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最終章 戦いの果てに
第五話 動く山
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「馬鹿な。あんな小娘に炎帝が召喚出来るだと? 」
「そうだ。召喚出来たとしても、下手をすればどうなるか、分かるであろう」
「今のあの子なら いえ、この状況を打開するには今はそれしか。ですから、どうにかあなたはあの子が炎帝を召喚するまでのケイハルトの足止めをして下さい」
「馬鹿を言え。二人がかりでやっとのものを、どうやって私だけで足止めしろと?」
「それは自分で考えなさい。五賢人でしょう」
アインベルクが頭上で錫杖を激しく廻転させると、雷帝の上空から大粒の雹が降り注ぎ、雷帝と共にケイハルトを襲う。
「今更小細工を!」
ケイハルトはその悉くを剣で打ち払って行く。
「あとは任せましたよ」
アインベルクは氷帝を巡らせ、フラムの元へ向かう。
「おい! 全く、無茶な事を」
次いでビエントが、愚痴を溢しつつ頭上で三叉戟を廻転させると雷帝の周りに突風が渦を巻き、降り注ぐ雹を巻き込んだ。
雹同士がぶつかって鋭く尖り、更にスピードを上げて巻き込むように雷帝とケイハルトを襲う。
さすがにケイハルトも全ては捌き切れず、その体を傷つける。しかし、
「ええい、鬱陶しい! ライディシュラーク!」
ライディシュラークの体がスパークし、激しい放電が雹に直撃して一瞬にして水蒸気と化す。
雹から逃れたケイハルトは、迷う事無く雷帝を巡らせる。
向かう先は、当然地上に居るフラム達の元だ。
ビエントも直ぐに後を追う。
先にフラムの元に氷帝が向かったが、僅かながらに早い雷帝が追い付き、氷帝にぶつかりつつその先を抜けて行った。
「こっちに来るでヤンスよ!」
「急にどうしたってんだ?」
「早く逃げましょう」
「いえ、とても逃げられる速さじゃないわ」
「では、どうするんです?」
「やるしかないわ」
少し前に出たフラムがヴァイトを構える。
「無茶でヤンス」
「無茶でも何でもやるしかないわ。この剣はドラゴンスレイヤーなんだから」
「だったら俺の方がいいだろう。そんな短い剣じゃあとても無理だろう」
今度はフリードが前に出て構える。
「何言ってんのよ。幾らゼクスだって相手は雷帝なのよ」
二人が言い争う間に、今度はオロドーアが前に出て来て来いと言わんばかりに両拳を掲げる。
「はいはい、あなたはもっとダメですよ」
素早くシャルロアがオロドーアを抱き上げてそそくさと後ろに下がる。
結局フラムとフリードが並んで剣を構える。
そうしている間にも、雷帝が物凄い勢いで迫っていた。
「足止めも出来ないのですか?」
「だから言ったであろう。相手も五賢人。それも雷帝が居るのだぞ」
「随分と弱気な」
言い争いながらも二人は風帝と氷帝の口を開らかせる。しかし、その前を行く雷帝が開いた口の奥が閃光に包まれていた。
「あんな娘が炎帝を呼べるとは思わんが、小さな災いでも摘んでおかねばな!」
膨れ上がった閃光がまさに吐き出されようとしたその時、何処からともなく巨大な岩が勢い良く飛んで来て雷帝に直撃した。
岩と共に雷帝は勢い良く飛ばされるが、先程風帝に体当たりされたこともあり、ケイハルトは踏ん張って落ちる事はなかった。
「ライディシュラーク!!」
雷帝の体が一気に放電し、巨大な岩は砕け散った。
「丁度いい時に一体━━いや、今のはまさか!」
ケイハルトは血相を変え、その目を岩が飛んで来た方向へと向けた。
「助かったでヤンス」
パルはフラムの肩の上でへたり込む。
「ん? 何だ、今度は地震か?」
フリード達地上に残る者達に軽い地震のようなものが伝わって来る。しかしそれは、途切れ途切れに何度も、徐々に大きな揺れへと変わって行く。
明らかに地震とは異なるものだ。
次第に残った者達がざわつき始め、皆一様に同じ方向を見て驚愕の表情に変わって行く。
「何だ?」
フラム達も訝しげにその目を同じ方向へと向け、同じ顔になる。
「おいおい、何だありゃあ……」
「山が動いてるでヤンス!」
先程までなかったはずの巨大な岩山が、ゆっくりと戦場に向かって来る。
地響きはそれに合わせるように起こっていた。
「あれは山じゃないわ……魔獣よ」
周りが驚きの顔を変えない中、フラムだけがその中に笑みを見せていた。
「そうだ。召喚出来たとしても、下手をすればどうなるか、分かるであろう」
「今のあの子なら いえ、この状況を打開するには今はそれしか。ですから、どうにかあなたはあの子が炎帝を召喚するまでのケイハルトの足止めをして下さい」
「馬鹿を言え。二人がかりでやっとのものを、どうやって私だけで足止めしろと?」
「それは自分で考えなさい。五賢人でしょう」
アインベルクが頭上で錫杖を激しく廻転させると、雷帝の上空から大粒の雹が降り注ぎ、雷帝と共にケイハルトを襲う。
「今更小細工を!」
ケイハルトはその悉くを剣で打ち払って行く。
「あとは任せましたよ」
アインベルクは氷帝を巡らせ、フラムの元へ向かう。
「おい! 全く、無茶な事を」
次いでビエントが、愚痴を溢しつつ頭上で三叉戟を廻転させると雷帝の周りに突風が渦を巻き、降り注ぐ雹を巻き込んだ。
雹同士がぶつかって鋭く尖り、更にスピードを上げて巻き込むように雷帝とケイハルトを襲う。
さすがにケイハルトも全ては捌き切れず、その体を傷つける。しかし、
「ええい、鬱陶しい! ライディシュラーク!」
ライディシュラークの体がスパークし、激しい放電が雹に直撃して一瞬にして水蒸気と化す。
雹から逃れたケイハルトは、迷う事無く雷帝を巡らせる。
向かう先は、当然地上に居るフラム達の元だ。
ビエントも直ぐに後を追う。
先にフラムの元に氷帝が向かったが、僅かながらに早い雷帝が追い付き、氷帝にぶつかりつつその先を抜けて行った。
「こっちに来るでヤンスよ!」
「急にどうしたってんだ?」
「早く逃げましょう」
「いえ、とても逃げられる速さじゃないわ」
「では、どうするんです?」
「やるしかないわ」
少し前に出たフラムがヴァイトを構える。
「無茶でヤンス」
「無茶でも何でもやるしかないわ。この剣はドラゴンスレイヤーなんだから」
「だったら俺の方がいいだろう。そんな短い剣じゃあとても無理だろう」
今度はフリードが前に出て構える。
「何言ってんのよ。幾らゼクスだって相手は雷帝なのよ」
二人が言い争う間に、今度はオロドーアが前に出て来て来いと言わんばかりに両拳を掲げる。
「はいはい、あなたはもっとダメですよ」
素早くシャルロアがオロドーアを抱き上げてそそくさと後ろに下がる。
結局フラムとフリードが並んで剣を構える。
そうしている間にも、雷帝が物凄い勢いで迫っていた。
「足止めも出来ないのですか?」
「だから言ったであろう。相手も五賢人。それも雷帝が居るのだぞ」
「随分と弱気な」
言い争いながらも二人は風帝と氷帝の口を開らかせる。しかし、その前を行く雷帝が開いた口の奥が閃光に包まれていた。
「あんな娘が炎帝を呼べるとは思わんが、小さな災いでも摘んでおかねばな!」
膨れ上がった閃光がまさに吐き出されようとしたその時、何処からともなく巨大な岩が勢い良く飛んで来て雷帝に直撃した。
岩と共に雷帝は勢い良く飛ばされるが、先程風帝に体当たりされたこともあり、ケイハルトは踏ん張って落ちる事はなかった。
「ライディシュラーク!!」
雷帝の体が一気に放電し、巨大な岩は砕け散った。
「丁度いい時に一体━━いや、今のはまさか!」
ケイハルトは血相を変え、その目を岩が飛んで来た方向へと向けた。
「助かったでヤンス」
パルはフラムの肩の上でへたり込む。
「ん? 何だ、今度は地震か?」
フリード達地上に残る者達に軽い地震のようなものが伝わって来る。しかしそれは、途切れ途切れに何度も、徐々に大きな揺れへと変わって行く。
明らかに地震とは異なるものだ。
次第に残った者達がざわつき始め、皆一様に同じ方向を見て驚愕の表情に変わって行く。
「何だ?」
フラム達も訝しげにその目を同じ方向へと向け、同じ顔になる。
「おいおい、何だありゃあ……」
「山が動いてるでヤンス!」
先程までなかったはずの巨大な岩山が、ゆっくりと戦場に向かって来る。
地響きはそれに合わせるように起こっていた。
「あれは山じゃないわ……魔獣よ」
周りが驚きの顔を変えない中、フラムだけがその中に笑みを見せていた。
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