151 / 875
第七話 侵略者
4
しおりを挟む
「どうしたんだいメシア団長。リックに用かい?」
「はい。あの男に時間があるのならば、鍛錬に誘おうと思いまして」
「ほう・・・・・、私の許しも得ずにかい?」
「何故、リリカ殿の許しが必要なのですか?」
「あの男は私の所有物だよ。勝手に持っていかれては困る」
一時間ほど前、参謀長執務室の扉の前では、火花を散らす二人の女性が、女の戦いを勃発させていた。彼女たちを知る誰もが、巻き込まれるのを恐れて近付こうとしない、最強対最凶の戦い。
そこに、偶然通りかかってしまったのが、ヘルベルトとロベルトである。当然巻き込まれてしまった。
「げっ、嫌な戦いが始まってやがる」
「良いところに来たね二人とも。聞いておくれよ、メシア団長が私のリックを独り占めしようとしているのさ。どう思う?」
「どうもこうもないですぜ姉御。隊長は女王のもんですぜ」
「そうだな。女王陛下だけが隊長を独占できる」
正論を述べる二人に対し、不満げな表情のリリカ。
しまったと思ったヘルベルト。このまま彼女を不機嫌にしてしまうと、後から何をされるかわからない。どうにかして、機嫌を良くして貰わなければ、ストレス解消のために、何人の犠牲者が出てしまうのか・・・・・・。
「まあまあ落ち着いて下さいよ姉御。いいじゃないですか今日くらい。メシア団長なら、間違いが起こる事もねぇですぜ」
「何を言っている、彼女だから問題なのだ。いいかい、銀髪褐色肌の美人騎士なのだよ?あの男が彼女と二人きりになって、間違いが起こらないと思うかい?」
「・・・・・・思いません」
この喧嘩の原因となっている男ならば、憧れの女性である彼女と一緒の状況で、己の性的興奮を抑えられるとは思えない。今までは何も起こらなかったが、次も大丈夫という保証はないのだ。
「あっ、そう言えば・・・・・・」
「何だい?何か知っているのかな?」
「やべっ!?いや何も知らないですぜ。この前、隊長と団長が怪しい感じになってたなんて口が裂けても------」
「・・・・・・どういう事か聞かせて貰おうか。ねぇ、メシア団長?」
この場で、しかもこの状況で、言ってはならなかった事を漏らしてしまい、慌てて口を塞いだヘルベルトであったが、もう手遅れであった。隣のロベルトが溜息をつき、激化の様相を見せた戦いに呆れる。
ヘルベルトの悪い癖であるのだが、彼は時々、不図した拍子に、隠し事をばらしてしまう。このせいで、何度減給を言い渡された事か・・・・・・。
「私はリックに、愛の告白をしてしまったようです」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
衝撃的な彼女の言葉に、言葉を失ったリリカ。いつもの妖艶な笑みと余裕は何処へ消えたのか、無表情で絶句している。
「リックが言うには、愛の告白をした女性は、相手の男に抱かれなければならないと教わり、行為に及ぼうとしていたところを、ヘルベルトに見られただけの事です」
(あの戦闘狂、何て大嘘つきやがるんだ!?どうすんだよこれ、姉御がご立腹だ!!)
「そうかそうか。私の知らないところでそんな事を・・・・・・」
火に油を注いでしまった事を、本当に、心の底から後悔しているヘルベルトは、とにかく願った。「誰でもいい!この二人を止めてくれ!!」と。
だが、その願いが届く事はない。
「勝負しようか、メシア団長・・・・・。私のものに手を出した罪は重いよ・・・・・・」
これが、中庭での対峙へと繋がる。
「はい。あの男に時間があるのならば、鍛錬に誘おうと思いまして」
「ほう・・・・・、私の許しも得ずにかい?」
「何故、リリカ殿の許しが必要なのですか?」
「あの男は私の所有物だよ。勝手に持っていかれては困る」
一時間ほど前、参謀長執務室の扉の前では、火花を散らす二人の女性が、女の戦いを勃発させていた。彼女たちを知る誰もが、巻き込まれるのを恐れて近付こうとしない、最強対最凶の戦い。
そこに、偶然通りかかってしまったのが、ヘルベルトとロベルトである。当然巻き込まれてしまった。
「げっ、嫌な戦いが始まってやがる」
「良いところに来たね二人とも。聞いておくれよ、メシア団長が私のリックを独り占めしようとしているのさ。どう思う?」
「どうもこうもないですぜ姉御。隊長は女王のもんですぜ」
「そうだな。女王陛下だけが隊長を独占できる」
正論を述べる二人に対し、不満げな表情のリリカ。
しまったと思ったヘルベルト。このまま彼女を不機嫌にしてしまうと、後から何をされるかわからない。どうにかして、機嫌を良くして貰わなければ、ストレス解消のために、何人の犠牲者が出てしまうのか・・・・・・。
「まあまあ落ち着いて下さいよ姉御。いいじゃないですか今日くらい。メシア団長なら、間違いが起こる事もねぇですぜ」
「何を言っている、彼女だから問題なのだ。いいかい、銀髪褐色肌の美人騎士なのだよ?あの男が彼女と二人きりになって、間違いが起こらないと思うかい?」
「・・・・・・思いません」
この喧嘩の原因となっている男ならば、憧れの女性である彼女と一緒の状況で、己の性的興奮を抑えられるとは思えない。今までは何も起こらなかったが、次も大丈夫という保証はないのだ。
「あっ、そう言えば・・・・・・」
「何だい?何か知っているのかな?」
「やべっ!?いや何も知らないですぜ。この前、隊長と団長が怪しい感じになってたなんて口が裂けても------」
「・・・・・・どういう事か聞かせて貰おうか。ねぇ、メシア団長?」
この場で、しかもこの状況で、言ってはならなかった事を漏らしてしまい、慌てて口を塞いだヘルベルトであったが、もう手遅れであった。隣のロベルトが溜息をつき、激化の様相を見せた戦いに呆れる。
ヘルベルトの悪い癖であるのだが、彼は時々、不図した拍子に、隠し事をばらしてしまう。このせいで、何度減給を言い渡された事か・・・・・・。
「私はリックに、愛の告白をしてしまったようです」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
衝撃的な彼女の言葉に、言葉を失ったリリカ。いつもの妖艶な笑みと余裕は何処へ消えたのか、無表情で絶句している。
「リックが言うには、愛の告白をした女性は、相手の男に抱かれなければならないと教わり、行為に及ぼうとしていたところを、ヘルベルトに見られただけの事です」
(あの戦闘狂、何て大嘘つきやがるんだ!?どうすんだよこれ、姉御がご立腹だ!!)
「そうかそうか。私の知らないところでそんな事を・・・・・・」
火に油を注いでしまった事を、本当に、心の底から後悔しているヘルベルトは、とにかく願った。「誰でもいい!この二人を止めてくれ!!」と。
だが、その願いが届く事はない。
「勝負しようか、メシア団長・・・・・。私のものに手を出した罪は重いよ・・・・・・」
これが、中庭での対峙へと繋がる。
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
建国のアルトラ ~魔界の天使 (?)の国造り奮闘譚~
ヒロノF
ファンタジー
死後に転生した魔界にて突然無敵の身体を与えられた地野改(ちの かい)。
その身体は物理的な攻撃に対して金属音がするほど硬く、マグマや高電圧、零度以下の寒さ、猛毒や強酸、腐食ガスにも耐え得る超高スペックの肉体。
その上で与えられたのはイメージ次第で命以外は何でも作り出せるという『創成魔法』という特異な能力。しかし、『イメージ次第で作り出せる』というのが落とし穴! それはイメージ出来なければ作れないのと同義! 生前職人や技師というわけでもなかった彼女には機械など生活を豊かにするものは作ることができない! 中々に持て余す能力だったが、周囲の協力を得つつその力を上手く使って魔界を住み心地良くしようと画策する。
近隣の村を拠点と定め、光の無かった世界に疑似太陽を作り、川を作り、生活基盤を整え、家を建て、魔道具による害獣対策や収穫方法を考案。
更には他国の手を借りて、水道を整備し、銀行・通貨制度を作り、発電施設を作り、村は町へと徐々に発展、ついには大国に国として認められることに!?
何でもできるけど何度も失敗する。
成り行きで居ついてしまったケルベロス、レッドドラゴン、クラーケン、歩く大根もどき、元・書物の自動人形らと共に送る失敗と試行錯誤だらけの魔界ライフ。
様々な物を創り出しては実験実験また実験。果たして住み心地は改善できるのか?
誤字脱字衍字の指摘、矛盾の指摘大歓迎です! 見つけたらご報告ください!
2024/05/02改題しました。旧タイトル
『魔界の天使 (?)アルトラの国造り奮闘譚』
2023/07/22改題しました。旧々タイトル
『天使転生?~でも転生場所は魔界だったから、授けられた強靭な肉体と便利スキル『創成魔法』でシメて住み心地よくしてやります!~』
この作品は以下の投稿サイトにも掲載しています。
『小説家になろう(https://ncode.syosetu.com/n4480hc/)』
『ノベルバ(https://novelba.com/indies/works/929419)』
『アルファポリス(https://www.alphapolis.co.jp/novel/64078938/329538044)』
『カクヨム(https://kakuyomu.jp/works/16818093076594693131)』
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる