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第一章 悪魔の科学者
第十八話 見た目によらず
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「何か他にいい策はないのか?」
「他にって言ったって、竜魔獣に対抗出来るのは基本的に竜魔獣だけだし……」
フラムは上を見上げてパルを見るが、直ぐに首を横に振る。
「あと、考えられるとすれば、他の魔獣なら弱点を探すんだけど」
「弱点? こんなバカでかい奴に弱点なんかあるのかよ」
「さあね。あるかもしれないし、ないかもしれない。竜魔獣を相手にするのは当然初めてだもの。それに、弱点があってもそこをつけるかどうか。でも、もうそれに賭けてみるしかないでしょうね」
「確かにそうかもな。弱点か……」
「パル、あんたはなんとかジュモグリエの注意を引いといてくれる!」
「え、オイラがでヤンスか? サウロンの注意を引くのとは訳が違うでヤンスよ!」
そうこうしている内に、ジュモグリエは村に差し掛かり、建物を壊し始めた。
「早くしないと、村がなくなっちゃうでしょう!」
「分かったでヤンスよ!」
パルはジュモグリエの前に廻り込み、飛んで廻って注意を引き付ける。
その間にフラムはしゃがみ、右手を地面に下ろす。
「アルシオンボルトーア!」
現れた召喚陣を前にして印を組む。
「魔界に住みし属性なき魔獣よ。開かれし門を潜り出でて我が命に従え」
両手の印が形を変える。
「出でよ、魔獣ドゥーブ!」
召喚陣の光の中からドゥーブが飛び出して来た。それも一匹ではなく次々と、その数は十匹を数えた。
「おいおい、何でその魔獣を召喚したんだ? どう見ても戦い向きじゃないと思うぞ」
「確かにね。でも、戦い方で役に立ってくれるのよ。見てなさい。ドゥーブ、ジュモグリエの左の後ろ足の前辺りに穴を掘って。より深くね」
十匹のドゥーブは、ジュモグリエに恐々としながらも、言われた通りに穴を掘り始めた。そのスピードは異常に早く、あっと言う間にジュモグリエの足がすっぽりと入る程の穴が出来上がった。
ジュモグリエの左の後ろ足が上がったのを見て、慌ててフラムの方に退散し、一匹を残して次々と召喚陣の光の中に消えて行った。
フラムが印を解くと共に、召喚陣が消える中、ジュモグリエはドゥーブが掘った穴で足を踏み外し、バランスを崩して四つの膝を折って地に伏してしまった。
「どう、これで少しは時間が稼げるわよ」
「へえ~、やるもんだな」
「だから言ったでしょう。ドゥーブは色々と役に立ってくれるんだから。さあ、今度は私達の番ね」
「どうするんだ?」
「とりあえず私は上を攻めてみるから、あんたは下の方を攻めて弱点を探してみて。どうせ高い所はダメでしょうから」
「何か一言多いんだよな」
「じゃあ上に行ってみる?」
フリードは慌てて首を横に振る。
「分かった、分かった。俺がわるうございました。でも上って、この高さだぞ。さっき村長を乗せてった魔獣もいないし、また召喚するのか?」
「何度も召喚するのは結構疲れるのよ。だから、ドゥーブを一匹だけ残したわけ。じゃあ、下は頼んだわよ」
ドゥーブに向かって飛び上がったフラムは、ドゥーブの体の上に勢い良く降り立った。すると、ドゥーブの体がゴムのように縮み、伸び上がると共にフラムの体が飛び上がった。
フラムは勢い良く上昇し、山のように大きな体のジュモグリエの背中に一気に降り立った。
「すげぇ~、お前は本当に役に立つな」
フリードがゴムまりのようなドゥーブの体を弾ませると、ドゥーブも嬉しそうな鳴き声を上げた。
「さてと、上には来たものの、どうしたものかな。とりあえず斬ってみますか」
ジュモグリエの背に乗ったフラムは、剣を抜き放つなりジュモグリエの体に振り下ろした。しかし、斬れども突けども甲高い金属音を打ち鳴らすばかりで、ジュモグリエの体には傷一つ付かない。
「やっぱりダメか。鱗が硬すぎるわ。そもそも竜魔獣を斬ろうって言うなら、竜殺しの剣でもないと無理に決まってるじゃないよ」
フラムが愚痴を溢していると、ジュモグリエが突然奇声を上げ、体を揺すり出した。
「何! 何! 何で急に苦しみ出したの!?」
何とか振り落とされないようにバランスを取ったフラムは、下の方を見た。すると、フリードが振るった剣が、ジュモグリエの皮膚を傷付けていた。
「あいつ一体何なのよ? 持っている剣はとてもドラゴン・スレイヤーには見えないけど……」
「フラム、後ろでヤンスよ!!」
パルの叫ぶ声に反応し、後ろを振り返ったフラムの目に、ジュモグリエの右の頭が背の方に頭を向け、大きく口を開けている姿が飛び込んで来た。
「しまった!!」
何も出来ずに思わず目を瞑ってしまったフラムに、ジュモグリエの右の頭が炎を吐いた。直ぐに吐くのを止めた炎の先には、フラムの姿はなくなっていた。
「他にって言ったって、竜魔獣に対抗出来るのは基本的に竜魔獣だけだし……」
フラムは上を見上げてパルを見るが、直ぐに首を横に振る。
「あと、考えられるとすれば、他の魔獣なら弱点を探すんだけど」
「弱点? こんなバカでかい奴に弱点なんかあるのかよ」
「さあね。あるかもしれないし、ないかもしれない。竜魔獣を相手にするのは当然初めてだもの。それに、弱点があってもそこをつけるかどうか。でも、もうそれに賭けてみるしかないでしょうね」
「確かにそうかもな。弱点か……」
「パル、あんたはなんとかジュモグリエの注意を引いといてくれる!」
「え、オイラがでヤンスか? サウロンの注意を引くのとは訳が違うでヤンスよ!」
そうこうしている内に、ジュモグリエは村に差し掛かり、建物を壊し始めた。
「早くしないと、村がなくなっちゃうでしょう!」
「分かったでヤンスよ!」
パルはジュモグリエの前に廻り込み、飛んで廻って注意を引き付ける。
その間にフラムはしゃがみ、右手を地面に下ろす。
「アルシオンボルトーア!」
現れた召喚陣を前にして印を組む。
「魔界に住みし属性なき魔獣よ。開かれし門を潜り出でて我が命に従え」
両手の印が形を変える。
「出でよ、魔獣ドゥーブ!」
召喚陣の光の中からドゥーブが飛び出して来た。それも一匹ではなく次々と、その数は十匹を数えた。
「おいおい、何でその魔獣を召喚したんだ? どう見ても戦い向きじゃないと思うぞ」
「確かにね。でも、戦い方で役に立ってくれるのよ。見てなさい。ドゥーブ、ジュモグリエの左の後ろ足の前辺りに穴を掘って。より深くね」
十匹のドゥーブは、ジュモグリエに恐々としながらも、言われた通りに穴を掘り始めた。そのスピードは異常に早く、あっと言う間にジュモグリエの足がすっぽりと入る程の穴が出来上がった。
ジュモグリエの左の後ろ足が上がったのを見て、慌ててフラムの方に退散し、一匹を残して次々と召喚陣の光の中に消えて行った。
フラムが印を解くと共に、召喚陣が消える中、ジュモグリエはドゥーブが掘った穴で足を踏み外し、バランスを崩して四つの膝を折って地に伏してしまった。
「どう、これで少しは時間が稼げるわよ」
「へえ~、やるもんだな」
「だから言ったでしょう。ドゥーブは色々と役に立ってくれるんだから。さあ、今度は私達の番ね」
「どうするんだ?」
「とりあえず私は上を攻めてみるから、あんたは下の方を攻めて弱点を探してみて。どうせ高い所はダメでしょうから」
「何か一言多いんだよな」
「じゃあ上に行ってみる?」
フリードは慌てて首を横に振る。
「分かった、分かった。俺がわるうございました。でも上って、この高さだぞ。さっき村長を乗せてった魔獣もいないし、また召喚するのか?」
「何度も召喚するのは結構疲れるのよ。だから、ドゥーブを一匹だけ残したわけ。じゃあ、下は頼んだわよ」
ドゥーブに向かって飛び上がったフラムは、ドゥーブの体の上に勢い良く降り立った。すると、ドゥーブの体がゴムのように縮み、伸び上がると共にフラムの体が飛び上がった。
フラムは勢い良く上昇し、山のように大きな体のジュモグリエの背中に一気に降り立った。
「すげぇ~、お前は本当に役に立つな」
フリードがゴムまりのようなドゥーブの体を弾ませると、ドゥーブも嬉しそうな鳴き声を上げた。
「さてと、上には来たものの、どうしたものかな。とりあえず斬ってみますか」
ジュモグリエの背に乗ったフラムは、剣を抜き放つなりジュモグリエの体に振り下ろした。しかし、斬れども突けども甲高い金属音を打ち鳴らすばかりで、ジュモグリエの体には傷一つ付かない。
「やっぱりダメか。鱗が硬すぎるわ。そもそも竜魔獣を斬ろうって言うなら、竜殺しの剣でもないと無理に決まってるじゃないよ」
フラムが愚痴を溢していると、ジュモグリエが突然奇声を上げ、体を揺すり出した。
「何! 何! 何で急に苦しみ出したの!?」
何とか振り落とされないようにバランスを取ったフラムは、下の方を見た。すると、フリードが振るった剣が、ジュモグリエの皮膚を傷付けていた。
「あいつ一体何なのよ? 持っている剣はとてもドラゴン・スレイヤーには見えないけど……」
「フラム、後ろでヤンスよ!!」
パルの叫ぶ声に反応し、後ろを振り返ったフラムの目に、ジュモグリエの右の頭が背の方に頭を向け、大きく口を開けている姿が飛び込んで来た。
「しまった!!」
何も出来ずに思わず目を瞑ってしまったフラムに、ジュモグリエの右の頭が炎を吐いた。直ぐに吐くのを止めた炎の先には、フラムの姿はなくなっていた。
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