62 / 875
第二話 狂犬の戦士たち
30
しおりを挟む
ヴァスティナ帝国城門前。
戦いを終えた宗一は、自らの帰るべき場所へと戻ってきていた。無論、リリカを筆頭に、レイナとクリス、ヘルベルト率いる鉄血部隊も連れてである。
「どうだお前たち。俺の言った通り、最高の戦いだっただろ?」
「こんなやばい戦いをしたのは初めてですぜ隊長!六十対一万とか絶望的もいいとこだ」
「そりゃあそうだろう。戦争中毒のお前たちには、これぐらいの刺激が必要だと思ってな」
「最高でしたぜ。俺もこいつらもあんたのイカレ具合に惚れちまった。隊長のもとで、これからも戦わせてもらいますよ」
これまでにない戦闘を楽しんだ鉄血部隊の面々は、ヘルベルトを筆頭に、全員が宗一を隊長として、これから先も付いて行くことを決めたのだ。
それが嬉しくて仕方がない宗一が、今度はレイナとクリスを見まわす。
「リック様、私は・・・・・・。生きる意味も価値もありません。破廉恥剣士の言う通り、中途半端な女です」
「・・・・・・・・」
「生きる意味を見失い始めた私の前に、あなたは現れた。そして、私を叩き伏せ、鉄血部隊を我が物とし、敗北しかないように思えた此度の戦いを、あなたは勝利に導きました」
「槍女、なにが言いたいんだよ?」
「私に生きる意味をください、リック様」
彼女は、自分の力と技を証明したいと言った。しかし、己の限界を知ってしまった彼女には、それができない。
そう思っていたのだが、目の前のこの男は、限界や不可能など知らないとでも言うように、勝利を重ね続けた。そんな彼に付いて行けば、己の限界を越えられるのではと考えたのだ。
「生きる意味はやる。ただし、俺がお前に与えてやれるのは戦いだけだ」
「・・・・・・」
「お前の望みは戦いの中で叶えろ。大丈夫、レイナなら最強の槍士になれるさ。そして証明するんだ。俺が美しいと思ったお前を否定する糞な奴らにな」
「リッ、リック様!?私は美しくなど--------」
「お前は綺麗だよ。だから、俺に絶対の忠誠を誓え!俺はお前が欲しい!」
宗一の言葉に覚悟を決めたレイナ。生きる意味を与えられた槍士は、その場に膝をつき、絶対の忠誠を誓う。
少女が膝をついて忠誠を誓う様に、少々驚いた宗一であったが、すぐにその顔は嬉しさに染まる。
「レイナ・ミカズキ。御身に生涯忠誠を誓います」
「ありがとうレイナ」
残る一人は、大陸最強の剣士を目指す青年一人。
「俺も忠誠を誓うぜ。・・・・・・お前に惚れたからな、愛してる」
「・・・・・・・・・・・・・はっ?」
「だから惚れたんだって。愛してるぜリック」
「ちょっ、俺に同性愛の趣味ないから!冗談だろ?!」
「冗談じゃねぇよ。これからよろしくな、リック」
「ふふふふっ、よかったねリック。男に惚れられて」
宗一を含め、周りが唖然とする。リリカだけは何故か爆笑しているが・・・・・・。
そうこうしていると城門が開き、中からは、銀髪褐色肌の女性と騎士団が、宗一たちを出迎えた。久しぶりに憧れの女性に再会して、胸が高鳴るのを抑えられない。
ヴァスティナ帝国騎士団長メシア。戦場では軍神と呼ばれている、帝国最強の女性だ。
再会の嬉しさに、駆け足でメシアへと近付く宗一。話しかけようと口を開いた瞬間、彼女は宗一へと腕を回して、優しく抱きしめた。
「メシア団長・・・・・?!」
「待っていたぞリック、オーデル軍を倒したのはお前だな。必ず来ると信じていた」
またも突然のことに、唖然とする周りの面々。リリカだけは、その光景に嫉妬する様な目を向ける。
メシアの温もりに包まれた宗一は、恥ずかしさと緊張で、完全に固まってしまっていた。
「女王陛下がお待ちだ。付いて来い、リック」
その言葉に正気を取り戻し、美しく儚い、女王の顔を思い出す。彼女にも再び会うことができるのだ。
宗一の生きる意味。そして、どうしようもなく惚れこんだ存在。
(ユリーシア陛下・・・・・。俺は、貴女のための力を集めてきました)
戦いを終えた宗一は、自らの帰るべき場所へと戻ってきていた。無論、リリカを筆頭に、レイナとクリス、ヘルベルト率いる鉄血部隊も連れてである。
「どうだお前たち。俺の言った通り、最高の戦いだっただろ?」
「こんなやばい戦いをしたのは初めてですぜ隊長!六十対一万とか絶望的もいいとこだ」
「そりゃあそうだろう。戦争中毒のお前たちには、これぐらいの刺激が必要だと思ってな」
「最高でしたぜ。俺もこいつらもあんたのイカレ具合に惚れちまった。隊長のもとで、これからも戦わせてもらいますよ」
これまでにない戦闘を楽しんだ鉄血部隊の面々は、ヘルベルトを筆頭に、全員が宗一を隊長として、これから先も付いて行くことを決めたのだ。
それが嬉しくて仕方がない宗一が、今度はレイナとクリスを見まわす。
「リック様、私は・・・・・・。生きる意味も価値もありません。破廉恥剣士の言う通り、中途半端な女です」
「・・・・・・・・」
「生きる意味を見失い始めた私の前に、あなたは現れた。そして、私を叩き伏せ、鉄血部隊を我が物とし、敗北しかないように思えた此度の戦いを、あなたは勝利に導きました」
「槍女、なにが言いたいんだよ?」
「私に生きる意味をください、リック様」
彼女は、自分の力と技を証明したいと言った。しかし、己の限界を知ってしまった彼女には、それができない。
そう思っていたのだが、目の前のこの男は、限界や不可能など知らないとでも言うように、勝利を重ね続けた。そんな彼に付いて行けば、己の限界を越えられるのではと考えたのだ。
「生きる意味はやる。ただし、俺がお前に与えてやれるのは戦いだけだ」
「・・・・・・」
「お前の望みは戦いの中で叶えろ。大丈夫、レイナなら最強の槍士になれるさ。そして証明するんだ。俺が美しいと思ったお前を否定する糞な奴らにな」
「リッ、リック様!?私は美しくなど--------」
「お前は綺麗だよ。だから、俺に絶対の忠誠を誓え!俺はお前が欲しい!」
宗一の言葉に覚悟を決めたレイナ。生きる意味を与えられた槍士は、その場に膝をつき、絶対の忠誠を誓う。
少女が膝をついて忠誠を誓う様に、少々驚いた宗一であったが、すぐにその顔は嬉しさに染まる。
「レイナ・ミカズキ。御身に生涯忠誠を誓います」
「ありがとうレイナ」
残る一人は、大陸最強の剣士を目指す青年一人。
「俺も忠誠を誓うぜ。・・・・・・お前に惚れたからな、愛してる」
「・・・・・・・・・・・・・はっ?」
「だから惚れたんだって。愛してるぜリック」
「ちょっ、俺に同性愛の趣味ないから!冗談だろ?!」
「冗談じゃねぇよ。これからよろしくな、リック」
「ふふふふっ、よかったねリック。男に惚れられて」
宗一を含め、周りが唖然とする。リリカだけは何故か爆笑しているが・・・・・・。
そうこうしていると城門が開き、中からは、銀髪褐色肌の女性と騎士団が、宗一たちを出迎えた。久しぶりに憧れの女性に再会して、胸が高鳴るのを抑えられない。
ヴァスティナ帝国騎士団長メシア。戦場では軍神と呼ばれている、帝国最強の女性だ。
再会の嬉しさに、駆け足でメシアへと近付く宗一。話しかけようと口を開いた瞬間、彼女は宗一へと腕を回して、優しく抱きしめた。
「メシア団長・・・・・?!」
「待っていたぞリック、オーデル軍を倒したのはお前だな。必ず来ると信じていた」
またも突然のことに、唖然とする周りの面々。リリカだけは、その光景に嫉妬する様な目を向ける。
メシアの温もりに包まれた宗一は、恥ずかしさと緊張で、完全に固まってしまっていた。
「女王陛下がお待ちだ。付いて来い、リック」
その言葉に正気を取り戻し、美しく儚い、女王の顔を思い出す。彼女にも再び会うことができるのだ。
宗一の生きる意味。そして、どうしようもなく惚れこんだ存在。
(ユリーシア陛下・・・・・。俺は、貴女のための力を集めてきました)
0
あなたにおすすめの小説
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる