクリース・オール】【バリア・オール】

 ユキが支援魔法を私たちに掛けて、再び影へと潜った。

「カトリーナ、私は左から、お前は右からだ。」
「そちらの方が数が多いですね?」
「バカ言え、私に屋根の上は対処できないよ。」
「…なるほど。始めましょうか。」
「では、駆逐しろ!」

 親分の号令と共に私は3歩駆けて影に落ちる。

 ライトクラフトを装着してから驚いた顔のユキを通り過ぎ、屋根の上の賊の影から空に落ちながら縦に深く斬り裂いてまず一人。

 体を半回転させてから、ライトクラフトを使って弓手の首元目掛け急降下蹴りをお見舞いし、私諸共屋根から落とす。比較的丈夫なビーストとは言え、この勢いで頭から落ちたのでは助かるまい。

 そのままの勢いで私だけ建物の影へ落ち、もう一人の背後へ移動して背中を一突きし、通りの方へと蹴り落とした。これで高所の弓手はもういない。
 
 親分の方も粗方片付いており、中心人物と思わしき人間に向かっている所だった。
 あれを押さえ、他の戦意を挫くつもりか。それなら…

(戦意が有ろうと無かろうと、動けないようにすれば良い。)

 屋根から飛び降り、ライトクラフトで加速してから、一人の背中に刃を突き立てながら着地する。

 踏み潰している事など構わずに地を蹴り、防御体勢を取った次の両腕を斬り飛ばしてから、片足も切り落とした。

 魔法を察知したので大きく横に移動してから左手の得物を投射、腹に刺さって怯むフード被った魔導師。その隙を逃さずに首を切り落とす。
 フードのおかげで首が飛ばず、余計な手間が省けた。

「残りはそれだけです!」 

 親分にそう告げると、返事の代わりに強く地を蹴り、逃げていたヤツの両肩に剣を突き立て、押し倒してから切断した。

「手伝いは不要だったな。」

 飛んでやって来た旦那様が、ライトクラフトを調整して降下しながら言う。
 ソニア様とリリ様も遅れてやって来ると、怪我をしていた同僚達の治療を始めた。

「縄をくれ。こいつを連れていく。」
「ポーションで血を止めてやれ。5分と持たないぞ。」
「おう、済まない。」

 親分が旦那様の投げ渡したポーションを受け取り、リーダー格の男に掛けると腕が切断されたまま傷が塞がる。これで再起不能確定だ。

【チェーンバインド・アース】

 旦那様の魔法でボックスから伸びた岩の鎖が首と胴に巻き付き、抵抗できなくなる。

「今はこれで我慢して欲しい。」
「いや、まあ、良いが…」

 皆様のこの魔法への評価が低いのは知っているが、それを理解していないと旦那様の言葉の意味が伝わらない気がした。

「死体は全部片付けて、綺麗にしておいたよ。
 屋根の上2、通りに9、そして、これの12人かな。生き残りは2だね。
 流石、お母さん、としか言えない動きだった。私も頑張ろう…」
「あのライトクラフトの使い方は、オレは怖くて真似出来ないぞ。外れたら足が折れるだろう…?」
「はずさなければ良いんだよ。」
「お、おう…」

 指を折りながら報告するハルカ様と、感想を述べる旦那様。遥香様にそんな事を言われたら、顔が綻んでしまうではないか。

「裏に一人蹴り落としたのですが…」
「雪がへこんでる跡だけで、誰もいなかったよ…」

 深い雪が衝撃を吸収して助かったというのか…
 誤算に思わず頭を押さえた。

「ユキが追ってるようだ。後は任せよう。」
「はい…」
「それより…」

 旦那様が私と親分に、洗浄と浄化を掛ける。
 気を付けてはいたが、返り血を浴びていたようだ。

「申し訳ございません。」
「この程度の事しか出来なくてすまんな。」

 悲痛な表情の旦那様に手を握られ、思わず短刀を落としそうになる。

「い、いえ、私としてはちょうど良い訓練でした。最近は、体を存分に動かせておりませんでしたので…」
「そうか?汚れ仕事を任せて悪い…」
「旦那様…」

 綺麗にしていただいた得物を片付け、旦那様の温かい両手を握り返した。

「オホン。そう言うのは家に帰ってからにして欲しい。
 こいつから聞けるだけの事は聞いておくぞ。」

 布を口に噛まされたリーダー格の頭を剣の柄で容赦なく突くおやぶ…支店長。

「今月は業務外の報酬が多くなりそうで、人経部からの苦情処理に苦労しそうだよ。」

 苦笑いを浮かべる支店長だが、大して気にしていないように思えた。
 血に染まった通りはいつの間にか元の銀世界に戻っており、戦闘の痕跡は跡形もなく消えている。
 同僚達に感激半分、畏れ半分といった様子で感謝されながら、支店へと戻る私たち。怖がられるのは仕方ないし、慣れている。
 一家の皆様からの温かい言葉があれば、それで私は十分だ。

 こうして、セントラル・フォートレスの郊外で起きた襲撃事件は、近隣住民以外に知られることなく幕を下ろした。

 後にこの事件は『跳び跳ねる黒い影事件』と呼ばれ、この都市の怪奇事件として語り継がれるのだが、それは私の預かり知らぬ事である…
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