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第二章 里帰り
第二話 ライバル?
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墓場を後にしたフラムは、開けた道を歩いていた。もちろん肩にはパルも居る。
「これからどうするでヤンス?」
「せっかく住み慣れた場所に来たんだし、ベルデュールに寄って、仕事でもして行こうかな」
「なるほど、結局お金でヤンスか」
「何が悪いのよ?」
「別に悪くはないでヤンスけど……」
パルがフラムの鋭い目線を切るようにそっぽを向いたその時、
「待ちなさい、そこのバカ女!」
後ろから呼び止める声に、フラムとパルは露骨に嫌な顔をする。
「あの声、もしかして……」
「もしかするとでヤンス……」
後ろを振り返った先に、フラムに似た出で立ちの女が腰に手を当てているのを見て、フラムとパルは同時に溜息を洩らす。
「やっぱりイグニアか」
「でヤンスね」
「ずっとあんたを探してたのよ。もしかしたらここに戻って来るかもって、少し前から張っておいて正解だったわ」
「はいはい、ご苦労様です」
フラムは呆れ顔で踵を返し、イグニアに背を向けて歩き出す。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
イグニアは慌てて駆け出してフラムの先廻りをしてまた腰に手を当てる。
「ここで会ったが何とかよ。私と勝負━━」
フラムは無視するように横を通り過ぎて行く。
イグニアもまたフラムの先廻りをして腰に手を当てる。
「あんた、逃げるつもり? 今度こそ決着を ━━」
またフラムは横を通り過ぎる。
「ちょっと、いい加減にしなさいよ。良くそんな腰抜けで、ヴァルカン様の弟子だって言い張れるわね」
ヴァルカンの名前が出た瞬間にフラムの歩みが止まる。
「フラム、ダメでヤンスよ」
「分かってるわよ」
フラムは苛立ちを見せつつ後ろを振り返る。
「いい加減にしなさいよ。あんたと関わると毎度毎度ろくな事にならないのよ。魔法大学校に居た時だって、あんたのせいで要注意人物にされてたんだから」
「それは私のせいじゃなくて、あんたのせいでしょう。校長先生の銅像を壊したのもあんただし」
「待ちなさい! あれはあんたがフラペンタで襲って来たからでしょう。それを言うならあんただって教室をまるまる燃やしてしまったじゃないのよ」
「それこそあんたがフラボで人を驚かしたからでしょう」
「オイラからすれば、どっちもどっちでヤンス」
「何ですって!」
仲が良いのか悪いのか、声を合わせたフラムとイグニアの視線を一斉に浴び、パルは思わずのけ反って、フラムの肩から落ちそうになる。
「そもそも何なのよ、その喋る非常識な魔獣は!」
「前にも言ったでしょう。パルは師匠が召喚した魔獣なのよ」
「それよそれ! 小さい頃から憧れていた五賢人のヴァルカン様は弟子を全然取らないって言うのに、あんたみたいなのを弟子にして、挙句にそんな珍妙な魔獣まで召喚して貰えるなんて、あんた一体何なのよ」
「また始まった。これじゃあ埒が明かないわ」
フラムはその場にしゃがみ、右手を地面に下ろす。
「ようやくやる気になったようね」
イグニアもその場にしゃがんで右手を地に下ろす。
「アルシオンボルトーア!」
二人の足元に魔獣召喚陣が現れ、光り輝く。
「フラム」
「黙って見てなさい」
心配気なパルを余所に、立ち上がった二人は召喚陣を前にして印を組む。
「魔界に住みし炎の魔獣よ。開かれし門を潜り出でて我が命に従え」
「魔界に住みし氷の魔獣よ。開かれし門を潜り出でて我が命に従え」
二人の印が形を変える。
「出でよ、炎魔獣フラント!」
「出でよ、氷魔獣ヒュービ!」
イグニアの召喚陣の光の中からは、四つ足の大柄な炎魔獣のフラントが飛び出し、その身が炎で包まれる。
フラムの召喚陣の光の中からは、二足歩行でアヒルにも似た小柄な氷魔獣のヒュービが五匹、次々と飛び出して来た。
「あんたが特異質なのは知ってるけど、炎魔獣の召喚に長けた私にヒュービってどう言うつもり? あんたがフラントを召喚すると思ってこっちもフラントを召喚したのに、舐めてんの?」
「この間、いい戦い方を教わったのよ。ヒュービ、一斉に冷気を吐き出しなさい! 目一杯ね!」
五匹のヒュービが一斉に冷気を吐き出し、辺りは一瞬にして霧が掛かったように真っ白になり、視界が遮られた。
「何よこれ!!」
イグニアが動揺する中、徐々に晴れて来た視界の先に、フラムの姿はなくなっていた。
「やられた……」
イグニアは歯噛みしながら地団駄を踏む。
「これからどうするでヤンス?」
「せっかく住み慣れた場所に来たんだし、ベルデュールに寄って、仕事でもして行こうかな」
「なるほど、結局お金でヤンスか」
「何が悪いのよ?」
「別に悪くはないでヤンスけど……」
パルがフラムの鋭い目線を切るようにそっぽを向いたその時、
「待ちなさい、そこのバカ女!」
後ろから呼び止める声に、フラムとパルは露骨に嫌な顔をする。
「あの声、もしかして……」
「もしかするとでヤンス……」
後ろを振り返った先に、フラムに似た出で立ちの女が腰に手を当てているのを見て、フラムとパルは同時に溜息を洩らす。
「やっぱりイグニアか」
「でヤンスね」
「ずっとあんたを探してたのよ。もしかしたらここに戻って来るかもって、少し前から張っておいて正解だったわ」
「はいはい、ご苦労様です」
フラムは呆れ顔で踵を返し、イグニアに背を向けて歩き出す。
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」
イグニアは慌てて駆け出してフラムの先廻りをしてまた腰に手を当てる。
「ここで会ったが何とかよ。私と勝負━━」
フラムは無視するように横を通り過ぎて行く。
イグニアもまたフラムの先廻りをして腰に手を当てる。
「あんた、逃げるつもり? 今度こそ決着を ━━」
またフラムは横を通り過ぎる。
「ちょっと、いい加減にしなさいよ。良くそんな腰抜けで、ヴァルカン様の弟子だって言い張れるわね」
ヴァルカンの名前が出た瞬間にフラムの歩みが止まる。
「フラム、ダメでヤンスよ」
「分かってるわよ」
フラムは苛立ちを見せつつ後ろを振り返る。
「いい加減にしなさいよ。あんたと関わると毎度毎度ろくな事にならないのよ。魔法大学校に居た時だって、あんたのせいで要注意人物にされてたんだから」
「それは私のせいじゃなくて、あんたのせいでしょう。校長先生の銅像を壊したのもあんただし」
「待ちなさい! あれはあんたがフラペンタで襲って来たからでしょう。それを言うならあんただって教室をまるまる燃やしてしまったじゃないのよ」
「それこそあんたがフラボで人を驚かしたからでしょう」
「オイラからすれば、どっちもどっちでヤンス」
「何ですって!」
仲が良いのか悪いのか、声を合わせたフラムとイグニアの視線を一斉に浴び、パルは思わずのけ反って、フラムの肩から落ちそうになる。
「そもそも何なのよ、その喋る非常識な魔獣は!」
「前にも言ったでしょう。パルは師匠が召喚した魔獣なのよ」
「それよそれ! 小さい頃から憧れていた五賢人のヴァルカン様は弟子を全然取らないって言うのに、あんたみたいなのを弟子にして、挙句にそんな珍妙な魔獣まで召喚して貰えるなんて、あんた一体何なのよ」
「また始まった。これじゃあ埒が明かないわ」
フラムはその場にしゃがみ、右手を地面に下ろす。
「ようやくやる気になったようね」
イグニアもその場にしゃがんで右手を地に下ろす。
「アルシオンボルトーア!」
二人の足元に魔獣召喚陣が現れ、光り輝く。
「フラム」
「黙って見てなさい」
心配気なパルを余所に、立ち上がった二人は召喚陣を前にして印を組む。
「魔界に住みし炎の魔獣よ。開かれし門を潜り出でて我が命に従え」
「魔界に住みし氷の魔獣よ。開かれし門を潜り出でて我が命に従え」
二人の印が形を変える。
「出でよ、炎魔獣フラント!」
「出でよ、氷魔獣ヒュービ!」
イグニアの召喚陣の光の中からは、四つ足の大柄な炎魔獣のフラントが飛び出し、その身が炎で包まれる。
フラムの召喚陣の光の中からは、二足歩行でアヒルにも似た小柄な氷魔獣のヒュービが五匹、次々と飛び出して来た。
「あんたが特異質なのは知ってるけど、炎魔獣の召喚に長けた私にヒュービってどう言うつもり? あんたがフラントを召喚すると思ってこっちもフラントを召喚したのに、舐めてんの?」
「この間、いい戦い方を教わったのよ。ヒュービ、一斉に冷気を吐き出しなさい! 目一杯ね!」
五匹のヒュービが一斉に冷気を吐き出し、辺りは一瞬にして霧が掛かったように真っ白になり、視界が遮られた。
「何よこれ!!」
イグニアが動揺する中、徐々に晴れて来た視界の先に、フラムの姿はなくなっていた。
「やられた……」
イグニアは歯噛みしながら地団駄を踏む。
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