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第七章 剣聖
第十二話 今度はフリード、のはずが
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「ああ~、今日もいい天気ね」
まだ日が上がらない朝早く、フラムは大きく伸びをしながら家から出て来た。
少し慣れたのか、すっきりした顔をしている。ただ、肩の上のパルはまだ眠そうだ。
「おう、起きたのか。おはよう」
ウォルンタースと共に姿を見せたフリードが、手を上げながら声をかけて来た。
「おはよう。あんたは相変わらず早いわね」
「ほっ、ほっ、ほっ、お主も少しは慣れたようじゃな」
「今日こそは修行をつけさせて貰いますからね」
「その意気でヤンス」
肩の上で舟を漕ぎながらパルが言う。
「いや、その前に少し話がある。特にフリード、お主の話じゃ」
「俺の?」
「昨日の話を聞いてみれば、ジェロウドすら倒せぬようでは話にならぬわ。特に、ケイハルトとの戦いに参加するつもりならのお」
「え、あんたも戦う気なの?」
「まあ、剣の腕を上げるには格好の場かと思っていたからな……」
「自惚れるのも大概にせい。今のお主では、ビエントとアインベルクの足手纏いにしかならぬわい」
「あんたも力不足だってさ」
フラムが肘でフリードを小突くが、
「何を言うとる。お主はフリードより更に劣っとるんじゃぞ」
「フラムもでヤンス」
今度はパルが肘でフラムの顔を小突く。
「そもそも前から言っておったが、お主の剣は軽過ぎるんじゃ。ゼクスを取って来いと言うておったであろう」
「ゼクス?」
フラムとパルが揃って首を傾げる。
「十傑の一本。ルディアが使っておった剣じゃ」
「ルディア様の!? 確かルディア様の剣って大剣じゃあなかったかしら」
「ああ、だからゼクスだと俺の速さが生きないって先生には言ってるんだけどさ」
「何故そう決めつける?」
ウォルンタースは残念そうに首を横に振る。
「どうしてそう規制に囚われる? だからお主らは成長出来んのじゃ。限界を突破してからこそ、強くなれると言うもの」
「ゼクスがあれば、成長出来るんですか?」
「それはお主次第じゃ」
フラムとパルはズッコケる。
「そこは人任せなんだ」
呆れるフラム達を余所に、フリードは力強く頷く。
「分かりました。取って来ます。それで帰って来たら、また修行をお願い出来ますよね?」
「儂は来る者を拒まず、去る者を追わぬ主義じゃと言うておろう」
「今度はあんたが剣を取りに行く番だって事ね」
「何を他人事のように言うておる。お主も一緒に行くんじゃぞ」
「私も!? いやいや、私は一人で取りに行ったのに、何で今度は付いて行かなきゃならないんですか?」
「お主の時は、フリードが付いて行くとお主の修行の為にはならぬと思うてのお。ジオーネがおったから尚更じゃ。じゃが今回は、逆にお主の修行にもなると思うてな」
「あの口振りだと今回も何かあるでヤンスよ」
「恐らくね」
「さて、どうかのお。ほっ、ほっ、ほっ」
「どうやら図星のようね」
フラムの口から溜息が洩れる。
「それで、断ったらどうなんです?」
「行く事が修行だと言うておるのに、断るなら修行も断念したとみなすかのお」
「そんな、ズル~い!」
してやったりと言うウォルンタースを、フラムは歯噛みしながら睨む。
「さて、どうするかのお?」
「本当にエレーナが言う通りクソジジイだわ。それじゃあ行くって言うしかないじゃないのよ」
「交渉はフラムより上手でヤンス」
「決まりじゃのお。ほっ、ほっ、ほっ」
笑い声を聞いて収まりがつかないフラムがウォルンタースに向かって行こうとするのを、フリードとパルが止める。
斯くして、フリードがルディアの剣━━ゼクスを取りに行く為に、フラムも一緒に行く事となってしまった。
まだ日が上がらない朝早く、フラムは大きく伸びをしながら家から出て来た。
少し慣れたのか、すっきりした顔をしている。ただ、肩の上のパルはまだ眠そうだ。
「おう、起きたのか。おはよう」
ウォルンタースと共に姿を見せたフリードが、手を上げながら声をかけて来た。
「おはよう。あんたは相変わらず早いわね」
「ほっ、ほっ、ほっ、お主も少しは慣れたようじゃな」
「今日こそは修行をつけさせて貰いますからね」
「その意気でヤンス」
肩の上で舟を漕ぎながらパルが言う。
「いや、その前に少し話がある。特にフリード、お主の話じゃ」
「俺の?」
「昨日の話を聞いてみれば、ジェロウドすら倒せぬようでは話にならぬわ。特に、ケイハルトとの戦いに参加するつもりならのお」
「え、あんたも戦う気なの?」
「まあ、剣の腕を上げるには格好の場かと思っていたからな……」
「自惚れるのも大概にせい。今のお主では、ビエントとアインベルクの足手纏いにしかならぬわい」
「あんたも力不足だってさ」
フラムが肘でフリードを小突くが、
「何を言うとる。お主はフリードより更に劣っとるんじゃぞ」
「フラムもでヤンス」
今度はパルが肘でフラムの顔を小突く。
「そもそも前から言っておったが、お主の剣は軽過ぎるんじゃ。ゼクスを取って来いと言うておったであろう」
「ゼクス?」
フラムとパルが揃って首を傾げる。
「十傑の一本。ルディアが使っておった剣じゃ」
「ルディア様の!? 確かルディア様の剣って大剣じゃあなかったかしら」
「ああ、だからゼクスだと俺の速さが生きないって先生には言ってるんだけどさ」
「何故そう決めつける?」
ウォルンタースは残念そうに首を横に振る。
「どうしてそう規制に囚われる? だからお主らは成長出来んのじゃ。限界を突破してからこそ、強くなれると言うもの」
「ゼクスがあれば、成長出来るんですか?」
「それはお主次第じゃ」
フラムとパルはズッコケる。
「そこは人任せなんだ」
呆れるフラム達を余所に、フリードは力強く頷く。
「分かりました。取って来ます。それで帰って来たら、また修行をお願い出来ますよね?」
「儂は来る者を拒まず、去る者を追わぬ主義じゃと言うておろう」
「今度はあんたが剣を取りに行く番だって事ね」
「何を他人事のように言うておる。お主も一緒に行くんじゃぞ」
「私も!? いやいや、私は一人で取りに行ったのに、何で今度は付いて行かなきゃならないんですか?」
「お主の時は、フリードが付いて行くとお主の修行の為にはならぬと思うてのお。ジオーネがおったから尚更じゃ。じゃが今回は、逆にお主の修行にもなると思うてな」
「あの口振りだと今回も何かあるでヤンスよ」
「恐らくね」
「さて、どうかのお。ほっ、ほっ、ほっ」
「どうやら図星のようね」
フラムの口から溜息が洩れる。
「それで、断ったらどうなんです?」
「行く事が修行だと言うておるのに、断るなら修行も断念したとみなすかのお」
「そんな、ズル~い!」
してやったりと言うウォルンタースを、フラムは歯噛みしながら睨む。
「さて、どうするかのお?」
「本当にエレーナが言う通りクソジジイだわ。それじゃあ行くって言うしかないじゃないのよ」
「交渉はフラムより上手でヤンス」
「決まりじゃのお。ほっ、ほっ、ほっ」
笑い声を聞いて収まりがつかないフラムがウォルンタースに向かって行こうとするのを、フリードとパルが止める。
斯くして、フリードがルディアの剣━━ゼクスを取りに行く為に、フラムも一緒に行く事となってしまった。
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