ライトノベルの悪役魔獣使いだった俺、現代に転生し新テイム能力で今の世界を突き進む

ありぽん

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55話 避難の練習? 体力作りに攻撃の練習?

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「……何をしているんだ?」

「体力作りと、攻撃の練習」

「避難の練習をしていると、言っていなかったか? だからその様子を見にきたんだが」

「ああ、それも毎日やってるよ。だから最初よりも、かなり素早く避難できるようになった。いま、押してみるよ」

 俺は魔獣呼び寄せブザーを押す。と、すぐに反応したアーチーとフェリックスが、室内用砂場から急いで走ってきて。俺のウエストポーチの中へと隠れた。

「結構な速さだろ?」

「確かにな。これなら問題なく避難できるかもしれない。が、それと体力作りと攻撃の練習、何の関係が? 今回は1匹では行動させないんだろう?」

「それは、ちょっといろいろあってさ」

「いろいろ?」

「ああ、実は……」

 魔獣呼び寄せブザーの音での、避難訓練を始めて3日目。今、俺達の部屋に、父さんがアーチーとフェリックスの様子を見にきたんだけど。思っていたものと違う訓練をしていたため、それについて俺に聞いてきたろころだ。

 始めて避難の練習を始めてから、アーチーとフェリックスは休むことなく、しっかりと練習を続けている。
 その成果と言っては何だが、魔獣呼び寄せブザーの音に対する反応は、確実に早くなって。練習3日目にして、父さんも問題なく避難できるかもしれない、と言ってくれた。

 が、最初は避難のことについて、見にきてくれた父さんだったけど、部屋に来て早々、アーチとフェリックスの行動に、気を取られる事に。
 父さんが俺の部屋に来た時、2匹は室内用砂場の中、へりに沿って走っていたんだ。

 実は昨日、アーチーとフェリックスに、ある物を見せたんだ。まだ1回だけだが、2匹が入ったダンジョンは低ランクで、危険な所ではなかったため。どんなダンジョンに入るのかは、入る時の楽しみにと。ダンジョンの情報は、2匹には話さなかったんだ。

 その方がワクワク、ドキドキ楽しいかと思ってな。そしてそれは大成功で、2匹はとても喜んでくれ。だから他の低ランクダンジョンも、同じように内緒にしておいて、入ろうと思っていた。

 だが、今回行くのはBランクのダンジョン。どれだけ危険な場所か、知っておいてもらった方が良いと思い。プレイヤー達のために、協会がダンジョンの内部を撮影した物を、アーチーとフェリックスの見せてやったんだ。

 撮影の内容としては、探索を進めながら、危険な植物や罠についての説明や。他にも、ダンジョンでは何に気をつけたら良いかなど、丁寧に職員が説明してくれていて。始めて入るプレイヤーにとっては、とてもありがたい物だ。

 だけどそれ以外にも映っていた物が。それは魔獣との戦闘シーンで。職員が自分のスキルを使い魔獣達と戦ったり、職員がテイムした家族魔獣達が魔獣と戦ったり。

 それは、姉さんや優也さんの戦闘を、いつも近くで見ていた俺にとっては、驚く物ではなく。ああ、いつも通りだな、と思える物だったが。アーチーとフェリックスにとっては、初めての、レベルの高い戦闘だったため。まぁ、2匹の興奮のすごい事。

 途中から体が動き出し、協会の職員や魔獣達の動きを真似て、パンチを繰り出したり、キックをしたり。最後の方なんて、画面に映っていた魔獣に攻撃をするほどだった。

 そして映像を見終わったアーチーとフェリックスは。初めてのダンジョンに、怖がるどころか。今回のダンジョンでは約束だから、ポケットやカバンからは出ないけれど。他のダンジョンでは、戦えるようになりたいと思ったらしく。
 
 アーチーとフェリックスが戦いについて考えたら結果。攻撃は元気が大切!! それから攻撃の動きも大切!! と。魔獣呼び寄せブザーの練習をする間に、体力作りと攻撃の練習をするようになったんだ。

 それで父さんが来た時は、体力作りのための、砂場に上でのランニングの最中だった。

「あ~、触発されたって感じか」

「そんな感じだよ。攻撃の方は、アーチーがパンチとキックで。フェリックスがキックと突き攻撃だ」
 
「パンチとキックと突き!? 魔法は?」

「今2人にできる、精一杯がそれらしい。見てみる?」

「ああ、もちろん!」

「アーチー、フェリックス、父さんに攻撃の練習を見せてくれるか?」

『分かったっチュ!!』

『れんしゅう、みてもらうっぴっ!!』

 アーチーとフェリックスが、台の上に乗って、それぞれの練習を披露する。

 まずアーチーのパンチは。ボクサーのパンチの練習じゃないが、華麗にステップを踏みながら、短く腕をシュッシュッ!! と動かし、小さな手でパンチを繰り出している。
 キックの方は、やはり短い足を一生懸命に伸ばし、そのままキッをしたり、ジャンプキックをしたりしたぞ。

 と、その時点で、父さんの顔がニヤついたが、俺が咳払いをすると、すぐに真面目な顔に戻った。

 そしてフェリックスの方だけど。まずキックは、やはりアーチーと同じように小さいフェリックスだ。短い足を一生懸命使い、空から飛んで勢いをつけたキックや、アーチーと同じジャンプキックをし。その場に止まってのキックの練習もした。

 まぁ、最後の止まってのキックの練習は毎回。2、3回キックをすると、片足のまま、おっとっとと、後ろに跳ねながら下がっていって、そのまま尻餅をついていたけど。それにまたニヤつく父さんを、咳払いをして止める俺。

 突きの方は、おやつに用意してある、硬い木の実を突いて練習をして。練習をしながら、時々もぐもぐと木の実を食べという感じだ。だから。

『いっぱいれんしゅうっぴっ!! ……おいしいっぴっ』

 というような事を言いながら練習していたぞ。

「そうか、これが練習か」

「初めての練習だからね。それに自分達で考えた練習だ。最初のうちはこれで良いんだよ」

「そうだな。それにしても可愛い練習だな」
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