運命の糸の先に

hayama_25

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第14話

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「梨華さん、田中さんって知ってる?」
「はい。田中さんがどうしたんですか?」

「別れた彼女の家に毎日待ち伏せしてるんだって、」
「え、そうなんですか…?」

私にはそんな風には見えないけど…人は見かけによらないって言うし、

「だから梨華さんもあんまり近づかない方がいいよ。因縁つけられて家の前待ち伏せされちゃわないようにね」

「分かりました、ありがとうございます」

こんな大事な会話を忘れてしまっていたなんて。

覚えていたら、なんて今さら手遅れだけど。

あの日からターゲットはいつの間にか元カノから私に変わっていたんだ…そんな事も知らずに…。

この人の事だから、元カノ…かどうかも怪しいけど。
 


「田中さんと付き合わなくても後悔なんてしませんから」

私は強い口調で言い放った。

「社内恋愛が嫌なの?そ、それじゃあ俺は転職するから、」

私が田中さんのことを好きって本気で思い込んでるんだ。

「関係ありませんよ」
「じゃあどうすれば...!」

大物になろうが金持ちなろうが、

あんたがどれだけ努力しようが私の気持ちは変わらない。


「はぁ。いい加減にしてください、警察呼びますよ」

これ以上相手をしたくなかったから、最終手段に出ることにした。

彼の顔が一瞬驚きに変わった。  

警察という言葉が効いたのかもしれない。

「警察?なんでだよ。なんで好きな子に会いに来らダメなんだよ!」

いや、何それ。犯罪者の考え方じゃん。

効果今一つかよ。

「ダメに決まってるじゃないですか」
どうしよう。まともに話せる相手じゃないんだけど。

「何やってんの」

振り向くと、そこには瑞稀が立っていた。

「瑞稀...」
「な、なんだよお前..、梨華ちゃんのなんなんだよ!」

瑞稀にとって私は…

「あ?俺は梨華の」

瑞稀が何を言おうとしているのか分からなかった。

「そうだよ...」
「は?」

「ただの幼なじみなんでしょ?じゃあ、私の事なんてほっといてよ」

助けてくれるのはありがたいけど、まだ仲直りしてないし、助けてもらうつもりはない。

ただの幼なじみなんだから。

「ふっ。幼なじみかなんだか知らないけど、これから俺は梨華ちゃんの彼氏になるところなんだよ!だから邪魔するな」

調子に乗るな。誰があんたなんかと付き合うのよ。心の中で怒りが沸き上がる。

「こいつのこと好きなのか?」

私は俯いて答えなかった。

答える必要なんてない。

「答えて」
「別に、瑞稀には関係ないでしょ」

ただの幼なじみなんだから。

「そんなこと言ってると、こいつに何されても助けてやらないぞ」

別に、助けて欲しいなんて言ってないし。

「ほっといて」

瑞稀の顔が険しくなった。

「あっそ、邪魔して悪かったな」


はぁ。

なんでこうなっちゃうんだろう。
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