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001 テルビスからの訪問者
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「エレンデール王が退位?まだお若い王じゃなかった?」
私は驚いた。今ちょうど、エレンデールの事を考えていたら、同僚のマイティがエレンデールの噂話をするのだから。
「そうよ。ロッドランド卿はエレンデールの人だったわよね。デリスは聞いてないの?」
「……知らない」
「へえー、仲良かったのに。手紙は来ないの?」
「……ない」
あれから、ティモシーは連絡をくれない。この国には留学と称して、ほとんど遊びに来ているようなものだった。でも、大陸でも名の通ったS級魔導士のティモシーは、私やテルビスの魔法技術学院に大きな影響を残して、突然、エレンデールに帰って行った。
(お坊ちゃまらしいから、そういつまでも他所の国にいる訳にもいかないでしょうけど、連絡くらいくれたって……)
「ねえ、ねえ。デリス、行ってみたら?」
「え?」
「ロッドランド卿も、いつでも遊びにおいでって、言ってたじゃない。貴族のお邸なら泊めてくれるかも。ねえ、私も行きたい。エレンデールの魔塔に行きたい。ロッドランド卿に聞いてみてよ!」
そんな事思いも付かなかった。またそのうちふらりと、テルビスに来て、おどけて「久しぶり」なんて、言うような気がしていたのだ。でも、手紙すら来ない。もう私の事なんて忘れてしまったかのように。
こちらから手紙を出すのは、ちょっと怖い。この子誰だっけ?なんて思われたら……。
「ねえ、デリス!行こうよ!絶対、ロッドランド卿なら親切に迎えてくれるって」
(そうだろうか……)
もう、忘れられているのを覚悟して手紙を送ったが、予想外にすぐに返事が来た。
『何にも心配しないでいつでもおいで。ロッドランドの邸でよかったら、気が済むまでいてくれて構わない』
私は手紙を抱きしめて、小躍りした。
(良かった!忘れられてない!)
私はマイティと長い休暇を取って、エレンデールへの旅に出た。
エレンデールはテルビスより、魔法文化が進んでいてテルビスでは見かけないようなものが沢山ある。テルビスの国境からは、陸路で列車の旅を選んだ。列車の安定した動力出力は驚くものがあった。途中の動力調整もなく、ノンストップでエレンデールの王都に着いた。
「デリス様とマイティ様でいらっしゃいますか?」
列車を下りると、高級使用人らしき人が声をかけてきた。どうして分かったんだろう?テルビスの田舎っぽい雰囲気が出ているのかと、服装が気になってしまった。
「ティモシー様からお迎えに上がるように言われております。ロッドランド家まで馬車をご用意しました」
(馬車!乗合じゃない、貴族の馬車!)
私とマイティはテルビスの平民だ。馬車と言えば乗合なので、二人して一瞬で舞い上がった。
それから使用人さんが丁重に馬車に案内してくれて、三人で馬車に乗り込むと、これがまた豪華で驚いた。富豪の伯爵家だと噂に聞いたけど、本当だったんだ。
(別に、疑っていたわけじゃないけど……)
ああ、これが貴族の邸なんだと引いてしまうような広さのお邸で、門から玄関まで十分以上もかかった。
玄関に到着すると、家令のゴールドマンさんが、部屋に案内してくれた。私とマイティなんて同じ部屋でいいのに、別々の部屋を用意してくれた。
「ティモシー様は、今フォースリア家にいらっしゃいますので、明日ご挨拶に見えるそうです。本日はごゆっくりお過ごし下さい。夕食のご用意が出来ましたら、お知らせに参ります」
フォースリア家というのは初めて聞いた。他所のお家に遊びに行っているのだろうか?今日会えると思って、ちょっとだけ緊張してたので、少し拍子抜けしてしまった。
「デリス、びっくりだね。ロッドランド卿って本当に貴族だったんだ」
「うん。貴族のお邸なんて、初めて泊まる」
「多分、私たち、一生泊まる事はないと思うわ。見て、このベッド!ふかふかだよー?」
その日は夕食の豪華さに圧倒され、お風呂のお湯の蛇口の魔晶石に目を見張り、ふかふかのベッドに沈むように爆睡した。
翌日は、朝食だと言って、使用人さんに連れられて夕食とは違う場所に通された。半分屋外に面したテラスのような場所にテーブルが用意されていた。明るい陽射しとお庭の花が良く見える場所で、何だか夢みたいだな、と思ってしまった。
「お早う。お嬢さんたち」
懐かしいティモシーの声!一年と半年くらいしか経っていないのに、随分久ぶりに聞くような気がする。
(そうそう。このちょっとおどけた明るい声!)
久しぶりに見るティモシーは、ゆったりとした部屋着を着て、テーブルの脇のカウチでお茶を飲んでいた。美し過ぎて眩暈がしそうだ。
「……久しぶり!でも、手紙もくれないから、もう私たちの事なんて忘れたかと思ってたわ」
(ああ、久しぶりに会ったのに、こんな可愛くない事言いたくないのに!)
「ごめん。連絡しなかったのは、色々国内で事情があってね……」
ティモシーが申し訳なさそうに言う。
「ロッドランド卿は、今朝お帰りになったんですか?」
「昨晩遅くにね。迎えに行きたかったんだけど、悪かったね。二人とも、ようこそ、エレンデールへ」
「こんな素敵なお邸に留めて貰えるなんて、思ってませんでしたよ。本当にロッドランド卿は、貴族の貴公子だったんですね」
「そうさ。何度も言ったのに、信じてなかったの?」
「だって、テルビスには貴族なんていないから……現実味がないんですよ」
「ふふ。そうかもね。今、両親と兄は領地に行ってるから、この邸には誰もいないんだ。ゆっくりしていって」
「ティモシーはここにいないの?」
私はティモシーがここに住んでいないような気がして聞いてみた。
「ああ、言ってなかったよね。遠縁のフォースリア公爵家の養子になったんだ。この家にも部屋は残してあるけど、今はフォースリア家の仕事も色々あってね。あちらが本宅みたいになってるんだ」
「え?ロッドランド卿は、公爵様になるの?」
「はは。それは分からない。公子も公爵令嬢もいるからね。でも公爵様が宰相になったので、公爵家の仕事を引き継ぐ人間が必要になったんだよ」
「だから、急に帰ったの?」
「うん、国内に問題が色々あってね」
何だか、ティモシーがちょっと偉くて遠い人になってしまったような不安感がある。伯爵家だって、私たちにとってはドキドキなのに、公爵家なんてどんなに凄いんだろう。
「でも、暫くは休みを取ったから、朝食後は行きたい所があったら案内するよ!」
「じゃあ、宮殿!」
私とマイティは声を揃えて言った。だって、普通の女の子にとって、お城は夢の場所だから。王子様やお姫様がいる場所なんて、興奮する。テルビスは共和国で、元首はいるけど王室はないから、エレンデールには憧れがある。
「ふふ。いいよ。見学出来る場所は限られてるけど、庭園がきれいでね。庭でお茶を用意して貰う事も出来るから、案内しようか」
「わーい」
私たちは子供みたいに喜んだ!
(ティモシーとお城に行ける!)
私は驚いた。今ちょうど、エレンデールの事を考えていたら、同僚のマイティがエレンデールの噂話をするのだから。
「そうよ。ロッドランド卿はエレンデールの人だったわよね。デリスは聞いてないの?」
「……知らない」
「へえー、仲良かったのに。手紙は来ないの?」
「……ない」
あれから、ティモシーは連絡をくれない。この国には留学と称して、ほとんど遊びに来ているようなものだった。でも、大陸でも名の通ったS級魔導士のティモシーは、私やテルビスの魔法技術学院に大きな影響を残して、突然、エレンデールに帰って行った。
(お坊ちゃまらしいから、そういつまでも他所の国にいる訳にもいかないでしょうけど、連絡くらいくれたって……)
「ねえ、ねえ。デリス、行ってみたら?」
「え?」
「ロッドランド卿も、いつでも遊びにおいでって、言ってたじゃない。貴族のお邸なら泊めてくれるかも。ねえ、私も行きたい。エレンデールの魔塔に行きたい。ロッドランド卿に聞いてみてよ!」
そんな事思いも付かなかった。またそのうちふらりと、テルビスに来て、おどけて「久しぶり」なんて、言うような気がしていたのだ。でも、手紙すら来ない。もう私の事なんて忘れてしまったかのように。
こちらから手紙を出すのは、ちょっと怖い。この子誰だっけ?なんて思われたら……。
「ねえ、デリス!行こうよ!絶対、ロッドランド卿なら親切に迎えてくれるって」
(そうだろうか……)
もう、忘れられているのを覚悟して手紙を送ったが、予想外にすぐに返事が来た。
『何にも心配しないでいつでもおいで。ロッドランドの邸でよかったら、気が済むまでいてくれて構わない』
私は手紙を抱きしめて、小躍りした。
(良かった!忘れられてない!)
私はマイティと長い休暇を取って、エレンデールへの旅に出た。
エレンデールはテルビスより、魔法文化が進んでいてテルビスでは見かけないようなものが沢山ある。テルビスの国境からは、陸路で列車の旅を選んだ。列車の安定した動力出力は驚くものがあった。途中の動力調整もなく、ノンストップでエレンデールの王都に着いた。
「デリス様とマイティ様でいらっしゃいますか?」
列車を下りると、高級使用人らしき人が声をかけてきた。どうして分かったんだろう?テルビスの田舎っぽい雰囲気が出ているのかと、服装が気になってしまった。
「ティモシー様からお迎えに上がるように言われております。ロッドランド家まで馬車をご用意しました」
(馬車!乗合じゃない、貴族の馬車!)
私とマイティはテルビスの平民だ。馬車と言えば乗合なので、二人して一瞬で舞い上がった。
それから使用人さんが丁重に馬車に案内してくれて、三人で馬車に乗り込むと、これがまた豪華で驚いた。富豪の伯爵家だと噂に聞いたけど、本当だったんだ。
(別に、疑っていたわけじゃないけど……)
ああ、これが貴族の邸なんだと引いてしまうような広さのお邸で、門から玄関まで十分以上もかかった。
玄関に到着すると、家令のゴールドマンさんが、部屋に案内してくれた。私とマイティなんて同じ部屋でいいのに、別々の部屋を用意してくれた。
「ティモシー様は、今フォースリア家にいらっしゃいますので、明日ご挨拶に見えるそうです。本日はごゆっくりお過ごし下さい。夕食のご用意が出来ましたら、お知らせに参ります」
フォースリア家というのは初めて聞いた。他所のお家に遊びに行っているのだろうか?今日会えると思って、ちょっとだけ緊張してたので、少し拍子抜けしてしまった。
「デリス、びっくりだね。ロッドランド卿って本当に貴族だったんだ」
「うん。貴族のお邸なんて、初めて泊まる」
「多分、私たち、一生泊まる事はないと思うわ。見て、このベッド!ふかふかだよー?」
その日は夕食の豪華さに圧倒され、お風呂のお湯の蛇口の魔晶石に目を見張り、ふかふかのベッドに沈むように爆睡した。
翌日は、朝食だと言って、使用人さんに連れられて夕食とは違う場所に通された。半分屋外に面したテラスのような場所にテーブルが用意されていた。明るい陽射しとお庭の花が良く見える場所で、何だか夢みたいだな、と思ってしまった。
「お早う。お嬢さんたち」
懐かしいティモシーの声!一年と半年くらいしか経っていないのに、随分久ぶりに聞くような気がする。
(そうそう。このちょっとおどけた明るい声!)
久しぶりに見るティモシーは、ゆったりとした部屋着を着て、テーブルの脇のカウチでお茶を飲んでいた。美し過ぎて眩暈がしそうだ。
「……久しぶり!でも、手紙もくれないから、もう私たちの事なんて忘れたかと思ってたわ」
(ああ、久しぶりに会ったのに、こんな可愛くない事言いたくないのに!)
「ごめん。連絡しなかったのは、色々国内で事情があってね……」
ティモシーが申し訳なさそうに言う。
「ロッドランド卿は、今朝お帰りになったんですか?」
「昨晩遅くにね。迎えに行きたかったんだけど、悪かったね。二人とも、ようこそ、エレンデールへ」
「こんな素敵なお邸に留めて貰えるなんて、思ってませんでしたよ。本当にロッドランド卿は、貴族の貴公子だったんですね」
「そうさ。何度も言ったのに、信じてなかったの?」
「だって、テルビスには貴族なんていないから……現実味がないんですよ」
「ふふ。そうかもね。今、両親と兄は領地に行ってるから、この邸には誰もいないんだ。ゆっくりしていって」
「ティモシーはここにいないの?」
私はティモシーがここに住んでいないような気がして聞いてみた。
「ああ、言ってなかったよね。遠縁のフォースリア公爵家の養子になったんだ。この家にも部屋は残してあるけど、今はフォースリア家の仕事も色々あってね。あちらが本宅みたいになってるんだ」
「え?ロッドランド卿は、公爵様になるの?」
「はは。それは分からない。公子も公爵令嬢もいるからね。でも公爵様が宰相になったので、公爵家の仕事を引き継ぐ人間が必要になったんだよ」
「だから、急に帰ったの?」
「うん、国内に問題が色々あってね」
何だか、ティモシーがちょっと偉くて遠い人になってしまったような不安感がある。伯爵家だって、私たちにとってはドキドキなのに、公爵家なんてどんなに凄いんだろう。
「でも、暫くは休みを取ったから、朝食後は行きたい所があったら案内するよ!」
「じゃあ、宮殿!」
私とマイティは声を揃えて言った。だって、普通の女の子にとって、お城は夢の場所だから。王子様やお姫様がいる場所なんて、興奮する。テルビスは共和国で、元首はいるけど王室はないから、エレンデールには憧れがある。
「ふふ。いいよ。見学出来る場所は限られてるけど、庭園がきれいでね。庭でお茶を用意して貰う事も出来るから、案内しようか」
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