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246話 - 進化に求めるもの
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『お~い。おわったのじゃ~』
『クロムさ~ん。おはようございま~す』
ん……ブラッシングおわったのか。
うわ、すっげぇ目が重い。
睡眠欲求ちゃんとあったらこんな感じになるんだ……
寝起きしんどいって思うの久しぶりかも。
『はぁ~あ。おはよ………。ブラッシングありがと……』
「寝起きが辛そうなクロムさんは珍しいですね、ふふ」
僕結構寝起きはいい方なんだけどね。
スライムの時に感じなかった感覚に驚いただけだよ。
でもなんか人に近付いたっぽい気がする。
よし、起きるか。
『”ウォーターエイド”ッ』
これ使うとなんかスッキリするんだよね。
体内の水が活性化されて目覚ましにでもなってんのかな。
僕が作った魔法には意図してない副次効果とかもあったりするんだよねぇ。
『うっし、起きる!結構時間たっ……おわ、なんだこれ……』
すっげぇ。
1m近くにもなる巨大な毛玉が出来てんじゃん……。
これでぬいぐるみ何体くらい作れるんだ……?
「すごい量じゃろ?フェンリルはかなり長毛で多毛じゃからの。抜け毛の量もすごいのじゃ」
極寒の地域で生息している魔物だろうしなぁ。
毛も長く多くはなるよねぇ。
同じ狼種のハチと比べてもブラッシングの後に出来た毛玉のサイズが3倍以上だもん。
『大変だったでしょこれ。頼んじゃってごめんね』
「いえ、楽しかったですよ?オイルを塗って、ブラシで梳けば絡まったりもしないですし。みるみる毛並みがよくなっていくんです!なかなか達成感がありますね、ふふ♪」
「そうじゃの?テキパキやれば15分もかからんぞ。お主を3時間程寝かせておっただけじゃ。他の皆は寝ておるしの」
あ、そうなんだ。
3時間も寝ちゃったか……。
まぁしゃあない。
好意は受け取ろっと。
その分夜中まで起きて分析すればいっか。
『気を使ってくれてありがと。それに楽しかったならよかったけど……』キョロキョロ
うわ、すっげ。
毛並みつやっつやじゃん。
アンはブラッシングが終わった後ちょっと誇らしげだったんだよね。
わかるわ~。
フェンリルかっけぇ……。
これは自慢したくなるわ。
『うわぁ、ありがと……。つやっつやのさらっさらじゃん。改めて、フェンリルってめちゃくちゃかっこいいねぇ……。もはや神々しいもんな。僕がこんなかっこいい体してることにすごく違和感あるなぁ……』
「意識が目覚めて1日経っておらんからの。そりゃそうじゃろ」
「かっこいいのは元々……。ゴホン。いえ、今まで小さかったクロムさんが私より遥かに大きい姿をしているのは不思議な気がしますねぇ」
ちょっと恥ずかしいセリフが聞こえた気がするけどスルーしておこう。
なんか照れるかも……へへ。
いやいや、それは置いといて。
まぁそうだわなぁ。
寄生した後って考えること濃厚すぎて時間の経過忘れるよ……。
『まぁ、そりゃそっか。今、そろそろ夕方くらい?』
「ちょうど17時じゃ。子供たちを起こしてくるかの。夜に眠れなくなってしまうのじゃ」
・
・
・
おばあちゃんが上に上がるともう2人とも起きてたみたい。
ちなみに僕は2階には上がれないなぁ。
さすがに階段は上がるスペース無いもん。
最悪飛んで窓から入ろっかな。
ライムは寝てるって。
まぁこれはいつもの事らしい。
晩御飯ができると起きてくるんだって。
超スローライフしてるじゃん。
いいな、ライム。
「……すごいね、毛玉」
『クリーンはしてたけどブラッシングはしてなかったもんね~!アンのときもすごかったもん~!』
「これで装備でもつくればええんじゃないかの?」
フェンリルの毛とかえげつない値段付きそうな素材になりそうだね。
少なくとも耐氷性能は絶対つくでしょ?
フェンリルは氷も暗黒も無効なんだもん。
あ、”ワンチャン”即死耐性もつくんじゃね?
犬だけに……。
ゴホンっ。
なんでもないです。
とりあえずフェンリルの毛めっちゃいいじゃん!
……でも、自分の毛が売られてるとこ見たくねぇ。
あ。
『無理無理。多分それダンジョン外に持っていくと消えちゃうと思う。体が消えちゃうのに毛だけ残るって事なんかないでしょ。多分捨てておけばダンジョンに吸収されるか魔素に還るかするんじゃない?』
「そうでしたね。クロムさんの毛、消えちゃうのですか。少し勿体ない気がします……。クラムちゃんに小さなクロムさんを作ってほしかったです……」
『つくってみたい~!たのしそ~!!』
毛を使ってぬいぐるみ作るってか?
いや、自分の呪いグッズ持たれてるようで複雑だなそれ……。
ただ、エデンのみんなにちゃんとした装備をつくってあげるのには賛成だなぁ。
うーん……。あ、そうだ。
『多分ハチもフェンリルと同じくらいの格の生物じゃないかな?僕の前世では両方伝説の生物だし似たようなもんじゃない?エデンのみんなの服や装備つくるならハチに頼んでみてもいいかもね?』
フェンリル素材は僕がちゃんと外で寄生するまでお預けかなぁ。
みんなの防御力が上がるなら……
複雑だけど僕の毛を編み込むくらいは仕方ないか。
「……うん。いつも捨ててる。ハチに頼んでみる」
『ありがとクラマ。お願いね?』
僕も複雑だなぁって思ったし勝手に使うのは良くない。
ハチにもちゃんと許可取らないとね。
「ではこの大きな毛玉は捨てるしかありませんか……」
『クラムにちょうだーい!!』
『ぬいぐるみつくるの?まぁダンジョンに置いておけば消えはしないか……』
『ちがうよ~?きゅうしゅうするの~!』
『え、毛を食べるの……?大丈夫なのそれ……』
まぁ、カニの時も岩みたいなもんだったし……
あれ全然おいしそうじゃなかったし似たようなもんっちゃ似たようなもんだけど。
『たべなくてもとかせるよ~?どこからでもきゅうしゅうできるもん~。しらなかったのパパ~?』
『え、なにそれ!?どこからでも吸収ってなに!?』
吸収って……
スライムの能力でチート感漂ってたのに全然使えなかったやつじゃん。
この世界ではただの消化能力だったやつだ。
特に能力を吸収出来たりはしなかった……
『おててつくってさわったらきゅうしゅうできるの~!あじわかんないしたべなくてもだいじょうぶなんだよ~?』
『ぜんっぜん知らなかった……』
なんだ、ただの消化能力かよって思ってそこから意識外してたもん。
……まぁでもどこからでも吸収できるってだけで身になるわけではないしな。
強いて言えば飢えそうになった時助かるってくらいか。
「いいですね……。私もクロムさん食べたいです……」
だいじょぶそ?
ねぇ、その発言大丈夫そうかな???
「……必要になればやってみる。……ぼくは、毛……食べたくない」
『いや、そりゃそうでしょ。クラムが特殊なの。毛を食べようとされても焦るよ』
「我も……そうかのぉ。というより能力吸収は進化に影響のあるクラムの特性じゃと思うぞ。我もクロムの体を食したことはあるが、影響があったのは意思が少し伝わりやすくなった、と言う事と、ソフィア神と1度話すことが出来たくらいかの?皆、もう出来るじゃろ」
「……出来る。じゃあいい」
「ん~。でも~。ん~。名残惜しいです~!気持ちの問題ですっ!」
何を言っとるんだエステルは……。
でも、確かに進化影響が強いんだろうな。
進化する時に僕の特性を混ぜて進化してるからこんなに僕との親和性が高いんだ。
僕の細胞を含めて体の構造を変化させる、とかそういう事が出来ないと多大な影響は入らないと思うな。
まぁ単純に、クラムは僕と血の繋がりがある家族って感じだろうね。
そう考えると、スライムの吸収能力は僕にとってメリットはなかった。
でもクラムにとっては僕を吸収することに限ってメリットはあるみたいだ。
あ、クラムが僕の大きな毛玉から1掴み分の毛の塊を取った。
『みててね~?』(ジュワァ……)
おお。
クラムのおてて替わりのスライムボディーの部分から溶かされた毛が吸収されていく。
いつの間にそんなこと知ったんだ……。
まぁ僕を吸収する以外に使い所はないと思うけどね。
そしてクラムの体がポワポワ光だした……。
本当に僕の体から影響受けてるんだなぁって感じがするなぁ。
クラムの僕の細胞の吸収を皆で見守っていた。
クラム曰くあったかい気がするんだって。
痛かったりその他違和感は全く無いようだ。
体の淡い光が5分程続いた。
そろそろ収まってきたみたいだ。
『おわったぁ~!』
『何か変わったことはありそう?』
『”かんて~!”えっとね~。あんまりかわってないかも~?そくしがむこ~になったかなぁ??あとは~まりょく……なんて読むの~?』
『魔力”きゅうそく”回復かな?でもこれに関しては僕の体吸収しなくても覚えたと思うよ?』
『そっか~!じゃああんまりかわってないー!』
まぁ体面から影響受けるようなことって既に殆ど影響受けちゃってるもんね。
既に魔法も殆ど全属性つかえるしな。
ただ即死無効は嬉しい!
アクセサリーあるけどそもそも持ってるほうが安心だもんね。
表面上で見えること以外でもきっと変わってる部分ってあるはずだしね。
見えることが全てじゃないよね。
あとは進化先がどうなるかって感じか……
『進化の方はどう?』
『おおかみいっぱい~!やみとかこおりとかかぜとかぜんぶあるかも~?えれめんたるうるふがいちばんつよそう~?』
なるほど。
属性めちゃくちゃ持ってるもんな。
僕の細胞から狼の系譜が組み込まれて進化先大量発生したのか……
エレメンタルなんとかは多分精霊系だよね?
これがクラムと僕との特性が合わさっている感じかな?
『でも~。クラムしんかしなくていいかも~。スライムのほうがすき~!おっきいしうごきにくそうだもん~』
だろうな。
僕がフェンリルになったのも家族愛求めてのことだもん。
スライムに比べたら確実に生活し辛くはなるしね。
正直生活感を求めてスライム以外の魔物に進化したいと思えないよなぁ……。
そもそも僕等ってステータス5万超えちゃってる。
レベルリセットされることにメリットすらないんだよ。
レベル上がっても補助入らないんだもんね。
強さの部分を求めて進化する意味がない。
もうあとは個人的な努力の問題!
クラムの進化に関しては体が気に入るのかどうかって部分しか気にすることないんだよなぁ。
後は寿命。
これが1番の進化理由だったね。
でも200年近く寿命残ってるから今直ぐに気にすることじゃない。
クラムまだ5歳にもなってないんだもん。
進化先増やして待機してればいいだけだよ。
あとは必要な時に進化すればいいんだ。
『考えれば考える程、クラムにとって狼になるメリットって全然ないよね』
『めりっと~?う~ん。むずかしいことはわかんないけど~。クラムね~?およ~ふくきたいの~』
服が着たい……、か。
クラムって次の進化先におしゃれを求めてんだなぁ。
皆から沢山影響を受けたんだろうな。
人嫌いだけど沢山おしゃれできそうなところは羨ましいって言ってたもん。
おしゃれに関してはスライムは出来ることが少ない。
体ちっこいしまんまるだもんなぁ。
服はいらないし、装飾品付ける部分すら少ないんだ。
「クラムちゃんおしゃれが1番好きですもんね、ふふ♪」
「うむ。エデンの民の服もクラムが作っておるくらいじゃしのぉ」
「……でも、ねぇね強すぎる。装飾品は要らない」
『いらないけど~、クラムはかわいいからつけてるだけだよ~?』
そういえばクラムの最初の貝ってめちゃくちゃきれいだったんだ。
求愛行動なんかで羽を綺麗にしたりダンスしたりする生物いるじゃん?
そういう特性がクラムの種族にはあるのかもしれないね。
今だって、服や装飾品が必要ない分貝殻をずっとデコってるんだ。
毎日どこか違うんだよ?
クラムのおしゃれに賭ける熱意はすごいんだ。
僕が海底洞窟で色々作り出したとき興味津々で見てたもんなぁ。
いつの間にか僕より遥かに制作関連うまくなっちゃったよ。
クラムの進化は元の特性を引き継いでいる。
だからスライムになっても貝の時の気持ちが無くなったりしてないんだよね。
みんなそれぞれ求めることって違うよなぁ。
『きめた~!クラムは~、スライムよりおしゃれできるのがあったらしんかする~!』
『僕もそっちの方がクラムっぽくてうれしいな。僕はクラムやみんなに毎日を楽しんで欲しいんだもん。戦闘能力だけじゃないよね、進化って』
クラムは純粋だなぁ。
子供から学ぶものって本当に多いよ。
強さを求めて進化する必要なんかないよね。
さて、じゃあクラムの吸収や進化先相談も落ち着いたところで皆のステータスみよっかなぁ。
『クロムさ~ん。おはようございま~す』
ん……ブラッシングおわったのか。
うわ、すっげぇ目が重い。
睡眠欲求ちゃんとあったらこんな感じになるんだ……
寝起きしんどいって思うの久しぶりかも。
『はぁ~あ。おはよ………。ブラッシングありがと……』
「寝起きが辛そうなクロムさんは珍しいですね、ふふ」
僕結構寝起きはいい方なんだけどね。
スライムの時に感じなかった感覚に驚いただけだよ。
でもなんか人に近付いたっぽい気がする。
よし、起きるか。
『”ウォーターエイド”ッ』
これ使うとなんかスッキリするんだよね。
体内の水が活性化されて目覚ましにでもなってんのかな。
僕が作った魔法には意図してない副次効果とかもあったりするんだよねぇ。
『うっし、起きる!結構時間たっ……おわ、なんだこれ……』
すっげぇ。
1m近くにもなる巨大な毛玉が出来てんじゃん……。
これでぬいぐるみ何体くらい作れるんだ……?
「すごい量じゃろ?フェンリルはかなり長毛で多毛じゃからの。抜け毛の量もすごいのじゃ」
極寒の地域で生息している魔物だろうしなぁ。
毛も長く多くはなるよねぇ。
同じ狼種のハチと比べてもブラッシングの後に出来た毛玉のサイズが3倍以上だもん。
『大変だったでしょこれ。頼んじゃってごめんね』
「いえ、楽しかったですよ?オイルを塗って、ブラシで梳けば絡まったりもしないですし。みるみる毛並みがよくなっていくんです!なかなか達成感がありますね、ふふ♪」
「そうじゃの?テキパキやれば15分もかからんぞ。お主を3時間程寝かせておっただけじゃ。他の皆は寝ておるしの」
あ、そうなんだ。
3時間も寝ちゃったか……。
まぁしゃあない。
好意は受け取ろっと。
その分夜中まで起きて分析すればいっか。
『気を使ってくれてありがと。それに楽しかったならよかったけど……』キョロキョロ
うわ、すっげ。
毛並みつやっつやじゃん。
アンはブラッシングが終わった後ちょっと誇らしげだったんだよね。
わかるわ~。
フェンリルかっけぇ……。
これは自慢したくなるわ。
『うわぁ、ありがと……。つやっつやのさらっさらじゃん。改めて、フェンリルってめちゃくちゃかっこいいねぇ……。もはや神々しいもんな。僕がこんなかっこいい体してることにすごく違和感あるなぁ……』
「意識が目覚めて1日経っておらんからの。そりゃそうじゃろ」
「かっこいいのは元々……。ゴホン。いえ、今まで小さかったクロムさんが私より遥かに大きい姿をしているのは不思議な気がしますねぇ」
ちょっと恥ずかしいセリフが聞こえた気がするけどスルーしておこう。
なんか照れるかも……へへ。
いやいや、それは置いといて。
まぁそうだわなぁ。
寄生した後って考えること濃厚すぎて時間の経過忘れるよ……。
『まぁ、そりゃそっか。今、そろそろ夕方くらい?』
「ちょうど17時じゃ。子供たちを起こしてくるかの。夜に眠れなくなってしまうのじゃ」
・
・
・
おばあちゃんが上に上がるともう2人とも起きてたみたい。
ちなみに僕は2階には上がれないなぁ。
さすがに階段は上がるスペース無いもん。
最悪飛んで窓から入ろっかな。
ライムは寝てるって。
まぁこれはいつもの事らしい。
晩御飯ができると起きてくるんだって。
超スローライフしてるじゃん。
いいな、ライム。
「……すごいね、毛玉」
『クリーンはしてたけどブラッシングはしてなかったもんね~!アンのときもすごかったもん~!』
「これで装備でもつくればええんじゃないかの?」
フェンリルの毛とかえげつない値段付きそうな素材になりそうだね。
少なくとも耐氷性能は絶対つくでしょ?
フェンリルは氷も暗黒も無効なんだもん。
あ、”ワンチャン”即死耐性もつくんじゃね?
犬だけに……。
ゴホンっ。
なんでもないです。
とりあえずフェンリルの毛めっちゃいいじゃん!
……でも、自分の毛が売られてるとこ見たくねぇ。
あ。
『無理無理。多分それダンジョン外に持っていくと消えちゃうと思う。体が消えちゃうのに毛だけ残るって事なんかないでしょ。多分捨てておけばダンジョンに吸収されるか魔素に還るかするんじゃない?』
「そうでしたね。クロムさんの毛、消えちゃうのですか。少し勿体ない気がします……。クラムちゃんに小さなクロムさんを作ってほしかったです……」
『つくってみたい~!たのしそ~!!』
毛を使ってぬいぐるみ作るってか?
いや、自分の呪いグッズ持たれてるようで複雑だなそれ……。
ただ、エデンのみんなにちゃんとした装備をつくってあげるのには賛成だなぁ。
うーん……。あ、そうだ。
『多分ハチもフェンリルと同じくらいの格の生物じゃないかな?僕の前世では両方伝説の生物だし似たようなもんじゃない?エデンのみんなの服や装備つくるならハチに頼んでみてもいいかもね?』
フェンリル素材は僕がちゃんと外で寄生するまでお預けかなぁ。
みんなの防御力が上がるなら……
複雑だけど僕の毛を編み込むくらいは仕方ないか。
「……うん。いつも捨ててる。ハチに頼んでみる」
『ありがとクラマ。お願いね?』
僕も複雑だなぁって思ったし勝手に使うのは良くない。
ハチにもちゃんと許可取らないとね。
「ではこの大きな毛玉は捨てるしかありませんか……」
『クラムにちょうだーい!!』
『ぬいぐるみつくるの?まぁダンジョンに置いておけば消えはしないか……』
『ちがうよ~?きゅうしゅうするの~!』
『え、毛を食べるの……?大丈夫なのそれ……』
まぁ、カニの時も岩みたいなもんだったし……
あれ全然おいしそうじゃなかったし似たようなもんっちゃ似たようなもんだけど。
『たべなくてもとかせるよ~?どこからでもきゅうしゅうできるもん~。しらなかったのパパ~?』
『え、なにそれ!?どこからでも吸収ってなに!?』
吸収って……
スライムの能力でチート感漂ってたのに全然使えなかったやつじゃん。
この世界ではただの消化能力だったやつだ。
特に能力を吸収出来たりはしなかった……
『おててつくってさわったらきゅうしゅうできるの~!あじわかんないしたべなくてもだいじょうぶなんだよ~?』
『ぜんっぜん知らなかった……』
なんだ、ただの消化能力かよって思ってそこから意識外してたもん。
……まぁでもどこからでも吸収できるってだけで身になるわけではないしな。
強いて言えば飢えそうになった時助かるってくらいか。
「いいですね……。私もクロムさん食べたいです……」
だいじょぶそ?
ねぇ、その発言大丈夫そうかな???
「……必要になればやってみる。……ぼくは、毛……食べたくない」
『いや、そりゃそうでしょ。クラムが特殊なの。毛を食べようとされても焦るよ』
「我も……そうかのぉ。というより能力吸収は進化に影響のあるクラムの特性じゃと思うぞ。我もクロムの体を食したことはあるが、影響があったのは意思が少し伝わりやすくなった、と言う事と、ソフィア神と1度話すことが出来たくらいかの?皆、もう出来るじゃろ」
「……出来る。じゃあいい」
「ん~。でも~。ん~。名残惜しいです~!気持ちの問題ですっ!」
何を言っとるんだエステルは……。
でも、確かに進化影響が強いんだろうな。
進化する時に僕の特性を混ぜて進化してるからこんなに僕との親和性が高いんだ。
僕の細胞を含めて体の構造を変化させる、とかそういう事が出来ないと多大な影響は入らないと思うな。
まぁ単純に、クラムは僕と血の繋がりがある家族って感じだろうね。
そう考えると、スライムの吸収能力は僕にとってメリットはなかった。
でもクラムにとっては僕を吸収することに限ってメリットはあるみたいだ。
あ、クラムが僕の大きな毛玉から1掴み分の毛の塊を取った。
『みててね~?』(ジュワァ……)
おお。
クラムのおてて替わりのスライムボディーの部分から溶かされた毛が吸収されていく。
いつの間にそんなこと知ったんだ……。
まぁ僕を吸収する以外に使い所はないと思うけどね。
そしてクラムの体がポワポワ光だした……。
本当に僕の体から影響受けてるんだなぁって感じがするなぁ。
クラムの僕の細胞の吸収を皆で見守っていた。
クラム曰くあったかい気がするんだって。
痛かったりその他違和感は全く無いようだ。
体の淡い光が5分程続いた。
そろそろ収まってきたみたいだ。
『おわったぁ~!』
『何か変わったことはありそう?』
『”かんて~!”えっとね~。あんまりかわってないかも~?そくしがむこ~になったかなぁ??あとは~まりょく……なんて読むの~?』
『魔力”きゅうそく”回復かな?でもこれに関しては僕の体吸収しなくても覚えたと思うよ?』
『そっか~!じゃああんまりかわってないー!』
まぁ体面から影響受けるようなことって既に殆ど影響受けちゃってるもんね。
既に魔法も殆ど全属性つかえるしな。
ただ即死無効は嬉しい!
アクセサリーあるけどそもそも持ってるほうが安心だもんね。
表面上で見えること以外でもきっと変わってる部分ってあるはずだしね。
見えることが全てじゃないよね。
あとは進化先がどうなるかって感じか……
『進化の方はどう?』
『おおかみいっぱい~!やみとかこおりとかかぜとかぜんぶあるかも~?えれめんたるうるふがいちばんつよそう~?』
なるほど。
属性めちゃくちゃ持ってるもんな。
僕の細胞から狼の系譜が組み込まれて進化先大量発生したのか……
エレメンタルなんとかは多分精霊系だよね?
これがクラムと僕との特性が合わさっている感じかな?
『でも~。クラムしんかしなくていいかも~。スライムのほうがすき~!おっきいしうごきにくそうだもん~』
だろうな。
僕がフェンリルになったのも家族愛求めてのことだもん。
スライムに比べたら確実に生活し辛くはなるしね。
正直生活感を求めてスライム以外の魔物に進化したいと思えないよなぁ……。
そもそも僕等ってステータス5万超えちゃってる。
レベルリセットされることにメリットすらないんだよ。
レベル上がっても補助入らないんだもんね。
強さの部分を求めて進化する意味がない。
もうあとは個人的な努力の問題!
クラムの進化に関しては体が気に入るのかどうかって部分しか気にすることないんだよなぁ。
後は寿命。
これが1番の進化理由だったね。
でも200年近く寿命残ってるから今直ぐに気にすることじゃない。
クラムまだ5歳にもなってないんだもん。
進化先増やして待機してればいいだけだよ。
あとは必要な時に進化すればいいんだ。
『考えれば考える程、クラムにとって狼になるメリットって全然ないよね』
『めりっと~?う~ん。むずかしいことはわかんないけど~。クラムね~?およ~ふくきたいの~』
服が着たい……、か。
クラムって次の進化先におしゃれを求めてんだなぁ。
皆から沢山影響を受けたんだろうな。
人嫌いだけど沢山おしゃれできそうなところは羨ましいって言ってたもん。
おしゃれに関してはスライムは出来ることが少ない。
体ちっこいしまんまるだもんなぁ。
服はいらないし、装飾品付ける部分すら少ないんだ。
「クラムちゃんおしゃれが1番好きですもんね、ふふ♪」
「うむ。エデンの民の服もクラムが作っておるくらいじゃしのぉ」
「……でも、ねぇね強すぎる。装飾品は要らない」
『いらないけど~、クラムはかわいいからつけてるだけだよ~?』
そういえばクラムの最初の貝ってめちゃくちゃきれいだったんだ。
求愛行動なんかで羽を綺麗にしたりダンスしたりする生物いるじゃん?
そういう特性がクラムの種族にはあるのかもしれないね。
今だって、服や装飾品が必要ない分貝殻をずっとデコってるんだ。
毎日どこか違うんだよ?
クラムのおしゃれに賭ける熱意はすごいんだ。
僕が海底洞窟で色々作り出したとき興味津々で見てたもんなぁ。
いつの間にか僕より遥かに制作関連うまくなっちゃったよ。
クラムの進化は元の特性を引き継いでいる。
だからスライムになっても貝の時の気持ちが無くなったりしてないんだよね。
みんなそれぞれ求めることって違うよなぁ。
『きめた~!クラムは~、スライムよりおしゃれできるのがあったらしんかする~!』
『僕もそっちの方がクラムっぽくてうれしいな。僕はクラムやみんなに毎日を楽しんで欲しいんだもん。戦闘能力だけじゃないよね、進化って』
クラムは純粋だなぁ。
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第2幕、連載開始しました!
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以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
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アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
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