ライトノベルの悪役魔獣使いだった俺、現代に転生し新テイム能力で今の世界を突き進む

ありぽん

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64話 ラノベに転生した女の今6

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「はぁ、本当嫌になる!!」

 私がこのギルドで生活を始めて、そんなに経っていないけれど。何度自分の部屋の壁に、物を投げつけた事か。

 どうして私がこんな目に合わなきゃいけないのよ!! 私はこのギルドで輝くために。いいえ、いずれはこのギルドに収まらないほどの力を付け。
 前世と同じように、人々に必要とされる人間になって。私中心の、素晴らしい生活を送ろうと思っていたのに。もちろん、そこには男達のことも入っているわよ。

 でも、今の私はどう? それとは全く別の方角へ進んでいるわ!! 毎日泥だらけになって、マジックバッグがあるとはいえ、それでも重い荷物を運ばされて。帰りも、大量の素材を持って帰えらされる。ー

 私に寄ってきている男達も、上から手伝うなと言われているから、誰も手伝ってくれないし。本当に他の荷物持ち達と、同じ扱いを受けているのよ。この私がよ!!

 そのせいで、見てみなさいよ! 毎日お手入れをしていた爪はボロボロに、手だってカサカサだし。泥だらけの洋服は、何度洗っても綺麗にならないし。この洋服いくらだと思っているのよ!! こんな生活、もう耐えられないわ!!

 でも……。気に食わない、やってられないと、このシャドウギルドを辞めたとして、すぐに新しいギルドに入る事はできないわ。ギルドを辞める時は、どうして辞めるのか理由書を書かないといけない決まりなのよ。

 別に本当のことを書いて、辞めれば良いだけの話なんだけど。でもその情報は、最低でも1年は残るのよ。そして新しいギルドに入る時は、その理由を確認するギルドもあって。特に短期間でギルドを辞めた人間の情報は、しっかり見られる傾向があるわ。

 それにギルド同士で、情報交換される可能性もあるの。だから例え嘘の理由を書いたところで。シャドウギルドの事務が、私のこれまでの行いを、全て相手のギルドへ伝えてしまったら……。

 ほとぼりが覚めるまで、待っているのもありだけど。でもそれじゃあ、男漁りができないじゃない。それに私は早く、力を取り戻したいのよ。

 それともう1つ、大事な問題があるわ。このシャドウギルドを辞めたとして、次にシャドウギルド以上のギルドが、私をギルドに誘ってくれる可能性が、どれだけあるか。

 シャドウギルドよりも上となると、あそこと、あそこのギルド、それに……。そう、多くはないわ。そういうギルドは、私から入れて欲しいと言ったところで、絶対に今の私は、入れてくれないだろうし。勧誘だってきてくれないでしょうね。

 そうなると、どうしてもここに残らないといけない。そう、私はこれからも、決められた期間、荷物持ちとして過ごさないといけないって事なのよ。

 はぁ、早く終わらないかしら。前世だったら、私に文句を言い、何かやらせようとした連中は、罠に嵌めて国を追い出したし。他にはある力を使って、私の言う通りに、動くようにしたのよね。

 あ~あ。あの力が今でもあれば、少しは生活がしやすくなるのに。それにこれ以上麗奈に、私を馬鹿にする事を、止めさせられるのに。どうしてあの能力がないのかしら。

 麗奈のやつ、毎回私を馬鹿にしてきて。いいえ、あれは私を完全に下に見てきてるわよね。毎回違う男をはべらかしちゃって、本当嫌味ったらしいったら。

 でもまぁ、今は何も言わないけど。麗奈ってやっぱり、あの程度だったのね。毎回麗奈は違う男と出かけるんだけど。その男が、大したことのない男なのよ。

 あんな男達のどこが良いのかしら。ルックスは上の下、顔つきはまぁまぁくらい。着ている服も、持っている物も、一応ブランド物ではあるものの。その中でも最低ランクだし。まさかあれで本当に、私に勝ったつもりでいるのかしら。

 私の罰が全て終わって、自由に動けるようになったら。やっぱりもう少し、こちらの力を上げる事を、考えた方が良いかもしれないわね。戦闘よりも男の方よ。

 もちろん力も、ちゃんと上げるつもりよ。だってそうしないと、私がここにいる意味がなくなってしまうし。強い力はそれだけで、その力の引き寄せられる、馬鹿な男連中もいるしね。

 だけどまずは魅力を磨いて、私の信者を集めた方が、いろいろやらせるのには楽だし。麗奈以上の男が私の横にいれば、麗奈ももう、私に大きな顔はできなくなるでしょう? 
 ふふふ。きっととても悔しがるでしょうね。醜く顔を歪めて。前世の女達のように。

「すみません。次に入るダンジョンについて、お知らせにあがりました」

「は~い。ちょっと待ってくださ~い」

 私はすぐに、部屋をささっと片付けたわ。今私の部屋に来ているのは、このギルドに来てすぐに、私の虜になった康雄っていう男よ。大した男じゃないけど、麗奈が私にはちょうどでしょうと、連絡役にこいつを選んだのよ。

「どうぞ、入ってくださ~い」

「失礼します」

 康雄は入ってくるとすぐに、次に入るとダンジョンについて、説明を始めたわ。この前までなら、私に取り入ろうと、いろいろしてきたんだけど。
 今は何も手伝ったり、余計な事をしたりするな、と言われているから。何もせずに、すぐに説明を始めたの。

 私は大して説明を聞かないまま、早く時間が過ぎないかしら、と思いながら。その辺を見ていたわ。

 と、たまたまその時、康雄と目があったの。その途端、それまでゆっくり説明をしていた康雄が。

「早く終わらせますね!!」

 と、さっさと説明を進めて始め。そうして説明が終わると。

「このテーブルの上を、片付ければ良いんですね!!」

 そう言って、すぐにテーブルの上を片付け始めようとしたの。私は急いで康雄を止めたわ。だって誰に見られているか、分からないじゃない。それに、もしもこいつが話したら、罰が重くなるのよ。

 ただ、私が止めるように言っても、片付けをしようとする康雄。その時、私はある事に気づいて、再度康雄の目を見たわ。そうしてそのまま止めるように言えば、康雄はすぐに、片付けようとするのをやめて。

 それを見た瞬間、久しぶりに私の気持ちが昂ぶったわ。
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