異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん

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67話 それはただ、野菜を細かく刻むだけの作業のはずだった……

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「ぴーとみーは、そう話してたんだな」

「うん」

 私の話を聞いたカークさんが溜め息を吐きながら、バーナビーさんに、

「バーナビーさん、こうなるって知ってたんじゃ? それならそうと、言っといてくれよ。急に爆発したから、驚いたじゃないか。また、何かあったのかってさ」

「魔獣の飯の用意で、爆発は初めてだもんねぇ。カークじゃないけど、これは言っといてもらわないとねぇ」

 毛を逆立てて驚いていたブリアナさんも、私たちの方へ歩いて来たよ。

「おい、ワシだって、今日初めて妖精たちと深く関わったんだぞ。分かるわけないだろうが」

「でも苦笑いしてたじゃないか」

「そうそう、あの顔は何か知ってる顔だからねぇ」

「そうもなるか、と思っただけだ」

「そうもってのは?」

「さっき見たばかりでな。袋をあり得ない強さで回し蹴りして、動かしたんのだ。だからあれができるなら、他に何かできてもおかしくないと思っての」

「は? 回し蹴り?」

「だって、さっきまで掃除してたんだろう? 回し蹴りってなに?」

「回し蹴りは回し蹴りだ」

 うん、そうね。回し蹴りは回し蹴りだよね。ただ、それを説明するとなると、説明しずらいよね。って、その回し蹴りとあの爆発と何の関係が? 
 ぴーちゃんとみーちゃんの会話、それからみんなの反応から、2人が何かしたことは間違いないんだろうけど、今度は何をしたのよ。

「ぴーちゃん、みーちゃん」

 私はみんなの様子を見ながら、そっとぴーちゃんみーちゃんに声をかける。

『あら、リアなーに?』

『どうしたの? あ、もしかしてお手伝いが疲れた? それならすぐに元気にするわよ』

「ううん、ちがう、まだまだげんき。しょじゃなくて、ぴーちゃんとみーちゃん、いま、なにちてたの?」

『今?』

「しょのぼろぼろ、なに?」

『ボロボロ? ああ、私たちのお手伝いは、野菜を細かくすることだったのよ。これ見て。これはカークがやったやつね』

 ぴーちゃんが見せてくれたのは、カークさんが作ったらしい、1センチ角に刻まれた、オレンジ色の野菜だった。それから、同じくらいの大きさに刻まれた、緑色の野菜も見せてもらったよ。

『今日ご飯を食べる魔獣は、これくらい野菜を細かくしてあげると、よく食べるんですって』

『だから魔法でも、道具でも、自分がやりやすい方法で、そのカゴの中に入っている野菜を、細かくしてって言われたの』

『それで、私たちが細かくした野菜がこれね』

 みーちゃんが指差したのは、シートの上に散らばっていた物だった。

『比べてみて。わたしたちの方が、カークの作ったやつより少し大きいでしょう』

『だからこれから半分にして、次は1回で完璧に、細かくするつもりよ』

「しょなんだ……。でも、なんでばくはちゅ? ぴーちゃんとみーちゃんがいたところで、ばくはちゅちたでちょ? しょれで、けむりがでてたよ?」

『爆発?』

『私たちは細かくしただけだけど?』

 ぴーちゃんとみーちゃんが首を傾げる。それに釣られて私も首をかしげる。それからピィ君が威嚇したまま、やっぱり首をかしげて。というか、ピィ君、すごい目つきになってるよ。目が据わり過ぎていて、ガンをつけてるみたいになってる。

 あんまりその顔はしない方が良いよ。可愛い顔が台無しだし、もしも元に戻らなくなったらどうするの。

『はぁ。細かくしただけのわけないじゃん』

『そうだよな』

『嘘ついちゃダメなんだじょ』

『うん、嘘つきはダメ』

『ちゃんと全部お話ししないと』

 そう言いながら、ミッケたちが嫌々そうな顔をしたまま、私たちのところに集まってくる。

『細かくするために何をしたのか、ちゃんと説明しないよ』

『おいらたち、何したか分かるけど、リアもピィも、知らないなんだじょ』

『そうそう、その説明をしないとな』

『でも、説明聞いても分からないかもしれない』

『ぴーとみーも、自分たちも分かってないしな。てか、当たり前すぎて、分かってないっていうかさ』

『そうだ、実際に見せてあげれば良いんじゃないかな。説明よりも、もっとしっかり分かるだろうし』

『そう?』

『何でみんな、変な顔をしているのかしらね』

 ぴーちゃんとみーちゃんが、さらに不思議そうな顔をしながら、野菜が入っているカゴの方へ。

 カゴの中を見ると、ニンジンみたいな野菜と、ジャガイモみたいなもの。あ、でもジャガーじゃないよ。それから、野球ボールよりも少し大きく、色がスイカそっくりの野菜が入っていたよ。

『リア、ピィ、危ないから、少し後ろにいた方が良いんだじょ』

「危ない?」

『爆発と、シュバババッ!! で、バシューッ!! なんだじょ』

 どういう事? 私とピィ君は、ミッケに言われるまま、少し後ろにさがる。

 そしてあー君、きー君、あお君、しー君は、小屋のまわりや、その週辺を飛び回り。1メートル四方の透明なガラスの板のような物を見つけると、みんなで運んできて、私たちの前にドンとそれを立てたの。

 よく、そんな重い物運べるね。ガラスみたいな物は、ある魔獣の甲羅なんだけど、丈夫でなかなか割れないから、やっぱり地球のガラスみたいに、さまざまな用途に使われているんだ。重さもそれなりで、私は危ないから触るなって言われているの。

 そんな重い物を、あー君たちは軽々運んできたんだ。ただ、立たせるのはちょっと大変みたいで、

「何だ? これを支えるのか? じゃあワシが支えてやる」

 と、バーナビーさんが支えてくれると、みんなは私の肩に乗ってきたよ。ピィ君とミッケは頭の上ね。

「なんでこれ、よういちたの?」

『一応だよ、大丈夫だとは思うけど』

『何かあったら嫌だろう?』

「はぁ、どれだけ力が強いのか」

 そうこうしているうちに、ぴーちゃんとみーちゃんが野菜を選び、私たちの方へ戻ってきたよ。そして私たちを見て、何もそんなことしなくて良いじゃない。別に何も危ないことはしないんだから、と文句を言いながら、シートの上に飛んで行き。そして……。

『じゃあ、やるわね』

『すぐに終わるから、しっかり見ていてね』

『みー、今度は大きさを揃えるわよ』

『ええ』

『『せーのっ!! フンッ!!』』

 バシュッー!! バシィィィンッ!! さっきと同じ爆発音と共に野菜が爆発し、煙が上がる。そして爆発した野菜は粉々に飛び散り、シートの上に落ち。数個が私たちの方へ飛んできて、板に当たって落ちたよ。ん? 板に傷が付いてない? 気のせいか? 

 誰も声を出さず、し~んと静まり返る。

 何が起きたの? え? ぴーちゃんとみーちゃんは野菜を細かくするために、何かをしたんだよね。でも掛け声だけで、ぜんぜん動いていなかったし…。

『あっ、みー見て! 今度は良いくらいの大きさに細かくできてるわよ!!』

『本当だわ! うん、このくらいに細かくする時は、この力って覚えておきましょう!』

 喜ぶぴーちゃんとみーちゃん。

「みっけ」

『何なんだじょ』

「いま、ぴーちゃんとみーちゃん、なにちたの? まちゃみえない、まわちげり?」

『違うんだじょ。今度は見えないパンチなんだじょ』

 は?
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