If太平洋戦争        日本が懸命な判断をしていたら

みにみ

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決戦 あ号作戦

戦闘機掃討戦

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1944年9月30日、午後5時45分。
小沢艦隊から発進した第二次攻撃隊は、敵艦隊を目指し
一路東へ向かっていた。彼らの編隊には
彗星一二型21機、天山18機、九九式艦爆8機
そして護衛の零戦4機と烈風4機が含まれていた。

彼らが航行する空域には、先ほどまで激しい空戦が繰り広げられたばかりで
無数の黒煙が、空に不気味な線を引いていた。
彼らは、この空戦を生き延びた英雄たちだ。
彼らの心には、死んだ仲間たちの無念と
そして、今度こそ敵に致命的な一撃を与えるという、強い決意が燃え盛っていた。

日本軍の第二次攻撃隊と、米軍の第二次攻撃隊は、同じ空域を交差した。
互いの編隊が、視界の隅に映った時、両軍のパイロットたちは
一瞬、身構えた
しかし、どちらも、敵艦隊への攻撃という、自らの使命に必死だった。

「…行くぞ…!奴らを、この手で叩き潰す!」

日本のパイロットは、叫んだ。
彼らは、敵艦隊の位置を、一刻も早く特定し、攻撃を仕掛けなければならない。

一方、米軍のパイロットも、同様の思いだった。
彼らは、日本の航空隊が、この空域に全力を投入していると信じていた。
彼らは、この隙に、日本の艦隊を叩き、この戦争の主導権を、再び握ろうと焦っていた。

両軍は、互いを無視し、それぞれの航路を突き進んだ。
彼らは、互いが、それぞれの艦隊を攻撃目標としていることを知っていた。

そして、その指揮官は、入佐俊家中佐を失った日本攻撃隊にとって
次席指揮官は千歳艦爆隊の山野部大尉だった。
彼の心には、銃座の梶田少尉の死が、重くのしかかっていた。
彼は、梶田の犠牲を無駄にしないためにも
この攻撃を成功させなければならないと、強く心に誓っていた。


午後6時頃。敵編隊の網を超えた攻撃隊は、驚くべき光景を目にした。
敵艦隊上空で、すでに空戦が始まっていたのだ。
白煙が交差し、その度に黒煙を上げて、一機、また一機と、空から落ちていく。

「一体…何が…?」

山野部大尉は、無線機で、仲間たちに問いかけた。
しかし、返事はない。彼らは、目の前の光景に、困惑していた。
彼らが到着する前に、一体何が起きていたのか、彼らには分からなかった。


時間は、20分ほど前に遡る。

『ワシントン』の艦橋では、レーダー監視員からの報告に、緊張が走っていた。

「不明機はゼロ!グアム方面より、敵機です!」

ミッチャー提督は、即座に命令を下した。

「第二次直掩隊、急げ!インディペンス級からも出せ!急げ!」

甲板上では、次々とF6Fヘルキャットが発艦していく。
しかし、交戦を始めたヘルキャット隊から、不可解な連絡が入った。

「敵機はトニー(三式戦)とゼロのみ!
 敵のベティ(一式陸攻)やジル(天山)は見ず!我、ゼロと交戦中!」

ワスプIIの戦闘指揮官は、その報告に困惑した。
彼は、高度をとり、攻撃機を探せと指示を出したが、レーダーには、攻撃機の反応はなかった。

「なぜだ…?」

ミッチャーは、困惑した。日本の攻撃隊は、なぜ、戦闘機だけでやってきたのか。

その答えは、先ほどの空戦で被弾し
『ワシントン』に助けられた搭乗員が、冷静に分析してくれた。

「二つの可能性があります。一つは、敵攻撃隊が遅れてやってくる可能性。
 もう一つは、ファイタースイープ、戦闘機掃討戦を狙ってきている可能性です」

ミッチャーは、その言葉を聞いて、顔を青ざめさせた。
ファイタースイープは、戦闘機をひたすら繰り出して
敵の戦闘機を削り、今後の航空戦を有利に進めるための戦略だ。

もし、それが本当ならば、フランクリンとバンカーヒルという
正規空母二隻を実質的に失っている米軍にとって
これ以上、戦闘機を消耗することは、致命的だった。


しかし、ミッチャーは、この状況を逆手に取った。
彼は、日本軍が、戦闘機掃討戦を狙っている今が、好機だと判断した。

「…第二次攻撃隊を発進せよ!敵航空隊が全力を繰り出している今が好機だ。
 敵部隊の直掩に、戦闘機は少ない!敵機が来る前に、急げ!」

彼の決断は、乾坤一擲だった。彼らは、日本の戦闘機隊が
自らを犠牲にして、時間を稼いでいる間に
日本の艦隊を叩き、この戦いを終わらせるつもりだった。

すでに、出撃準備ができていたTBFアヴェンジャーと
SB2Cヘルダイヴァー部隊が、次々とカタパルトで打ち出され、日本艦隊へと向かっていく。

パイロットたちは、夕暮れに帰還することになるだろう。
そして、彼らが帰ってくる時に、母艦が生きているかどうか
彼らには分からなかった。
しかし、彼らは、その不安を押し殺し、勝利を信じて、空を飛んでいた。


そして、それが、山野部大尉が目の当たりにした光景だった。
彼らが到着する前に、日本の基地航空隊の戦闘機隊が戦闘機掃討戦を仕掛けていたのだ。

「…そうか…!俺たちは、奴らの命と引き換えに、ここに来たのか…!」

山野部は、その事実に気づき、胸が締め付けられるようだった。
彼らが母艦上空で敵編隊を食い止めていたからこそ
第二編隊の迎撃を受けることがなかったのだ
彼は、梶田少尉の死を思い出し、その犠牲を無駄にしないと、改めて心に誓った。

ほぼ同時刻 米軍の攻撃機は、すでに、日本艦隊上空で、猛烈な攻撃を開始しようとしていた。
日本の熾烈な対空砲火が打ち上がる
彼らは、この戦いが、単なる空戦ではなく
両軍の命運をかけた、壮絶な死闘へと変わっていくことを、悟っていた。
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