6 / 66
第6話
しおりを挟む
瑞稀が部屋に戻ろうとするのを見て、私は少しだけ罪悪感を感じた。
やりすぎちゃったかな。
一緒に食べるの忘れてた私も悪いか…
今からでも引き止めて…
いやいや。
なんか、そんなことしたら、私がどうしても一緒に食べたいみたいで小っ恥ずかしい。
ドアが閉まる音を聞いて、私は一人で部屋に戻った。
「あちゃ、二枚焼いちゃった…」
いつもの癖で、つい食パンを二枚焼いてしまった。
テーブルの上には、瑞稀の分の朝ごはんが並んでいる。
ダイエットしようと思ってたのに、仕方ない。
心の中でため息をつきながら、椅子に座った。
数分後、ドアがノックされた。
驚いてドアを開けると、そこには瑞稀が立っていた。
「なんだよ、まだ怒ってんのか?」
私は少しだけ眉をひそめた。
「別に怒ってないけど…」
瑞稀は一瞬だけ微笑んだように見えたが、すぐに元の顔に戻った。
「実はさ、さっきコンビニ行ったら、俺の好きなパンが売り切れてたんだよ。だから、仕方なく戻ってきた」
その言葉に、私は思わず笑ってしまった。
私がどうしても朝早くに会社に行かないといけなくて、朝ごはんを食べれない時はプロテインで乗り切ってるって言ってたくせに。
瑞稀の一芝居が、私の心を和ませた。
意地を張っていた自分が馬鹿らしく思えた。
「ほんっと仕方ない奴なんだから」
「まあ、そういうことだから、一緒に食べようぜ」
「今日だけ特別だからね。入って」
瑞稀は嬉しそうに部屋に入ってきて、テーブルに座った。
私も向かいに座り、二人で朝ごはんを食べ始めた。
「てかなんで二人分?」
瑞稀がテーブルの上の食事を見て、疑問を投げかけてきた。
「いつもの癖で二枚焼いちゃったの」
私は少し照れくさくなりながら答えた。
瑞稀は
「へー」
なんて言いながら、なんかニマニマしてくる。
「何よその顔」
「別に?」
その表情に少しイラっとする。
「明後日から会社だ…」
ため息をつきながら、仕事のことを考えると憂鬱になる。
お金のために働いてるけど、正直それだけなんだよね。
別に自分の好きなことを職業にしたわけでもないし。やりがいも全く感じてない。
「は?今日まだ土曜だぞ?」
瑞稀の言葉に、私はさらにため息をつく。
「土曜日でも出勤への負のタイムは始まってるの」 「なんだそれ」
出勤の恐ろしさを知らないなんて…
「瑞稀はいいよね」
「なにが」
「出勤しなくていいから」
私も毎日家で仕事したい。
「出勤してないだけで俺も仕事してる」
んな事は分かってんのよ。
「別に誰もヒキニートなんて言ってないし」
瑞稀はいいよねぇ。
自分のしたいことを仕事にして頑張ってるんだもん。頑張れてるんだもん。
やりすぎちゃったかな。
一緒に食べるの忘れてた私も悪いか…
今からでも引き止めて…
いやいや。
なんか、そんなことしたら、私がどうしても一緒に食べたいみたいで小っ恥ずかしい。
ドアが閉まる音を聞いて、私は一人で部屋に戻った。
「あちゃ、二枚焼いちゃった…」
いつもの癖で、つい食パンを二枚焼いてしまった。
テーブルの上には、瑞稀の分の朝ごはんが並んでいる。
ダイエットしようと思ってたのに、仕方ない。
心の中でため息をつきながら、椅子に座った。
数分後、ドアがノックされた。
驚いてドアを開けると、そこには瑞稀が立っていた。
「なんだよ、まだ怒ってんのか?」
私は少しだけ眉をひそめた。
「別に怒ってないけど…」
瑞稀は一瞬だけ微笑んだように見えたが、すぐに元の顔に戻った。
「実はさ、さっきコンビニ行ったら、俺の好きなパンが売り切れてたんだよ。だから、仕方なく戻ってきた」
その言葉に、私は思わず笑ってしまった。
私がどうしても朝早くに会社に行かないといけなくて、朝ごはんを食べれない時はプロテインで乗り切ってるって言ってたくせに。
瑞稀の一芝居が、私の心を和ませた。
意地を張っていた自分が馬鹿らしく思えた。
「ほんっと仕方ない奴なんだから」
「まあ、そういうことだから、一緒に食べようぜ」
「今日だけ特別だからね。入って」
瑞稀は嬉しそうに部屋に入ってきて、テーブルに座った。
私も向かいに座り、二人で朝ごはんを食べ始めた。
「てかなんで二人分?」
瑞稀がテーブルの上の食事を見て、疑問を投げかけてきた。
「いつもの癖で二枚焼いちゃったの」
私は少し照れくさくなりながら答えた。
瑞稀は
「へー」
なんて言いながら、なんかニマニマしてくる。
「何よその顔」
「別に?」
その表情に少しイラっとする。
「明後日から会社だ…」
ため息をつきながら、仕事のことを考えると憂鬱になる。
お金のために働いてるけど、正直それだけなんだよね。
別に自分の好きなことを職業にしたわけでもないし。やりがいも全く感じてない。
「は?今日まだ土曜だぞ?」
瑞稀の言葉に、私はさらにため息をつく。
「土曜日でも出勤への負のタイムは始まってるの」 「なんだそれ」
出勤の恐ろしさを知らないなんて…
「瑞稀はいいよね」
「なにが」
「出勤しなくていいから」
私も毎日家で仕事したい。
「出勤してないだけで俺も仕事してる」
んな事は分かってんのよ。
「別に誰もヒキニートなんて言ってないし」
瑞稀はいいよねぇ。
自分のしたいことを仕事にして頑張ってるんだもん。頑張れてるんだもん。
0
あなたにおすすめの小説
友達婚~5年もあいつに片想い~
日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は
同僚の大樹に5年も片想いしている
5年前にした
「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」
梨衣は今30歳
その約束を大樹は覚えているのか
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
離した手の温もり
橘 凛子
恋愛
3年前、未来を誓った君を置いて、私は夢を追いかけた。キャリアを優先した私に、君と会う資格なんてないのかもしれない。それでも、あの日の選択をずっと後悔している。そして今、私はあの場所へ帰ってきた。もう一度、君に会いたい。ただ、ごめんなさいと伝えたい。それだけでいい。それ以上の願いは、もう抱けないから。
【短編】ちゃんと好きになる前に、終わっただけ
月下花音
恋愛
曖昧な関係を続けていたユウトとの恋は、彼のインスタ投稿によって一方的に終わりを告げた。
泣くのも違う。怒るのも違う。
ただ静かに消えよう。
そう決意してトーク履歴を消そうとした瞬間、指が滑った。
画面に表示されたのは、間の抜けたクマのスタンプ。
相手に気付かれた? 見られた?
「未練ある」って思われる!?
恐怖でブロックボタンを連打した夜。
カモメのフンより、失恋より、最後の誤爆が一番のトラウマになった女子大生の叫び。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
私の大好きな彼氏はみんなに優しい
hayama_25
恋愛
柊先輩は私の自慢の彼氏だ。
柊先輩の好きなところは、誰にでも優しく出来るところ。
そして…
柊先輩の嫌いなところは、誰にでも優しくするところ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる