幼馴染の少女に触れたくても触れられない私は代わりに彼女を求めた……キスをしたのもそんな目で私を見上げるあんたのせいなんだよ

tataku

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第2章

第23話

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 駅を出れば、高い建物が並んでいる。
 それだけで都会だと感じる程度には田舎者だ。
 
 駅周辺には、デパートや商店街がある。
 ここは私達学生の、定番中の定番スポットだ。

「別に、ここならわざわざ何処に行くか秘密にする必要あった?」
「だけど、行き先が分からないドキドキを楽しめましたよね?」
「別に」

 私の言葉に、ちび助は明らかに不満げな顔をした。
 
「深雪先輩はどうですか? ドキドキして昨日の夜眠れませんでしたよね?」

 それのせいで眠れなかったのなら、迷惑極まりない話だ。

「そ、そうだね。ドキドキして眠れなかったよ」

 深雪はちび助を甘やかすような発言をする。
 
「ですよねー、良かったです!」

 いや、駄目でしょ。それで喜んだら。

「因みに行く場所はもう決まってんの?」

 ある程度は目的がないと、無駄に歩き回って今日が終わってしまう。

「ふふふ、お任せください。最近出来たお店なんですが、今――私のクラスではもの凄く話題になっています。間違いなく、私と奈々先輩は涎をだらだら流すほど喜ぶことかと」

 ちび助は得意げに鼻をさすった。

 ――そんな痴態を晒してまで行きたくはないのだが?



 ちび助が向かった場所は、女性専用のプリクラ専門店だ。

 中に入り、しばらく歩いた後――私はここがいかに素晴らしいかを理解した。

「ふふふ、奈々先輩だけは、素早くここの素晴らしさに気づいたようですねぇ。流石は、私のライバルを名乗るだけのことはあります」
「小春、私は初めて――あんたが有能な人間だと認識したかもしんない」
「え? 初めてなんです? 嘘ですよね? 私、今までもかなり有能でしたけど?」

 ちび助はかなりうざい発言をしているが、それを許容できるぐらいには――今の私はかなり気分がいい。

 高揚する私と比べて、深雪と藤宮は何故か微妙そうな顔をしている。

 ここのお店はぱっと見なかなかに広い。

 入場するだけで1000円を取られるのは懐に厳しい。しかし、それが気にならないと錯覚できる程度には――私は魅了されていた。

 プリクラの機械は色々と種類が並んでいる。

 それが私の心を刺激した訳ではない。

 では何か。

 それはたくさんの種類の衣装だ。

 普段着ることのないような衣装たち。

 つまり――

「二人の着せ替えを楽しみ、あまつさえそれを――画像として残すわけね」

 リカちゃん人形を思い出す。

 これは――リアルリカちゃん人形だ。
 
「流石は奈々先輩。私の意図に直ぐ気づきましたね。ここは、好きな人を合法的に色んな衣装を着させ、拝むことができます。かなり際どい衣装もあります。かなりセクシーです。それを深雪先輩が着てくれるんです。興奮しないわけがありません」
「そんなのは着ないからね!」
「安心してください、深雪先輩。アダルティなものは奥に専用の場所が用意されています。そこではプリクラ前に衣装を着替えるスペースが必ずあります。際どい奴は私以外の目には決して触れさせません。だから、安心してください」
「そんなんじゃ安心しないし、変なのは着ないからね!」
「大丈夫ですよぉ。初めは無難なものからいきますので。そしたら、直ぐに慣れますから」

 ちび助は実にいい笑顔を見せた。

 深雪は口をもごもごとさせる。
 何を言っても無駄だと思ってしまったのだろう。

 かなり際どいやつは着ないだろうし、着させるつもりはない。私と二人っきりなら話は別だが。

「取り敢えず、一通り確認しない?」

 特に反対意見は出なかったため、店内を歩き回ることとなった。

 広い更衣室があり、そこからコスプレした女性たちがでてくる。それだけでも、中々に眼福である。

「奈々先輩。実にいい笑顔ですよぉ」

 ちび助は、親指を突き出してきた。

 笑っているつもりなどない――しかし、不安になり、自分の口元を手の甲で押さえつける。

 ふと、藤宮と目が合った。

 軽蔑した目を向けられている。

 何故だ!?
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