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第八章 開戦
第十七話 ひらめき
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「それにしてもフラムさん、本当にお強くなられていてびっくりです」
「そう言うシャルロアだって、かなり強くなってるみたいね。特に精神面は」
「いえいえ、私なんかまだまだ。私が手も足も出なかった魔獣をあんなに簡単に。あの炎の中、無傷でいるなんて凄いです。どうやったんですか?」
「あれは、炎を放出する前に自分の周りに氷の膜を張ったのよ。かなり強い氷魔獣がよく使う防御法を真似させて貰っただけよ」
「五属性を使える特異質のフラムならではの戦い方ですね。それにその剣、それは十傑のヴァイトですね。それが今の戦い方を可能にしているのでしょう。やはり、先生の元に修行に行かせて正解だったようですね」
褒められてもフラムの表情は曇る。
「その代わり大変だったわよ」
「そんなに厳しかったんですか?」
「厳しいってもんじゃないわよ」
思い起こすだけでもフラムの背に悪寒が走る。
「ほれ、どうした? このままじゃと日が暮れてしまうぞ」
囃し立てるウォルンタースの眼前で、フラムは死魔獣相手に孤軍奮闘していた。しかし、斬っても斬っても死魔獣達は傷が塞がり、襲い掛かって来る。
「あんたもちょっとは手伝いなさいよ!」
文句を洩らす相手のフリードは、先程からゼクスを持ち上げては右へ左へ、前へ後ろへとフラフラするばかりで、重さに耐え切れずに直ぐに剣の切っ鋒を下ろしてしまう。
ただ、振り下ろした時にたまたまその先に居る死魔獣を真っ二つに寸断する。
それだけに何処に振り下ろされるか分からない剣に、死魔獣も迂闊に襲い掛かれないでいる。
「さっきから何を遊んでんのよ!」
「遊んでる訳じゃないんだって。全然ゼクスが言う事を聞いてくれないんだって」
そんな二人の姿に、ウォルンタースは呆れ返る。
「全くなっておらんのお。背中にある剣は飾りか?」
「そんな事言ったって、今でもいっぱいいっぱいなのに、重い剣を二本も振り廻してたらそれこそやられちゃうわよ」
「全くお主と来たら、儂がその剣を取りに行けと言った時に、その剣について説明した言葉を忘れとるのか?」
「剣について? 確かあの時、この剣は二振りで一対って……もしかして!」
フラムは背中に残るもう一本の剣に手を掛けるが、鞘から引き抜く間もなく死魔獣が次から次へと襲い掛かって来る。
「これじゃあ試そうにも試せないじゃないのよ」
死魔獣の相手をしつつ、辺りの様子を窺う。
「そうだ!」
フラムは未だゼクスを持ったままふらついているフリードに駆け寄ると、自分とフリードの背中を合わせた。
「おいおい、何だよ一体?」
「少しの間、背中を借りるわよ」
今のフリードに、良いも悪いも言える状況ではない。
とは言え、ゼクスをフラフラさせているだけで、何処に振り下ろされるか分からない剣に、魔獣達はなかなか襲って来れないでいる御蔭で、フラムは楽にもう一本の剣を鞘から引き抜いた。
「さてと」
問題はここからだ。
二本の剣をあれやこれやと向きを変えてみる。
さすがにその間に一匹、二匹と魔獣が襲って来るが、その時は一本の剣を地に突き刺し、もう一本の剣で対応する。
その内に、二本の剣の柄尻と柄尻を合わせると、剣が変化を見せた。
お互いの柄尻が繋がり、二本の刃の部分が少し短くなると共に合わせて繋がった柄の部分が長くなる。
姿を変えたフラムの剣ヴァイトは、両方に短めの刃を持つ一本の剣と化した。
「ビンゴ!!」
「ほっ、ほっ、ほっ、ようやく気付きおったか」
一本になった剣をフラムは振ったり廻したりして感覚を確かめる。
「へえ~、確かに使いやすいわね」
「それで、俺の剣はどうすればいいんだ?」
「さあ」
「さあって」
「だって、私の剣とあんたの剣は全然形状が違うんだから。さて、これからが勝負よ!」
「おい、ちょっと!」
フリードが止める間もなく、フラムは離れて行く。
「そりゃないだろう…………」
「そう言うシャルロアだって、かなり強くなってるみたいね。特に精神面は」
「いえいえ、私なんかまだまだ。私が手も足も出なかった魔獣をあんなに簡単に。あの炎の中、無傷でいるなんて凄いです。どうやったんですか?」
「あれは、炎を放出する前に自分の周りに氷の膜を張ったのよ。かなり強い氷魔獣がよく使う防御法を真似させて貰っただけよ」
「五属性を使える特異質のフラムならではの戦い方ですね。それにその剣、それは十傑のヴァイトですね。それが今の戦い方を可能にしているのでしょう。やはり、先生の元に修行に行かせて正解だったようですね」
褒められてもフラムの表情は曇る。
「その代わり大変だったわよ」
「そんなに厳しかったんですか?」
「厳しいってもんじゃないわよ」
思い起こすだけでもフラムの背に悪寒が走る。
「ほれ、どうした? このままじゃと日が暮れてしまうぞ」
囃し立てるウォルンタースの眼前で、フラムは死魔獣相手に孤軍奮闘していた。しかし、斬っても斬っても死魔獣達は傷が塞がり、襲い掛かって来る。
「あんたもちょっとは手伝いなさいよ!」
文句を洩らす相手のフリードは、先程からゼクスを持ち上げては右へ左へ、前へ後ろへとフラフラするばかりで、重さに耐え切れずに直ぐに剣の切っ鋒を下ろしてしまう。
ただ、振り下ろした時にたまたまその先に居る死魔獣を真っ二つに寸断する。
それだけに何処に振り下ろされるか分からない剣に、死魔獣も迂闊に襲い掛かれないでいる。
「さっきから何を遊んでんのよ!」
「遊んでる訳じゃないんだって。全然ゼクスが言う事を聞いてくれないんだって」
そんな二人の姿に、ウォルンタースは呆れ返る。
「全くなっておらんのお。背中にある剣は飾りか?」
「そんな事言ったって、今でもいっぱいいっぱいなのに、重い剣を二本も振り廻してたらそれこそやられちゃうわよ」
「全くお主と来たら、儂がその剣を取りに行けと言った時に、その剣について説明した言葉を忘れとるのか?」
「剣について? 確かあの時、この剣は二振りで一対って……もしかして!」
フラムは背中に残るもう一本の剣に手を掛けるが、鞘から引き抜く間もなく死魔獣が次から次へと襲い掛かって来る。
「これじゃあ試そうにも試せないじゃないのよ」
死魔獣の相手をしつつ、辺りの様子を窺う。
「そうだ!」
フラムは未だゼクスを持ったままふらついているフリードに駆け寄ると、自分とフリードの背中を合わせた。
「おいおい、何だよ一体?」
「少しの間、背中を借りるわよ」
今のフリードに、良いも悪いも言える状況ではない。
とは言え、ゼクスをフラフラさせているだけで、何処に振り下ろされるか分からない剣に、魔獣達はなかなか襲って来れないでいる御蔭で、フラムは楽にもう一本の剣を鞘から引き抜いた。
「さてと」
問題はここからだ。
二本の剣をあれやこれやと向きを変えてみる。
さすがにその間に一匹、二匹と魔獣が襲って来るが、その時は一本の剣を地に突き刺し、もう一本の剣で対応する。
その内に、二本の剣の柄尻と柄尻を合わせると、剣が変化を見せた。
お互いの柄尻が繋がり、二本の刃の部分が少し短くなると共に合わせて繋がった柄の部分が長くなる。
姿を変えたフラムの剣ヴァイトは、両方に短めの刃を持つ一本の剣と化した。
「ビンゴ!!」
「ほっ、ほっ、ほっ、ようやく気付きおったか」
一本になった剣をフラムは振ったり廻したりして感覚を確かめる。
「へえ~、確かに使いやすいわね」
「それで、俺の剣はどうすればいいんだ?」
「さあ」
「さあって」
「だって、私の剣とあんたの剣は全然形状が違うんだから。さて、これからが勝負よ!」
「おい、ちょっと!」
フリードが止める間もなく、フラムは離れて行く。
「そりゃないだろう…………」
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