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第九章 サバイバル
第十五話 最初で最後の贈り物
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ビエントはケイハルトの体から三叉戟を引き抜くと同時に、向かって来たライディオスの爪を弾く。
休むことなく襲い掛かるライディオスが、ビエントをその場から引き離して行く。
支えを失ったケイハルトが倒れそうになるのを、ライオが受け止める。そして、静かにその場に仰向けにして寝かせ、頭を自分の膝に乗せる。
「何故邪魔をする、ライオよ? その男は初めから、お前を自分の子だと思っておらぬのだぞ」
普通のライディオスなら、ビエントの前に直ぐに串刺しになっていようが、ライオのライディオスは、ビエントの体に触れる事は出来なくとも、足止めにはなっている。
更に、
「先生!」
いち早く駆け付けたフラムが割って入るが、ライディオスは臆することなく二人を相手に渡り合い、ライオとケイハルトの元には行かせない。
「ビエントが申す通りだ。先ほども言ったが、私に家族など不要。なのにどうして助ける?」
「分からない。自分でも何故こうしているのか、分からない……」
「初めて会った時より、お前には非情になれぬ甘さがあった。それはあいつに似たのか。実に情けない」
ケイハルトは徐にライオの手を握った。
「バンディオ」
ライオの手を握るケイハルトの手が光を放つ。しかしそれは、直ぐに消えてしまった。
「今の言葉、何処かで……」
「今の呪法は譲渡の━━」
「譲渡?」
ライディオスと一戦交えつつ、フラムは片隅に眠る記憶の引き出しを探る。
ライオは慌ててケイハルトの手を振り払い、不思議そうに握られていた手を見つめる。
「一体何をした?」
「強くなれるおまじないのようなものだ」
「こんな時に冗談を」
「冗談? 私がそんな事を言うと思うか? ここまでは全て予定通りだ」
「予定通り? 何を馬鹿な」
「刺された事が予定通りと言うのが不思議か? まあ、本来ならビエントではなくお前に刺される予定だったのだがな。それに関しては予定外か」
「それじゃあ、最初から俺に殺されるつもりだったのか?」
「殺される? それも少し違うな。生きる為に死ぬ━━その方が正確だ」
「生きる為に死ぬ? さっきから何を訳が分からない事を」
「お前は知らずとも━━ぐはっ!」
再びケイハルトの口から血が噴き出す。
思わず身を乗り出したライオに、ニンマリと笑みを見せたケイハルトは、何やら服の中を弄った後、出したその手を素早くライオの首元に差し出した。
カチッと言う音と共にライオの首元に何かが嵌まった。
「な、何だ、これは!?」
「私からお前への贈り物だ。最初で最後のな」
一見煌びやかな首輪にも見えるその中央に、吸い込まれそうなほどの闇のような色をしつつも艶やかに光る宝石が嵌められ、形こそ違いがあるにすれ、それが何かはフラムには分かった。
「あれはアルドの!」
「アルド? では、あれが魔導具か」
「はい。でも、どうして魔導具をライオに? いえ、今はそんなことより早く止めないと」
そこにパルとフリード、そしてシャルロアが駆けつける。
「丁度いいわ。ここは任せたわよ」
さすがにこれだけの数が居ては、ライディオスもケイハルトの方に足を向けたフラムを追う訳にはいかない。
「は、外れない」
ライオは魔導具を必死に外そうとするが、まるでびくともしない。
「それはアルドに作らせていた魔導具だ。お前専用のな」
「お、俺の?」
「最後に私の血を与えて完成となる━━そうアルドが言っていた」
よく見ると、ライオの首に嵌められた魔導具は、ケイハルトの血に塗れている。
「後はお前が、一言こう言えばいい。ベルビス、とな」
「ダメよ、それを言っちゃあ!!」
ライオは駆け寄って来たフラムに気付いたが、少し遅かった。
「ベルビス?」
休むことなく襲い掛かるライディオスが、ビエントをその場から引き離して行く。
支えを失ったケイハルトが倒れそうになるのを、ライオが受け止める。そして、静かにその場に仰向けにして寝かせ、頭を自分の膝に乗せる。
「何故邪魔をする、ライオよ? その男は初めから、お前を自分の子だと思っておらぬのだぞ」
普通のライディオスなら、ビエントの前に直ぐに串刺しになっていようが、ライオのライディオスは、ビエントの体に触れる事は出来なくとも、足止めにはなっている。
更に、
「先生!」
いち早く駆け付けたフラムが割って入るが、ライディオスは臆することなく二人を相手に渡り合い、ライオとケイハルトの元には行かせない。
「ビエントが申す通りだ。先ほども言ったが、私に家族など不要。なのにどうして助ける?」
「分からない。自分でも何故こうしているのか、分からない……」
「初めて会った時より、お前には非情になれぬ甘さがあった。それはあいつに似たのか。実に情けない」
ケイハルトは徐にライオの手を握った。
「バンディオ」
ライオの手を握るケイハルトの手が光を放つ。しかしそれは、直ぐに消えてしまった。
「今の言葉、何処かで……」
「今の呪法は譲渡の━━」
「譲渡?」
ライディオスと一戦交えつつ、フラムは片隅に眠る記憶の引き出しを探る。
ライオは慌ててケイハルトの手を振り払い、不思議そうに握られていた手を見つめる。
「一体何をした?」
「強くなれるおまじないのようなものだ」
「こんな時に冗談を」
「冗談? 私がそんな事を言うと思うか? ここまでは全て予定通りだ」
「予定通り? 何を馬鹿な」
「刺された事が予定通りと言うのが不思議か? まあ、本来ならビエントではなくお前に刺される予定だったのだがな。それに関しては予定外か」
「それじゃあ、最初から俺に殺されるつもりだったのか?」
「殺される? それも少し違うな。生きる為に死ぬ━━その方が正確だ」
「生きる為に死ぬ? さっきから何を訳が分からない事を」
「お前は知らずとも━━ぐはっ!」
再びケイハルトの口から血が噴き出す。
思わず身を乗り出したライオに、ニンマリと笑みを見せたケイハルトは、何やら服の中を弄った後、出したその手を素早くライオの首元に差し出した。
カチッと言う音と共にライオの首元に何かが嵌まった。
「な、何だ、これは!?」
「私からお前への贈り物だ。最初で最後のな」
一見煌びやかな首輪にも見えるその中央に、吸い込まれそうなほどの闇のような色をしつつも艶やかに光る宝石が嵌められ、形こそ違いがあるにすれ、それが何かはフラムには分かった。
「あれはアルドの!」
「アルド? では、あれが魔導具か」
「はい。でも、どうして魔導具をライオに? いえ、今はそんなことより早く止めないと」
そこにパルとフリード、そしてシャルロアが駆けつける。
「丁度いいわ。ここは任せたわよ」
さすがにこれだけの数が居ては、ライディオスもケイハルトの方に足を向けたフラムを追う訳にはいかない。
「は、外れない」
ライオは魔導具を必死に外そうとするが、まるでびくともしない。
「それはアルドに作らせていた魔導具だ。お前専用のな」
「お、俺の?」
「最後に私の血を与えて完成となる━━そうアルドが言っていた」
よく見ると、ライオの首に嵌められた魔導具は、ケイハルトの血に塗れている。
「後はお前が、一言こう言えばいい。ベルビス、とな」
「ダメよ、それを言っちゃあ!!」
ライオは駆け寄って来たフラムに気付いたが、少し遅かった。
「ベルビス?」
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