187 / 208
第九章 サバイバル
最終話 止められぬ挙行
しおりを挟む
「どうした? 疲れて来たのではないか?」
余裕を見せるケイハルトに対し、アインベルクとビエントの動きは確かに鈍りつつあった。
「そちらは少し戦った後ゆえ、少し手を抜いてやっていたが、やはり老いたな」
「まだまだ!」
「強がるな!」
ケイハルトの剣がビエントの三叉戟を弾き、その体に斬りつける寸前、アインベルクの錫杖が割って入る。
返す刀でケイハルトの剣が今度はアインベルクに向けられるが、それをビエントの三叉戟が止める。
「ほう、昔から相性は良くなさそうであったが、こういう時は阿吽の呼吸か。ならば、これはどうだ!」
ケイハルトの剣がスパークする。
それを受ける度に、ビエントの三叉戟をに、アインベルクの錫杖に、雷撃が流れ込む。
体に流れ込むまでは防げてはいるものの、武具を持つ手が雷撃を受ける度に痺れて行く。
「お前達の属性は私の属性と相性が悪いからな。完全に防ぐ術はなかろう」
手が痺れて武具を落とすのが先か、斬られるのが先か、時間の問題にも見えた。
「残念だな。ダルメキアが滅びゆくのを見れなくてな!」
もはや勝利を確信し、不敵な笑みを見せるケイハルトの動きが止まり、その笑みは一瞬にして消え去った。
「お前は」
ケイハルトの剣を割って入って来たフリードの剣が受け止めていた。
「邪魔するぜ」
「あと少しと言うものを。本当に邪魔だ。それは確かにゼクスだな。お前、何者だ?」
「フリードって、旅の剣士さ」
「フリード? ああ、確か迅速と呼ばれている男だな。噂は聞いている。老いぼれの剣聖の元に居た事もな」
「へえ~、あんたに知って貰えているとは光栄だね。ただ、先生の悪口は頂けないな!」
フリードが合わせている剣の刃を滑らせるようにして、ケイハルトに突きかかるも、軽々と躱される。
更に間髪入れずに突きかかる剣がいつの間にか槍の様に変化している。
今度は横薙ぎに振るうそれが大剣のように変わっている。
その全てを躱されてはいるものの、反撃する隙を与えず、ビエントとアインベルクの二人を相手にしていた時の余裕を表情から消していた。
「この短期間でゼクスを上手く使えるようになるとは、さすがは先生の弟子ですね」
「感心している時ではないぞ。我々も今一度」
「言われなくとも分かっていますよ」
再びビエントとアインベルクが戦いに加わり、先程とは完全に形成が逆転した。
「くっ、さすがに三人が相手となると」
「では、私も加えて貰えますかね」
フリードの剣を弾き返したのはシュレーゲンだった。
「何処から現れやがった?」
フリードは勿論、ビエントとアインベルク、更にはケイハルトさえも、いつ何処から現れたのか気付かなかった。
「何処に行っていた?」
「ジェモグリエの召喚にかなり魔力を使いましたので、少し休ませて貰いました」
「全く、いつもお前は神出鬼没だな」
「それは褒め言葉ですかな? それはそうと、お遊びはここまでとなさいませ」
シュレーゲンが加わった事で、フラムとシャルロアも加勢しようと駆け寄って来るのが見える。
「これ以上は面倒な事になりそうだ。この体にも馴染んで来たようでもあるしな」
「させるかよ!」
フリードがシュレーゲンの剣を弾いてケイハルトに斬り掛かろうとするが、シュレーゲンも直ぐに剣を返してフリードの剣に合わせる。
「こいつ!」
今度はシュレーゲンに集中して剣を振るうが、その悉くが合わせられる。
その間にビエントとアインベルクがケイハルトに駆け寄ろうとするが、戦いの最中に裂け目から上がって来て死んだと思われる魔獣が死魔獣と化して、二人の行く手を阻む。
「ちゃんと手は打ってありますよ。さあ、ケイハルト様」
「抜け目ない奴よ。それが頼りにもなる」
ケイハルトは笑みを浮かべつつ、右手を天に掲げた。
「アルシオンボルトーア!」
空は元々曇っていたが、更に分厚く
黒く染まった雲が集まって来て、ケイハルトが居る場所を中心にして渦を巻き始めた。
「何が始まるってんだ?」
「ここまで来れば私の力はいりませんね」
フリードが一瞬だけ上空に気を取られている間に、シュレーゲンの後方には漆黒の魔獣召喚陣が現れていた。
「私もこれで退場させて貰いますよ」
「おい、待て!」
フリードが剣を振るうより早く、シュレーゲンは漆黒の魔獣召喚陣と共に消えてしまった。
「さあ、ダルメキアの終わりの始まりだ」
《最終章へ続く》
余裕を見せるケイハルトに対し、アインベルクとビエントの動きは確かに鈍りつつあった。
「そちらは少し戦った後ゆえ、少し手を抜いてやっていたが、やはり老いたな」
「まだまだ!」
「強がるな!」
ケイハルトの剣がビエントの三叉戟を弾き、その体に斬りつける寸前、アインベルクの錫杖が割って入る。
返す刀でケイハルトの剣が今度はアインベルクに向けられるが、それをビエントの三叉戟が止める。
「ほう、昔から相性は良くなさそうであったが、こういう時は阿吽の呼吸か。ならば、これはどうだ!」
ケイハルトの剣がスパークする。
それを受ける度に、ビエントの三叉戟をに、アインベルクの錫杖に、雷撃が流れ込む。
体に流れ込むまでは防げてはいるものの、武具を持つ手が雷撃を受ける度に痺れて行く。
「お前達の属性は私の属性と相性が悪いからな。完全に防ぐ術はなかろう」
手が痺れて武具を落とすのが先か、斬られるのが先か、時間の問題にも見えた。
「残念だな。ダルメキアが滅びゆくのを見れなくてな!」
もはや勝利を確信し、不敵な笑みを見せるケイハルトの動きが止まり、その笑みは一瞬にして消え去った。
「お前は」
ケイハルトの剣を割って入って来たフリードの剣が受け止めていた。
「邪魔するぜ」
「あと少しと言うものを。本当に邪魔だ。それは確かにゼクスだな。お前、何者だ?」
「フリードって、旅の剣士さ」
「フリード? ああ、確か迅速と呼ばれている男だな。噂は聞いている。老いぼれの剣聖の元に居た事もな」
「へえ~、あんたに知って貰えているとは光栄だね。ただ、先生の悪口は頂けないな!」
フリードが合わせている剣の刃を滑らせるようにして、ケイハルトに突きかかるも、軽々と躱される。
更に間髪入れずに突きかかる剣がいつの間にか槍の様に変化している。
今度は横薙ぎに振るうそれが大剣のように変わっている。
その全てを躱されてはいるものの、反撃する隙を与えず、ビエントとアインベルクの二人を相手にしていた時の余裕を表情から消していた。
「この短期間でゼクスを上手く使えるようになるとは、さすがは先生の弟子ですね」
「感心している時ではないぞ。我々も今一度」
「言われなくとも分かっていますよ」
再びビエントとアインベルクが戦いに加わり、先程とは完全に形成が逆転した。
「くっ、さすがに三人が相手となると」
「では、私も加えて貰えますかね」
フリードの剣を弾き返したのはシュレーゲンだった。
「何処から現れやがった?」
フリードは勿論、ビエントとアインベルク、更にはケイハルトさえも、いつ何処から現れたのか気付かなかった。
「何処に行っていた?」
「ジェモグリエの召喚にかなり魔力を使いましたので、少し休ませて貰いました」
「全く、いつもお前は神出鬼没だな」
「それは褒め言葉ですかな? それはそうと、お遊びはここまでとなさいませ」
シュレーゲンが加わった事で、フラムとシャルロアも加勢しようと駆け寄って来るのが見える。
「これ以上は面倒な事になりそうだ。この体にも馴染んで来たようでもあるしな」
「させるかよ!」
フリードがシュレーゲンの剣を弾いてケイハルトに斬り掛かろうとするが、シュレーゲンも直ぐに剣を返してフリードの剣に合わせる。
「こいつ!」
今度はシュレーゲンに集中して剣を振るうが、その悉くが合わせられる。
その間にビエントとアインベルクがケイハルトに駆け寄ろうとするが、戦いの最中に裂け目から上がって来て死んだと思われる魔獣が死魔獣と化して、二人の行く手を阻む。
「ちゃんと手は打ってありますよ。さあ、ケイハルト様」
「抜け目ない奴よ。それが頼りにもなる」
ケイハルトは笑みを浮かべつつ、右手を天に掲げた。
「アルシオンボルトーア!」
空は元々曇っていたが、更に分厚く
黒く染まった雲が集まって来て、ケイハルトが居る場所を中心にして渦を巻き始めた。
「何が始まるってんだ?」
「ここまで来れば私の力はいりませんね」
フリードが一瞬だけ上空に気を取られている間に、シュレーゲンの後方には漆黒の魔獣召喚陣が現れていた。
「私もこれで退場させて貰いますよ」
「おい、待て!」
フリードが剣を振るうより早く、シュレーゲンは漆黒の魔獣召喚陣と共に消えてしまった。
「さあ、ダルメキアの終わりの始まりだ」
《最終章へ続く》
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。
なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!
冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。
ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。
そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる