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257話 - 条件
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ギチッ。
『…………』
≪目の前で見ると……デカいわね……≫
『んなこと言われてもね……』
フェンリルですからね。
なんか久しぶりにソフィア様と面と向かって話す気がする。
ちょくちょく話してるんだけど通話みたいな感じで喋ってたからさ。
ってことで今はソフィア宅にお邪魔している。
相も変わらず意識を連れて来られたようだ。
でも実態もあるんだよ?
不思議な仕組みだなぁ。
クラマとおばあちゃんももちろんいるんだ。
この3人だけになるのは珍しい組み合わせだなぁ。
「……パパ」
『何、クラマ?』
「……狭い」
『ですよねー!』
ソフィア様のお宅って超無駄をそぎ落とした真っ白な空間。
それに白のテーブルと黒のソファー。
生活感皆無な空間なんだ。
家帰ってくる暇なんてないって言ってたしね。
で、広さは……
10畳くらいなんだよ。
神ハウスなのに全然神殿とかじゃないんだ。
要するに、
神界に転送された瞬間、ソフィア宅でおしくらまんじゅう開始だ。
≪要らないでしょ神殿なんて。邪魔よ。無駄じゃない。それにウチにはこの部屋しかないわ≫
うん、完全に同意するよ。
1人暮らしで神殿なんて移動時間の無駄にも程があるもんね。
≪喋りなさいよ≫
『いや、さすがに女性のお宅に口出すのはどうかなと思う訳で……。ましてや一応神な訳で……。更に一応上司な訳でして……』
「我は外でもよいのじゃが……」
≪はいはい。そんな配慮要らないわ。前来た時に『何もないね』って言ってたでしょうに≫ パチンッ
ブワッ!
『なんだなんだ!?』
「……すごい」
「さすが神じゃのぉ……」
『これも科学的にやってるだけ。私達の文明では神の力でも何でもないわ。はい、座って。クロム君は床の方が楽でしょ。柔らかくしておいたわ』
うわ、なんだこれ。
僕の下だけフワフワだ……。
素材を変えたのか?
そして今、ソフィア様が指パッチンした瞬間に空間がブワッと広がったよ!?
30畳くらいになったのかな?
合わせて家具のサイズも大きくなった……。
さすが超高度文明だ……
『なるほど……。必要ないから作ってないだけって話か』
「作ってないというか、空間なんてある程度操作できるわ」
やばいじゃん。
僕空間魔法って転移とエリア系しかつかえないのに……。
ソフィア様絶対強いよね?
戦闘興味ないっていってるけどさ……。
僕にもこれ出来るかな?
敵との距離を一瞬で離したり……
≪どうせ自分もできるかなとか考えてるんでしょ?どうでしょうね?既にテーブルや床に関しては出来るでしょ?空間操作も頑張れば出来るかもね?君のことはもう私にも想像がつかないわ……。っていうか、君の考えなんて最近心読まなくてもわかるわね≫
あ、そうか。
これ地魔法で同じこと……
いやいや。
『ついね。ごめんごめん。愚痴聞くんだったね。先にお酒飲む?』
≪おねがい!もうほんと疲れたんだから!甘いものでも飲みながら話したいわ!≫
甘いもの?
えっと……
これとこれとこれを
ババババババババババババババババッ!
トクトクトクトク……。
カランカランカラン。
シャカシャカシャカシャカ………
「「≪…………≫」」
『はい。ビーズニーズもどき。強めのお酒に蜂蜜と柑橘類の果汁適当に入れてみた。クラマはこれ飲みな?蜂蜜ミルクに少しだけワインのアルコール飛ばしたやつ入れたんだ。これくらいなら飲めると思うよ?』
「……コクッ。初めて飲んだ」
『まぁ、今思い付きで作ったやつだしね?ワインの匂い苦手なら普通の蜂蜜ミルクにするよ?』
「……大丈夫。これはおいしい。またつくって」
「クロム……お主は何でも出来るのぉ……うまいのじゃ……はぁ……」
『何でもは出来ないって。スチュワードさんのが上手いでしょ。僕は上っ面だけだよ』
まぁ仕事しまくってたしね。
バーなんか深夜労働の鉄板でしょ。
あと個人的に安酒飲むためにリキュール揃えて色々作ったりしてたんだ。
自分で作る方が安いんだよ。
それに、今既にカメラの作り方わからなくて悩んでるんだよねぇ……
≪相変わらず器用貧乏極めてるわね?それにフェンリルの動きじゃないわ。何よそれ。無属性魔法?……まぁもう君の事いちいち気にしても仕方ないわね~。頂くわ。ゴクッ。……はぁ~甘くておいしいわ~≫
『ありがと、……ってうっせぇ!2言余計だぞ!!ちょっとアルコール強めだよ?ゆっくり飲んでね』
「クロムは飲まんのかぇ?」
『この体、僕少しくらい酔っちゃうみたいだからさ?真剣に聞きたいと思って……』
「酒を分解くらいできるじゃろ?回復魔法をつかえばええんじゃ。ウォーターエイドで大丈夫じゃぞ?」
『あ!そうか!ありがとおばあちゃん!じゃあ僕も飲もっと!』
「クロムは変なところが抜けておるのぉ~!うふふ」
≪………≫(ふ~ん……なるほどねぇ……)
「……ソフィ。……肉……焼けない」
≪あ、お肉焼きたかったの?ここでいいわよ?燃えたりしないし匂いもつかないわ?私にもちょうだい?≫
「……食べる?いいよ」
・
・
・
何故か突然始まったソフィア様との団欒会。
凄く大変な作業をしてきたみたいだから話す前にリラックスは大切だね。
ソフィア様とおばあちゃんがソファーに座って向かい合ってカクテルを飲んでいる。
僕もテーブルのサイドで床に伏せた状態で魔力手でお酒を飲んでいる。
狼の口がちょっとコップでは飲みにくいんだ。
ガバッと入っちゃうんだよね。
だからワインの陶器ボトルごといっちゃう!
敢えてね?こっちの方がちょっとずつ飲めるんだよ。
そしてクラマが僕の反対側。
何故か室内で肉を焼きながら蜂蜜ミルクを飲んでいる。
クラマは自分の焼いたお肉を人に振舞うのが好きなんだ。
ソフィア様には初めて食べてもらえるからノリノリだ。
床で尻尾が揺れている。
とても謎の空間だ……。
まぁ楽しめてたらそれでオッケー。
『で、愚痴は?大丈夫?心ここにあらずじゃん……』
≪あぁ、そうだったわね。疲れて放心しちゃったわ。ちょうど今帰ってきたのよ……≫
そんなに?
いつもすごく大変そうだけどここまで放心してるの見たことなかったぞ……。
≪何から話そうかしら……。先にティアマトの件からじゃなくていいの?≫
「我は後でよいぞ?先にスッキリしてから話してくれるとよいのじゃ」
≪そう、じゃあお言葉に甘えるわ。端的に言うと……≫
端的に言うと……?
≪条件付きでアン君の転生、引き受けてあげる≫
『マジでッ!?』ガバッ
ガッシャアアアアアンッ
ボウッ。
「「≪……………≫」」
『クラマ大丈夫ッ!?”キュア”ッ!火傷は!?』
やっばッ!
立ち上がった衝撃でクラマに僕のワイン飛んで行った!!
しかも一瞬肉燃え上がったぞ!?
「……ぼくの肉」
『ごめんクラマッ!あ!でもかかってるの僕のワインだからそれはそれでフランベ的な……』
「……ふらんべ?それ、おいしい?」
『た、たぶん………いや、それより体!』
「……ぼく、炎無効……。でも肉……」パクッ
「……!おいしい……。ワイン……かける……なるほど……」ジュー。
はぁ……よかった……。
クラマ火傷してなかった……。
それにしても凄いなクラマ……。
全然動じずにまた肉育てだしたぞ……。
ポタッポタッ……。
『あぁ!おばあちゃんがずぶ濡れだッ!ごめんよ!えっと、火属性抜きの”クリーン”ッ!えっと……ドライ……は、僕が魔法使ってやりすぎるとやばい気がする……。まだちょっとこの体出力抑える方の微調整自信ない……。おばあちゃん水龍だし……えっと……』
「我は大丈夫じゃ?”ドライ”。クロムに勝てるのは水分の調整くらいじゃからの?ふっふっふ」
クリーンもドライも火属性で乾燥入ってるからさ。
全力でやっちゃっておばあちゃん干上がっちゃったら怖いよ……。
少しずつ色々試していかないと……。
ボタボタボタボタ……。
≪……ねぇ。私は?1番濡れてるの私なんですけど……≫
……
『すみません……”クリーン”……』
≪まさか君達の為に働いてきて、ずぶ濡れにされると思わなかったわ……≫
『マジですみません………』
≪私、最後なの?≫
『いや、つい……』
≪あは、あははははははは!≫
あ、やば……。
疲れてるところに色々ぶち込んだせいでソフィア様が壊れた……
≪はぁ~あ。久しぶりに笑ったわ~。ず~っとしかめっ面してたんだもの。それでこそクロムくんね!冗談よっ!ちょっとしたストレス解消!これでこそ仕事してきた甲斐があるってものだわ!お酒また作ってくれない?いい気分転換になったわ!≫
壊れたんじゃなかったのか……。
よかった。
それにしても何がそんなに面白かったんだ?
『端正込めて作らせて頂きます……』
「……アンの話。条件?」
あ、クラマしっかり聞いてるんだね。
≪そうね。全てうまくはいかなかったのよ……。クロム君への条件になるわ≫
僕……?
・
・
・
とりあえずぐちゃぐちゃになった部屋をソフィア様が一瞬で片付けてくれた。
僕が乾かす必要あったのかな……。
絶対ないでしょ。
で、だ。
すこし落ち着かせて欲しい、とのことでソフィア様を待っている。
気まずそうな顔してるんだ。
なんで……?
≪ふー。よし、言うわね。まず、こちらからの援助は一切出来ない。だから必要なエネルギーは全てクロム君負担になるわ……。システムの構築分からになるの。そんなのクロム君が負担すべきじゃないのに……≫
神力か……。
そうか、輪廻転生させるにもエネルギー使うんだもんな。
『どれくらい?』
≪今君が稼いだ分の倍程の神力を貰うことになるの……ごめんなさい≫
『何で謝るの?ソフィア様のおかげでアンは転生できるんでしょ?僕等の為に動いてくれたんだね。本当にありがと。パパっと稼ぐね』
≪え!?いいの!?≫
『なにがダメなの?僕の要望じゃん』
それに神力なんてどうでもいいじゃん。
アンが大切だもん。
≪君が稼いだエネルギーって惑星10年分程以上にはなるのよ?その倍よ!?君が消費している分を考えなければ数億単位の生命体が稼ぐようなエネルギーなのよッ!?金銭換算なんてできるレベルじゃないけれどそれは凄い功績で……≫
だから何なんだろうか……。
僕の知らない他人の数億の功績がどうしたって……?
命ならともかくすんごい興味ね~。
『知らないよそんなの。びっくりするくらいどうでもいい。今晩クラマが焼いてくれる肉の方が気になる』
「……がんばる。アンのお祝い」
『いいね!パーッと肉食おうぜ!!』
「まぁそうじゃろぉのぉ。ちなみにそれは我らが手助けしてはならんのか?」
≪え、えぇ。あとで理由を説明するわ……。クロム君1人で、なの≫
『その間ご飯も作ってもらっちゃダメなの?みんなと一緒に居ることもダメとか……』
≪い、いや……。それは構わないけれど≫
『じゃあ手助けアリじゃん。家庭の方が大切でしょ。僕1人ぼっちでもアンの転生の為にもちろん頑張るけどさ……。またしばらく寂しい思いさせるなぁと思って。僕も寂しいし。みんながいるなら全然いいや。で?次は?それだけ?』
≪……で、次は?それだけ……って……。えっと……。その体を最大レベルまで引き上げて欲しいのよ……。これはどうしてもこっちに体を分解して持ってくるときに魔力のロスがはっせいし≫
『そもそもそうするつもりだったよ?どこまでトレーニングしていいかわかんないし。で?他は?』
≪……そんな簡単な話じゃないでしょ。君……もうレベル上がらないわ……。既に強すぎるもの。魔石食べるのにも限度がある。だから君がフェンリルの魔力循環比率をそれ以上上げることはもう……。だからこんな無理な条件は飲めないって……≫
レベルって本来魔力循環比率とか言うんだ。
へぇ~。
『そうなの?いいや別に。魔石食べ飽きたし』
≪いいや、別にって……。もうダンジョンの魔物を倒してもレベル上がらないでしょ?≫
『僕、ダンジョンの管理していいんだよね?』
≪え、えぇ。それはもちろん≫
『ダンジョンのエネルギー全部最下層に注いでいい?』
≪はっ!?≫
『人が入れるエリアに使ってるエネルギーってすごく微量だよね?たしか50階層までで10%も割り振ってなかったんじゃなかったっけ?超無駄じゃん。じゃあ残りのエネルギーを1階層に注げば90%のエネルギー注いだ敵を出せるよね?その魔物の数を削りまくればもっともっと1体当たりは強くできるよね?間違ってる?』
じゃあ僕が稼げるエネルギー効率もすっごい良くなるよね?
階層行ったり来たりしなくて良くなるじゃん!
一石二鳥だよ。
仕事なんかササっと終わらせてみんなとのんびり過ごすのだ!
これダンジョン任せてもらえるって言われた時からずっと考えてたんだよね~。
ある程度できることも聞いてるしね。
元々そうやって訓練しようと思ってたんだ。
魔石食べても本質的にはもう強くならないじゃん。
魔物とかエネルギーの割り振りも自分で変更できるんでしょ?
しかも永続型とか単発型とか選べるんだっけか?
アンがそのせいで寄生するしかなかったんだもん。
しっかり覚えてるよ。
それに勝てなくてもボス階層から僕だけ逃げれるようにすればよくね?
ヌルゲーじゃんッ!
最高のレベル上げだよ!
超名案じゃない?ね?
「……もっと強い敵?」
「く、クロム……。それはちょっとどうかのぉ……」
≪な、なにを言っているかわかってるの……?クロム君は……死にたいの……?疑似生命体には強さに制限がないのよ……?≫
『死なないよ?自分で調整していいんでしょ?魔物も選んでいいんでしょ?やばかったら階層から逃げるよ?』
ってか僕不死じゃん。
バラバラにさえならなければきっと体半分になってもこの体は再生できるんだ。
なんとか逃げるくらい可能でしょ、多分ね。
アンがちゃんとした肉体で転生できるなら別にいいや。
この体、酷使することになるけどごめんね。
大事に使うからね。
≪……君風に言えば、自分で星殆どのエネルギーを凝縮させて……魔王を作り上げるって言ってるのよ?≫
『あ!そういう感じ!?魔王討伐しとかないと不安だったんだよね!練習にちょうどいいじゃん!』
≪練習って……そんな……≫
『ひょっとしたらダンジョン外で魔王に会うかもしれないでしょ?だから練習!魔国の王って意味じゃないよ?あ、そうそう!91階層から下のダンジョンの地形は変えて欲しいんだよね?戦いに集中したい!それはソフィア様に言えばいいんだよね?せっかくだしお花畑とか湖とか生活環境すごい良いマイナスイオンに満ち溢れてそうな星にして欲しいな~』
≪もう……クロム君相手に話すのは馬鹿らしくなってきたわ……≫
『なんで?星殆どのエネルギー集めた敵倒せたらその後は超安心安全のスローライフじゃん!後は宇宙からの侵略者とか裏ボスとか邪神相手じゃなければ大丈夫かな?そういえば僕MP70億にしないとダメなの!魔石なしでエデンまで転移したいしさ?キリ悪いな。100億でいいや』
≪…………≫
『ソフィア様に星が衰退してるって話聞いてから手っ取り早くエネルギー稼げる方法ずっと考えてたんだけど……?あれ?僕間違ってないよね?超効率良いよね?ソフィア様もそう思うよね!?もしもーし』
≪…………≫
『ねぇねぇ?なんで放心してるの?聞いてる?アンを復活させてもらうんだからそれくらいやるよ?ソフィア様~。他の条件は~?おーい』
『…………』
≪目の前で見ると……デカいわね……≫
『んなこと言われてもね……』
フェンリルですからね。
なんか久しぶりにソフィア様と面と向かって話す気がする。
ちょくちょく話してるんだけど通話みたいな感じで喋ってたからさ。
ってことで今はソフィア宅にお邪魔している。
相も変わらず意識を連れて来られたようだ。
でも実態もあるんだよ?
不思議な仕組みだなぁ。
クラマとおばあちゃんももちろんいるんだ。
この3人だけになるのは珍しい組み合わせだなぁ。
「……パパ」
『何、クラマ?』
「……狭い」
『ですよねー!』
ソフィア様のお宅って超無駄をそぎ落とした真っ白な空間。
それに白のテーブルと黒のソファー。
生活感皆無な空間なんだ。
家帰ってくる暇なんてないって言ってたしね。
で、広さは……
10畳くらいなんだよ。
神ハウスなのに全然神殿とかじゃないんだ。
要するに、
神界に転送された瞬間、ソフィア宅でおしくらまんじゅう開始だ。
≪要らないでしょ神殿なんて。邪魔よ。無駄じゃない。それにウチにはこの部屋しかないわ≫
うん、完全に同意するよ。
1人暮らしで神殿なんて移動時間の無駄にも程があるもんね。
≪喋りなさいよ≫
『いや、さすがに女性のお宅に口出すのはどうかなと思う訳で……。ましてや一応神な訳で……。更に一応上司な訳でして……』
「我は外でもよいのじゃが……」
≪はいはい。そんな配慮要らないわ。前来た時に『何もないね』って言ってたでしょうに≫ パチンッ
ブワッ!
『なんだなんだ!?』
「……すごい」
「さすが神じゃのぉ……」
『これも科学的にやってるだけ。私達の文明では神の力でも何でもないわ。はい、座って。クロム君は床の方が楽でしょ。柔らかくしておいたわ』
うわ、なんだこれ。
僕の下だけフワフワだ……。
素材を変えたのか?
そして今、ソフィア様が指パッチンした瞬間に空間がブワッと広がったよ!?
30畳くらいになったのかな?
合わせて家具のサイズも大きくなった……。
さすが超高度文明だ……
『なるほど……。必要ないから作ってないだけって話か』
「作ってないというか、空間なんてある程度操作できるわ」
やばいじゃん。
僕空間魔法って転移とエリア系しかつかえないのに……。
ソフィア様絶対強いよね?
戦闘興味ないっていってるけどさ……。
僕にもこれ出来るかな?
敵との距離を一瞬で離したり……
≪どうせ自分もできるかなとか考えてるんでしょ?どうでしょうね?既にテーブルや床に関しては出来るでしょ?空間操作も頑張れば出来るかもね?君のことはもう私にも想像がつかないわ……。っていうか、君の考えなんて最近心読まなくてもわかるわね≫
あ、そうか。
これ地魔法で同じこと……
いやいや。
『ついね。ごめんごめん。愚痴聞くんだったね。先にお酒飲む?』
≪おねがい!もうほんと疲れたんだから!甘いものでも飲みながら話したいわ!≫
甘いもの?
えっと……
これとこれとこれを
ババババババババババババババババッ!
トクトクトクトク……。
カランカランカラン。
シャカシャカシャカシャカ………
「「≪…………≫」」
『はい。ビーズニーズもどき。強めのお酒に蜂蜜と柑橘類の果汁適当に入れてみた。クラマはこれ飲みな?蜂蜜ミルクに少しだけワインのアルコール飛ばしたやつ入れたんだ。これくらいなら飲めると思うよ?』
「……コクッ。初めて飲んだ」
『まぁ、今思い付きで作ったやつだしね?ワインの匂い苦手なら普通の蜂蜜ミルクにするよ?』
「……大丈夫。これはおいしい。またつくって」
「クロム……お主は何でも出来るのぉ……うまいのじゃ……はぁ……」
『何でもは出来ないって。スチュワードさんのが上手いでしょ。僕は上っ面だけだよ』
まぁ仕事しまくってたしね。
バーなんか深夜労働の鉄板でしょ。
あと個人的に安酒飲むためにリキュール揃えて色々作ったりしてたんだ。
自分で作る方が安いんだよ。
それに、今既にカメラの作り方わからなくて悩んでるんだよねぇ……
≪相変わらず器用貧乏極めてるわね?それにフェンリルの動きじゃないわ。何よそれ。無属性魔法?……まぁもう君の事いちいち気にしても仕方ないわね~。頂くわ。ゴクッ。……はぁ~甘くておいしいわ~≫
『ありがと、……ってうっせぇ!2言余計だぞ!!ちょっとアルコール強めだよ?ゆっくり飲んでね』
「クロムは飲まんのかぇ?」
『この体、僕少しくらい酔っちゃうみたいだからさ?真剣に聞きたいと思って……』
「酒を分解くらいできるじゃろ?回復魔法をつかえばええんじゃ。ウォーターエイドで大丈夫じゃぞ?」
『あ!そうか!ありがとおばあちゃん!じゃあ僕も飲もっと!』
「クロムは変なところが抜けておるのぉ~!うふふ」
≪………≫(ふ~ん……なるほどねぇ……)
「……ソフィ。……肉……焼けない」
≪あ、お肉焼きたかったの?ここでいいわよ?燃えたりしないし匂いもつかないわ?私にもちょうだい?≫
「……食べる?いいよ」
・
・
・
何故か突然始まったソフィア様との団欒会。
凄く大変な作業をしてきたみたいだから話す前にリラックスは大切だね。
ソフィア様とおばあちゃんがソファーに座って向かい合ってカクテルを飲んでいる。
僕もテーブルのサイドで床に伏せた状態で魔力手でお酒を飲んでいる。
狼の口がちょっとコップでは飲みにくいんだ。
ガバッと入っちゃうんだよね。
だからワインの陶器ボトルごといっちゃう!
敢えてね?こっちの方がちょっとずつ飲めるんだよ。
そしてクラマが僕の反対側。
何故か室内で肉を焼きながら蜂蜜ミルクを飲んでいる。
クラマは自分の焼いたお肉を人に振舞うのが好きなんだ。
ソフィア様には初めて食べてもらえるからノリノリだ。
床で尻尾が揺れている。
とても謎の空間だ……。
まぁ楽しめてたらそれでオッケー。
『で、愚痴は?大丈夫?心ここにあらずじゃん……』
≪あぁ、そうだったわね。疲れて放心しちゃったわ。ちょうど今帰ってきたのよ……≫
そんなに?
いつもすごく大変そうだけどここまで放心してるの見たことなかったぞ……。
≪何から話そうかしら……。先にティアマトの件からじゃなくていいの?≫
「我は後でよいぞ?先にスッキリしてから話してくれるとよいのじゃ」
≪そう、じゃあお言葉に甘えるわ。端的に言うと……≫
端的に言うと……?
≪条件付きでアン君の転生、引き受けてあげる≫
『マジでッ!?』ガバッ
ガッシャアアアアアンッ
ボウッ。
「「≪……………≫」」
『クラマ大丈夫ッ!?”キュア”ッ!火傷は!?』
やっばッ!
立ち上がった衝撃でクラマに僕のワイン飛んで行った!!
しかも一瞬肉燃え上がったぞ!?
「……ぼくの肉」
『ごめんクラマッ!あ!でもかかってるの僕のワインだからそれはそれでフランベ的な……』
「……ふらんべ?それ、おいしい?」
『た、たぶん………いや、それより体!』
「……ぼく、炎無効……。でも肉……」パクッ
「……!おいしい……。ワイン……かける……なるほど……」ジュー。
はぁ……よかった……。
クラマ火傷してなかった……。
それにしても凄いなクラマ……。
全然動じずにまた肉育てだしたぞ……。
ポタッポタッ……。
『あぁ!おばあちゃんがずぶ濡れだッ!ごめんよ!えっと、火属性抜きの”クリーン”ッ!えっと……ドライ……は、僕が魔法使ってやりすぎるとやばい気がする……。まだちょっとこの体出力抑える方の微調整自信ない……。おばあちゃん水龍だし……えっと……』
「我は大丈夫じゃ?”ドライ”。クロムに勝てるのは水分の調整くらいじゃからの?ふっふっふ」
クリーンもドライも火属性で乾燥入ってるからさ。
全力でやっちゃっておばあちゃん干上がっちゃったら怖いよ……。
少しずつ色々試していかないと……。
ボタボタボタボタ……。
≪……ねぇ。私は?1番濡れてるの私なんですけど……≫
……
『すみません……”クリーン”……』
≪まさか君達の為に働いてきて、ずぶ濡れにされると思わなかったわ……≫
『マジですみません………』
≪私、最後なの?≫
『いや、つい……』
≪あは、あははははははは!≫
あ、やば……。
疲れてるところに色々ぶち込んだせいでソフィア様が壊れた……
≪はぁ~あ。久しぶりに笑ったわ~。ず~っとしかめっ面してたんだもの。それでこそクロムくんね!冗談よっ!ちょっとしたストレス解消!これでこそ仕事してきた甲斐があるってものだわ!お酒また作ってくれない?いい気分転換になったわ!≫
壊れたんじゃなかったのか……。
よかった。
それにしても何がそんなに面白かったんだ?
『端正込めて作らせて頂きます……』
「……アンの話。条件?」
あ、クラマしっかり聞いてるんだね。
≪そうね。全てうまくはいかなかったのよ……。クロム君への条件になるわ≫
僕……?
・
・
・
とりあえずぐちゃぐちゃになった部屋をソフィア様が一瞬で片付けてくれた。
僕が乾かす必要あったのかな……。
絶対ないでしょ。
で、だ。
すこし落ち着かせて欲しい、とのことでソフィア様を待っている。
気まずそうな顔してるんだ。
なんで……?
≪ふー。よし、言うわね。まず、こちらからの援助は一切出来ない。だから必要なエネルギーは全てクロム君負担になるわ……。システムの構築分からになるの。そんなのクロム君が負担すべきじゃないのに……≫
神力か……。
そうか、輪廻転生させるにもエネルギー使うんだもんな。
『どれくらい?』
≪今君が稼いだ分の倍程の神力を貰うことになるの……ごめんなさい≫
『何で謝るの?ソフィア様のおかげでアンは転生できるんでしょ?僕等の為に動いてくれたんだね。本当にありがと。パパっと稼ぐね』
≪え!?いいの!?≫
『なにがダメなの?僕の要望じゃん』
それに神力なんてどうでもいいじゃん。
アンが大切だもん。
≪君が稼いだエネルギーって惑星10年分程以上にはなるのよ?その倍よ!?君が消費している分を考えなければ数億単位の生命体が稼ぐようなエネルギーなのよッ!?金銭換算なんてできるレベルじゃないけれどそれは凄い功績で……≫
だから何なんだろうか……。
僕の知らない他人の数億の功績がどうしたって……?
命ならともかくすんごい興味ね~。
『知らないよそんなの。びっくりするくらいどうでもいい。今晩クラマが焼いてくれる肉の方が気になる』
「……がんばる。アンのお祝い」
『いいね!パーッと肉食おうぜ!!』
「まぁそうじゃろぉのぉ。ちなみにそれは我らが手助けしてはならんのか?」
≪え、えぇ。あとで理由を説明するわ……。クロム君1人で、なの≫
『その間ご飯も作ってもらっちゃダメなの?みんなと一緒に居ることもダメとか……』
≪い、いや……。それは構わないけれど≫
『じゃあ手助けアリじゃん。家庭の方が大切でしょ。僕1人ぼっちでもアンの転生の為にもちろん頑張るけどさ……。またしばらく寂しい思いさせるなぁと思って。僕も寂しいし。みんながいるなら全然いいや。で?次は?それだけ?』
≪……で、次は?それだけ……って……。えっと……。その体を最大レベルまで引き上げて欲しいのよ……。これはどうしてもこっちに体を分解して持ってくるときに魔力のロスがはっせいし≫
『そもそもそうするつもりだったよ?どこまでトレーニングしていいかわかんないし。で?他は?』
≪……そんな簡単な話じゃないでしょ。君……もうレベル上がらないわ……。既に強すぎるもの。魔石食べるのにも限度がある。だから君がフェンリルの魔力循環比率をそれ以上上げることはもう……。だからこんな無理な条件は飲めないって……≫
レベルって本来魔力循環比率とか言うんだ。
へぇ~。
『そうなの?いいや別に。魔石食べ飽きたし』
≪いいや、別にって……。もうダンジョンの魔物を倒してもレベル上がらないでしょ?≫
『僕、ダンジョンの管理していいんだよね?』
≪え、えぇ。それはもちろん≫
『ダンジョンのエネルギー全部最下層に注いでいい?』
≪はっ!?≫
『人が入れるエリアに使ってるエネルギーってすごく微量だよね?たしか50階層までで10%も割り振ってなかったんじゃなかったっけ?超無駄じゃん。じゃあ残りのエネルギーを1階層に注げば90%のエネルギー注いだ敵を出せるよね?その魔物の数を削りまくればもっともっと1体当たりは強くできるよね?間違ってる?』
じゃあ僕が稼げるエネルギー効率もすっごい良くなるよね?
階層行ったり来たりしなくて良くなるじゃん!
一石二鳥だよ。
仕事なんかササっと終わらせてみんなとのんびり過ごすのだ!
これダンジョン任せてもらえるって言われた時からずっと考えてたんだよね~。
ある程度できることも聞いてるしね。
元々そうやって訓練しようと思ってたんだ。
魔石食べても本質的にはもう強くならないじゃん。
魔物とかエネルギーの割り振りも自分で変更できるんでしょ?
しかも永続型とか単発型とか選べるんだっけか?
アンがそのせいで寄生するしかなかったんだもん。
しっかり覚えてるよ。
それに勝てなくてもボス階層から僕だけ逃げれるようにすればよくね?
ヌルゲーじゃんッ!
最高のレベル上げだよ!
超名案じゃない?ね?
「……もっと強い敵?」
「く、クロム……。それはちょっとどうかのぉ……」
≪な、なにを言っているかわかってるの……?クロム君は……死にたいの……?疑似生命体には強さに制限がないのよ……?≫
『死なないよ?自分で調整していいんでしょ?魔物も選んでいいんでしょ?やばかったら階層から逃げるよ?』
ってか僕不死じゃん。
バラバラにさえならなければきっと体半分になってもこの体は再生できるんだ。
なんとか逃げるくらい可能でしょ、多分ね。
アンがちゃんとした肉体で転生できるなら別にいいや。
この体、酷使することになるけどごめんね。
大事に使うからね。
≪……君風に言えば、自分で星殆どのエネルギーを凝縮させて……魔王を作り上げるって言ってるのよ?≫
『あ!そういう感じ!?魔王討伐しとかないと不安だったんだよね!練習にちょうどいいじゃん!』
≪練習って……そんな……≫
『ひょっとしたらダンジョン外で魔王に会うかもしれないでしょ?だから練習!魔国の王って意味じゃないよ?あ、そうそう!91階層から下のダンジョンの地形は変えて欲しいんだよね?戦いに集中したい!それはソフィア様に言えばいいんだよね?せっかくだしお花畑とか湖とか生活環境すごい良いマイナスイオンに満ち溢れてそうな星にして欲しいな~』
≪もう……クロム君相手に話すのは馬鹿らしくなってきたわ……≫
『なんで?星殆どのエネルギー集めた敵倒せたらその後は超安心安全のスローライフじゃん!後は宇宙からの侵略者とか裏ボスとか邪神相手じゃなければ大丈夫かな?そういえば僕MP70億にしないとダメなの!魔石なしでエデンまで転移したいしさ?キリ悪いな。100億でいいや』
≪…………≫
『ソフィア様に星が衰退してるって話聞いてから手っ取り早くエネルギー稼げる方法ずっと考えてたんだけど……?あれ?僕間違ってないよね?超効率良いよね?ソフィア様もそう思うよね!?もしもーし』
≪…………≫
『ねぇねぇ?なんで放心してるの?聞いてる?アンを復活させてもらうんだからそれくらいやるよ?ソフィア様~。他の条件は~?おーい』
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しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
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公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
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