今日も一緒に

藤吉めぐみ

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エピローグ

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「どうして和食なんかリクエストするんだよ? この手で。サンドイッチとかのが食べやすいだろ」
 翌日の朝、食卓には出汁巻き卵と焼き鮭、それにご飯と味噌汁が並んでいる。上手く箸が使えない聡祐のために湊はそれらを口に運んでやっていた。確かにこんなのは甘い恋人同士になったのだからやってみたい事のひとつではあったが、こんなふうに介護するのは何か違う気がする。
「だって、世話されたいからな」
「だってって……言ってくれればこんな回りくどいことしなくても世話くらいいくらでもするよ、おれ」
 別にわざわざ食べにくいもの食べなくても、と湊が言うと聡祐は、ホントに? と微笑む。
「そりゃ、そ、聡祐、の頼みならいくらでも」
 湊がぎこちなく答えると、聡祐は意味深な笑顔を向けた。
「じゃあ湊、夜も頼むな」
「よ、夜?」
 夜という単語に昨夜のことを思い出し、湊は赤くなった。それを見て聡祐がにやりと口角を引き上げる。
「今、えっちい想像しただろ、湊。俺が言ったのは夕飯のことだけど?」
 にやにやと笑う聡祐がじっと湊を見つめる。その笑顔に頭の中を見抜かれたようで、湊は真っ赤になった。
「な、ち、違うよ! もういい、学校行く!」
 聡祐にからかわれどうしようもなくなった湊は、逃げるように立ち上がった。
「待てって、湊」
 聡祐も立ち上がり、それを引き止める。抱き寄せられキスをされると、湊も仕方なく立ち止まる。
「ごめん、からかって」
「ん。……今日、何食べたい? 聡祐」
「デザートが湊ならなんでも」
 笑顔でそう言いきる聡祐に、湊は唇を尖らせた。
「えっちいのはそっちじゃないか」
「男ですから。でも、毎日楽しみにしてたんだよ、夕飯」
「じゃあ、今夜も楽しみにしてて」
 湊の言葉に聡祐が、うん、と頷く。
 今日も一緒にご飯を食べよう、と聡祐が囁いた。
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