装甲航空母艦信濃      南東の海へといざ参らん

みにみ

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南洋諸島沖決戦

第一次攻撃隊発艦

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1944年12月17日
午後の陽光がマリアナ近海を照らす中
帝国海軍の連合艦隊は朝の激戦の傷を負いながらも
反撃の機を窺っていた。本隊甲部隊の空母大鳳は
米軍の500ポンド爆弾による火災の爪痕を残し、飛行甲板に焦げた破口が広がる
翔鶴も同様に被弾し、応急修理で辛うじて戦闘を継続していた
瑞鶴は無傷だったが、迎撃隊の紫電改ニ20機と零戦15機の喪失は
連合艦隊の航空戦力に暗い影を落としていた。

大鳳の作戦室では、小沢治三郎中将が参謀たちと海図を囲む
朝の時点で米軍の第58任務部隊が空母15隻
艦載機約900機を擁することが判明していた
対する連合艦隊の艦載機は404機、半分以下だ。

「敵の空母を叩かねば、次は我々が壊滅する。」
小沢の声は低く決意に満ちていた。

参謀の一人が進言する。
「提督、彩雲の報告では
 敵機動部隊が攻撃可能な距離にいます彗星と天山で集中攻撃を。」

小沢は頷き
「即刻攻撃隊を準備しろ。翔鶴の彗星
 瑞鶴と信濃の天山で敵空母を叩く。長距離飛行のできる零戦で護衛を固めろ。」

命令は即座に各艦に伝わり、飛行甲板は再び活気づいた。
翔鶴では彗星21機が五十番爆弾(500kg)を搭載し
瑞鶴の天山14機、信濃の天山22機が魚雷を装備
零戦は本隊甲部隊と乙部隊から計50機が護衛に割り当てられた
パイロットたちは、朝の損失で疲弊した仲間を思いながら、コックピットに乗り込む


午後1時、連合艦隊の攻撃隊が次々と発進。
翔鶴の彗星隊は、隊長の山口健次中佐が率い、
エセックスへの急降下爆撃を任務とする。
瑞鶴の天山隊は、佐藤和夫大尉が指揮し、
エセックスへの雷撃で対空網を撹乱。
信濃の天山隊は、高橋正明中佐が率い、雷撃を担当
零戦50機は、米軍のF6Fヘルキャットを迎撃し、攻撃隊を護衛する。


大鳳の飛行甲板は朝の被弾で損傷していたが、
応急修理で一部運用が可能に。瑞鶴の甲板で
藤田総司少佐が零戦に乗り込み、「兄貴の仇をここで取る」と呟く
翔鶴の彗星隊は、甲板の破口を避けながら発進。
信濃の天山隊は、阿部俊雄大佐が見守る中、整然と飛び立つ。
「諸君、敵空母を叩け!帝国の未来はお前たちにかかっている!」
阿部の声が甲板に響き、パイロットたちの士気を高めた。

攻撃隊は高度3000メートルで編隊を組み、米軍任務部隊へ向かう。
雲の切れ間を縫うように進む機体は、陽光に銀色に輝く。
彼らの心は、戦友の犠牲を思い、燃えていた。零戦の護衛隊は
編隊の両翼を固め、米軍の索敵機を警戒。藤田少佐は無線で叫ぶ。

「敵機が来たら、俺が叩く!攻撃隊を守れ!」


米第58任務部隊は、ホーネットII、ヨークタウンII
エセックスなど15隻の空母を中心に、戦艦ノース・カロライナ、コロラド
駆逐艦数十隻が鉄壁の防空網を形成していた。
エセックスとカウペンスは、任務部隊の中央に位置し
F6Fヘルキャットの戦闘空中哨戒(CAP)が上空を旋回
対空砲は5インチ砲、40mmボフォース、20mmエリコンが、敵機の接近を待ち構える。

攻撃隊が米軍任務部隊から100マイルに接近したとき
F6Fヘルキャット30機が編隊を捕捉。

「敵攻撃隊、10時方向!迎撃しろ!」
米軍パイロットのジェームズ・トンプソン中尉が無線で叫び
ヘルキャットが急降下。零戦50機が即座に応戦し、空中戦が始まる
藤田少佐はれいsを急旋回させ、F6Fの背後に回り込む。
20mm機関砲が火を噴き、ヘルキャットのエンジンが炎に包まれる。
「1機!」藤田は叫ぶが、別のF6Fが背後に迫り
12.7mm機銃が零戦の尾翼を撃ち抜く。「くそっ!」藤田は機体を振り
雲に逃れるが、僚機の山本一飛曹の零戦が撃墜される。

零戦は機動性に優れるが、装甲の薄さが仇となり
ヘルキャットの集中砲火に耐えられない。19機の零戦が次々と撃ち落とされ
護衛隊の陣形が乱れる。彗星隊と天山隊は
護衛の隙を突かれ、F6Fの攻撃を受ける。彗星3機が撃墜され
天山2機が海に落ちる。
山口中佐は無線で叫ぶ。「攻撃隊、前進!母艦を叩け!」

彗星隊は、米軍の対空砲火を掻い潜り
艦隊中心右側のエセックスへ突進。高度4000メートルから急降下を開始する
山口中佐は先頭機で照準を合わせ、「飛行甲板中央を狙え!」と無線で指示
エセックスの5インチ砲が火を噴き、40mmボフォースが黒煙の幕を張る。
彗星のパイロット、田中宏一飛曹は、対空砲火を避けながら急降下。
「当たれ!」と叫び、五十番爆弾を投下。爆弾はエセックスの飛行甲板中央
駐機中のF6F近くに命中。轟音と共に甲板が裂け、爆発が駐機機を炎に包む
破片が四散し、甲板員が悲鳴を上げる。

続いて、佐藤健二少尉の彗星が後部甲板を狙う。
対空砲火が機体を掠め、右翼に穴が開くが、佐藤は照準を維持。
「今だ!」爆弾は甲板後部に命中し、格納庫へのエレベーターを破壊
火災が広がり、黒煙が立ち上る。エセックスの艦長
ラルフ・A・オフスティ大佐は艦橋で叫ぶ。「消火班、急げ!飛行甲板を確保しろ!」
乗組員がホースを手に駆けつけ、火災を抑え込むが
甲板の2つの破口は飛行運用を制限。エセックスは中破状態に追い込まれた。

瑞鶴の天山隊は、エセックスへの雷撃で対空網を撹乱
佐藤和夫大尉は低空飛行で接近し、魚雷を放つが
エセックスの急旋回で外れる。対空砲火で天山2機が撃墜され
佐藤は無線で叫ぶ。「攻撃続行!敵を混乱させろ!」天山隊の支援で
彗星隊の成功率が高まり、エセックスへの打撃を確実にした。


信濃の天山隊は、カウペンスを標的に低空で接近。
高橋正明中佐は、「機関部を狙え!艦を止めるんだ!」と指示。
カウペンスの対空砲は5インチ砲と20mmエリコンが火を噴き、
F6Fヘルキャットが追撃。搭乗員の栗山浦乃江少尉は天山を波の上すれすれで操り、
「魚雷、発射!」と叫ぶ。魚雷は水面を滑り
カウペンスの右舷中央に命中。爆発が船体を揺らし、機関部に水が流れ込む。

続いて、岡田一飛曹の天山が左舷後部に魚雷を命中。
爆発はプロペラシャフトを破壊し、カウペンスは航行不能に。
艦長ウィリアム・H・レイノルズ大佐は艦橋で叫ぶ。
「浸水拡大!応急班、急げ!」だが、機関室は完全に水没し、電力が喪失。
カウペンスは大きく傾き、乗組員は救命ボートへ避難を開始。
レイノルズは無線で救援を要請し、「カウペンス、戦闘不能。退避準備」と報告。
大破したカウペンスは、後に除籍の運命をたどる。


米軍のF6Fヘルキャットは、攻撃隊を執拗に追撃。
トンプソン中尉はヘルキャットで彗星を追う。
「逃がさねえ!」と叫び 12.7mm機銃で彗星2機を撃墜
零戦の護衛隊は奮戦し、F6F5機を撃墜するが、19機を喪失
藤田少佐はF6F1機を撃墜後、被弾し瑞鶴へ強行着艦
「まだ戦える!」と叫ぶが、機体は修理不能に。

彗星隊は27機中9機が撃墜され、帰還機も多くが損傷。
天山隊は8機を失い、栗山少尉の機体は翼に弾痕を残しながら信濃へ帰還
高橋中佐は無線で報告。「敵母艦に魚雷2本命中!だが、損失は大きい。」
阿部大佐は艦橋で報告を受け、「よくやった。だが、次が本番だ」と呟く。

戦闘の終結とその後
攻撃隊の帰還後、小沢は作戦室で戦果を確認。
「敵母艦2隻撃破だが、彗星27機、天山8機、零戦19機の損失は痛い。」

参謀が提案。「提督、次は夜間攻撃で敵を撹乱しましょう。」

小沢は頷き、「準備を急げ。敵の第二波が来る。」

エセックスでは、消火班が火災を鎮圧し
応急修理で飛行甲板を部分的に復旧。オフスティ大佐は
「次の攻撃に備えろ」と命じる。カウペンスは救命ボートで乗組員が脱出し
駆逐艦が救助。レイノルズは、「我々の戦いは終わらん」と呟き、退避する。

連合艦隊は、航空戦力の損失に直面しながらも、米軍に打撃を与えた
マリアナ沖海戦は、新たな局面へと突き進むのだった。
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